現実逃避のための思考法(2020-3-24)

僕は現実から逃げるのが得意である。生まれてからずっと現実から逃げ続けてきた。しかし、普通の人間というのは現実から逃げることに対して罪悪感を感じるものである。僕も普通の感受性を持った人間であるので、現実から逃げることに罪悪感がないわけではない。

そこで、僕が提唱するのは現実逃避のための思考法である。この思考法の狙いは、現実から逃げることによって生じる負の感情をシステマティックに軽減することである。この思考法を用いれば、目の前の悩みから目を背け、一時的に精神的負担を少なくすることが、できる、かもしれない。ちなみに、悩みは解決しない。

その思考法はたいへん簡単である。まずはじめに、できるだけ壮大なことを考える。ここで考えることは何でも良い。人間は何のために生きるのかとか、人類から戦争がなくならないのはなぜかとか、絶対に答えが出そうにないものが良い。小一時間、そのテーマについて考えてみる。できるだけ真面目に考えるのが重要である。恐らく小一時間考えたところで、その問題の答えはわからないだろう。こんなことを考えても無駄だな、と思った時が止め時である。すぐに考えるのを止めて構わない。

この思考法の急所は、小さな問題を大きな問題に置き換えることである。小さな問題は自分の努力で解決することができる場合が多い。しかし、理屈をつけて現実逃避にいそしむ人間というのは選りすぐりの怠け者だ、努力ができないから困っているのである。だから、敢えて解決可能な問題を解決不可能な問題に置き換える。こうすれば、問題が解決されないのは自分の努力不足ではなく、世界の責任である。

ただし、一つご注意いただきたいのは、この思考法の副作用は非常に強力であるということである。この思考法を用いた結果、僕は大学受験に落ちた。用法用量は適切に。