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最好映画。192 「20センチュリー・ウーマン」2016年。

アネット・ベニングが凄すぎる、マイク・ミルズ監督作品。前作「人生はビギナーズ」がマイク・ミルズとその父親との関係を描いた作品とすると、「20センチュリー・ウーマン」は、マイク・ミルズが大好きだったお母さんを描いている作品です。兎にも角にも、1979年のサンタバーバラにこんなお母さんいそうだよね〜というアネット・ベニングが凄すぎます。「アメリカン・ビューティー」以前はウォーレン・ベイティの奥さん、という印象でしたが、歳を重ねるごとに厚みを増して、もしかするとこんなぶっ飛んだお母さんいるかもしれないって思える佇まいが本当に素晴らしいです。「人生はビギナーズ」でクリストファー・プラマーがお父さん役でアカデミー助演男優賞を受賞したのに匹敵すると勝手に思ってます。物語は思春期の少年と、大きな家の部屋を貸し出す、誰にでもオープンな母親との、奇妙な親子関係。同居している女性に息子のケアをお願いしたり、燃えてしまった車を消火してくれた消防士をホームパーティに招待したり、とても変わったお母さんなんですが、一人で本を読んでいることも多いし、息子を分かろうとクラブに遊びに行って、全然わからない音楽を聞いてみたり。微笑ましいというより、親あるあるなお話がいっぱい。ラスト「こんなすごいおばあちゃんが、お前のおばあちゃんだってことを息子に説明できないんで、物語にしてみた」っていう主人公モノローグで、号泣です。エル・ファニング、グレタ・ガーウィク、さりげなくて良いです。監督のマイク・ミルズは、アートディレクターとして数々のアルバムジャケットや広告を手がけて、映像作品もたくさんある人。劇場映画は数は少ないんですが、自分の人生を物語にした「人生はビギナーズ」「20センチュリー・ウーマン」で完全にハマりました。撮影のショーン・ポーターはのちに「グリーンブック」の撮影を務めています。とても繊細な映像が、ハッピーなサンタバーバラを違う世界にしてくれてます。音楽のセレクトがすごくて、サントラすぐ買いました。ドラマのコーナーにはあると思うんですが、Amazon Primeで観れますよ。


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