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エンジンオイルと粘度

エンジンオイルなど、オイルを選ぶときの基準として、まずは自分の信頼しているメーカー、またはベースオイルや添加剤の種類から選ぶというものがあるが、もう一つ、オイルの粘度など、その性能から選ぶということも重要である。
今回は、オイルの性能をの中で重要な粘度について触れていこうと思います。

エンジンオイルの缶を見ると、様々なアルファベットや数字で書かれた部分が存在します。これがオイルの規格を表す数字になります。

このオイル缶に書かれているSPという記号はAPI規格、GF-6と書かれている記号はILSAC規格といい、省燃費性、耐熱性、耐摩耗性などの品質について示しています。最新のものが2020年5月に定められたSP、GF-6規格になります。この規格については新しいほど良いと考えて良いでしょう。

そして「5W-30」のような数字で表されているものは、SAE規格といい、オイルの粘度を表す規格になります。一般的にはWとーで区切られた2つの数字で表されており、これをマルチグレードといいます。Wの前の小さい数字は低温粘度を指し、CCS粘度(固まりにくさを表す指数)となります。


0Wが‐35℃ 5Wが‐30℃ 25Wが‐10℃というように数字が大きくなるほど温度が高くなっていき、それぞれ何度の温度で始動が可能かということを表しています。オイルの性能としては、数字が小さいほど抵抗が低く、始動性に優れたオイルということとなります。


Wの後にくる数字は動粘度をさし、温間時の温度(100℃)での動粘度を指します。この数字も大きいほど粘度が高く、大きいほど高温域でも高い粘度を保つことができるということになります。

0W50などと言われるオイルが存在しますが、このようなオイルをワイドレンジオイルと呼び、低温時の始動性も良く、高温時でも粘度がたれることなく厚い油膜を維持することができます。

動粘度については高ければ高いほうが良いというわけではなく、高いほど高温時の粘度が高いため、低排気量や高回転型のエンジンにとっては粘度が動作の負荷となってしまうこともあることを忘れてはいけません。

エンジンにとって最適な粘度のオイルとはどのようなオイルなのか?

それは、メーカーが純正で指定しているオイルの粘度が一つポイントになります。
エンジンはその粘度のオイルで潤滑することを基準としてメーカーが設計しているため、設計上ではその粘度のオイルが良いということになりますが、量産、汎用という視点から最適であるとは言えません。より質の良いオイルの使用が求められるところですが、粘度についても同じで、基準となる純正の粘度から、自分の走るステージに合わせて粘度を調整して(例えばサーキットを走るから少し高めの粘度にする等)選んでいくと良いと思います。


また、動粘度を見ると5W30でも0W30でも温間時(100℃)での粘度は同じということになりますが、全く性能が同じかというと、あくまで100℃での話であり、それ以上の温度域になると、10W30などのCCS粘度の固いオイルの方が油膜を保つ力が大きいようです。
更に0Wと5Wでは低温時の粘度はもちろん0Wの方が小さく、始動性には優れていますが、0Wだと0W20のような温間時での粘度が低いものも多く、スポーツ走行など油温が上がるような走行にはちょっと不安が残ります。
また、0W等のオイルは、粘度が低いため、旧車などではオイル漏れのトラブルに見舞われるという話もよく聞きます。

色々考えていくと、マルチグレードのオイルは大変魅力的ではありますが、価格もまた高いため、そのあたりを加味しながら自分の最適なオイルの粘度を見つけてみるのも愛車との付き合いとして楽しい部分かもしれません。

ちなみに私のRX-8は画像の通り5W30のオイルを使用しています。