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サンキュー、ロニー。

先日、30年ぶりに地元の友達に連絡をとった。

高校生の時に不登校になり、何度も彼の自宅に通ったものだが結局力になれなかったことがずっと心の片隅に引っかかっていた。

でも最近、人生の儚さを考えるようになり、いつまでも考えているだけじゃだめだろう!と思い立ち連絡を取ることを決めた。

執着心が強いのである、なかなか一つのことを記憶から完全に消し去ることができない。

しかし高校の卒業アルバムが見当たらず、地元のほかの友達に連絡先を教えてもらった。

そしていきなりの電話、複雑な思いと溢れる感情が抑えきれず矢継ぎ早に言葉を繰り出した。

結婚もし、子供にも恵まれ幸せな家庭を築いていると教えてくれた。

話しの中で僕が高校を出てからも僕がお邪魔してはドライブに連れ出し、やたらとハードロック・ヘビーメタルを聴かせ「SKID ROWやPANTERAを、ええんじゃこれが!と教えてくれた」と話してくれた。

意外にそのようなことをすっかり忘れていた。

そして会わなくなってからもHR・HM(ハードロック・ヘビーメタル)だけは聴き続けていたそうで、聞けばかなりマニアックなLIVEに参戦していることも教えてくれた。

その後、頻繁にメールのやり取りが続くかと思ったのだが最初の電話から思ったほどの交流は続かなかった。

そこから少しのやり取りをした後で告白してくれたのだが「正直戸惑いがあり、このままかかわるのは避けようと思っていた、でもロニー・アトキンスのアルバムを聴いて涙が出て、前を向いて、今を生きんといけんなと。 METALはいいですね、生きる糧です^-^」と。

ロニー・アトキンスのインタビューの一部

彼はステージ4の癌と診断された後(もう助かる道はないらしい)、「しばらくの間パニックに陥ったが、やがてこの状況に対峙する方法が2つあることに気づいた。何もせず部屋の片隅に座り込みただ自分を哀れむか(実際しばらくそうしていたかもしれないが)、それとも気をしっかり持って、ゴールを定め、夢を追って生き続けるか。俺は後者を選択した」と話している。

友達が泣いた曲は「ONE SHOT」だという。

ONE SHOT,ONE LIFE,ONE CHANCE

PRETTY MAIDS(彼自身のバンド)でもアンプラグドでも表現できなかったであろうロニーの全てを叩きつけるような、心を突き刺すような、力強い「生」がこのアルバムには記録されている。

あの18~19の頃の夜中のドライブがなかったらこんなことが起きただろうか?

「良いアルバムがあったら教えてね」お互いそう言って電話を切った。



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