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クロワッサンとスロットさん

最近、キャンプ道具を自作しようとDIYを始めた。
こう見えて実は大学の工学部機械科卒なので、日曜大工の標準レベルのポテンシャルは持っている。
CAD図面も2Dなら雑だけど書ける。懐かしいレベルだけど。

こういう日曜大工的なことをしてると、大学の時に機械実習でものづくりのイロハを教えてくれた工房のおじさんたちを思い出す。

大学のものづくり工房(様々な機械や道具が置いてある作業場)には、専属のおじちゃんがいた。
みんな物腰の柔らかいおじちゃんなんだけど、第一線は退いているものの機械工のプロなのでめちゃくちゃ機械や工具のことを知っている。
旋盤やフライス盤、溶接などなど様々な機械を使いこなす姿を目の当たりにして当時はそのすごさに素直に感動していた。

ただ、おじちゃん達にはみんなそれぞれちょっとだけ癖があった。ちょっとだけ。
その癖を弄ってしまうのが大学生の性である。そうせざるにはいられない幼稚さが残るのが大学生だ。

特に2人ほど癖が強めな人がいた。
1人は、雰囲気や口調は特に変わったことはなく学生をまとめるのも上手なおじちゃんなのだが、髪型が特徴的過ぎた。

いわゆる波平さんの髪型に加えて、額のてっぺんにピンポイントで赤ちゃんの握りこぶしくらいのくるくる螺旋を描いた巻き髪が生えているのだ。
そう、まさにミニクロワッサンが額にくっついているかのような髪型である!
ロールパンでもなく、シナモンロールでもない、スーパーで袋に大量に詰められて売っているミニクロワッサンのように尖って渦巻いた髪だった。

その「クロワッサン」さんが授業中せかせかと動いているときに、このクロワッサン部分が、取れそうで取れない絶妙な揺れ方をするのである。

もう釘付けである。揺れるおっぱいになぜか目が行ってしまうように、額のクロワッサン部分に視線が釘付けになってしまう。揺れるクロワッサン。世界中探してもたぶん唯一無二のヘアースタイル。
伝えたいけど、伝わらないのが悔しい。なのでもう「揺れるおっぱいにはなぜか目が行ってしまう」というとこだけメンズに共感して頂ければ十分である。(これって実は女性も目が行くものなのか?)

もう1人は、少しいかつめのパンチパーマのおじちゃんである。喋るととっても穏やかで優しい感じが伝わってくる素敵なおじちゃんだったのだが、その喋っている時におじちゃんのスキルが発動する。

熱をもって話している時に、一時目が閉じながら話している人や、もっというと白目が見えちゃったりする人に出逢ったことはないですか?
細かくいうと、まぶたを閉じて眉を上げている表情から発展して、目が開いちゃっている状態なんだけど、年齢高めの先生とか講師とか、話し仕事する人に多いイメージで、ごくたまにそういう人がいる。

しかし、このおじちゃんはさらに上を行く。熱心に説明をしているとき、白目と黒目が行ったり来たりする時間があるのだ。

それはまるでスロットを回したときのように白目と黒目が高速回転していて回り、一時すると黒目に戻る。またしばらく話していたらふいにトゥルル、、とスロットが回りだし、黒目で止まる。

正直授業中は話を聞くどころではなかった。目がスロットする人見たことないし、本人は目がスロットになってるの全く自覚ないけど、完全に変顔になっちゃってて、それが30秒に1度発動するのだから結構辛い。笑うタイミング設けてほしい。

クロワッサンもスロットさんも文章では全く伝わらないし面白くないのでここまで書いてきたことを後悔しているけれども、1つ思うのはこれくらい笑われてしまう個性を持ったおじちゃんに自分もなりたいと思うということだ。

思い出し笑いされるおじちゃんになってやろう。限られた命、存在し続けることができない人間にとって、いつまでも思い出されることが1番ありがたいことなんじゃないか?死してなお人を笑わせられる、素敵じゃねえか。

三浦春馬さんはどんな想いをこの世界に置いていったんだろうな。

日本の自殺者が多いことは前々から有名な話だが、誰にとっても何の報いもない自殺は、勝ち負けのある戦争よりも酷いんじゃないかとも思う。

これ以上、心の貧しい国には、したくないよな。

サポートいただいても自分ではうまく活用できなさそうなので、もしいただいたら東日本大震災等の災害ボランティア活動団体に寄付させていただきます◎