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最好映画。 096 「バーディ」 1984年。

最後の最後の最後、その笑顔にやられます。鳥になりたかった主人公が屋根から飛んで、観てる方もエエーッとなるとこまでが前章でした、というとんでもない映画。1984年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞したのに、さっきまで忘れてました。印象が薄いわけではないですし、主役の二人、マシュー・モディーンもニコラス・ケイジもその後有名人ですし、ピータ・ガブリエルがオリジナルサウンドトラックを起こしたことでも有名ですし、監督のアラン・パーカーはピンク・フロイドの「ザ・ウォール」とか「ミッドナイト・エクスプレス」怪作が多い方ですし、そもそも「小さな恋のメロディ」の脚本家。撮影のマイケル・セレシンは「エンゼル・ハート」までアラン・パーカー組だったし、「コミットメンツ」も面白かったですが、なんでか忘れておりました。お話は、ベトナム戦争に行った高校の同級生二人が、帰国したところから。精神病を患って幽閉されていたバーディことマシュー・モディーンをニコラス・ケイジ扮するアルが治療の一助として呼ばれます。お話のほとんどは鳥のように蹲るバーディに語られる彼らの高校時代の思い出です。実は青春ものなんですが、バーディが変わり者すぎて結構ヘンです。鳥になりたくて鶏小屋で暮らしてみたり、グライダー作って落ちたり、ナンパして女の子から煙たがられたり、可愛いエピソード満載。ただ、青春ものと違うのは、合間に挟まれる現在の二人。独房で物言わぬバーディと包帯だらけで語り続けるアル。映画はラスト、覚醒したかもしれないバーディをアルが病棟から屋上へ連れて逃げ出し、追っ手が迫る中、これまでの115分すべてをつぎ込んで、バーディがビルから飛び降ります。で、最初に戻るわけですが、騙されたのか、騙したのか、でも笑顔が全部救ってくれました。「What?」ものすごく、ものすごくやられます。バーディの笑顔。最後まで見ないとスッキリしませんので、時間を作って観てください。戦争もののコーナーにあったりします。ジャケットは、日本版の蹲るバーディよりも、グライダー飛ばしてる二人のアメリカ版が最高です。



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