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最好映画。 075 「アメリカの友人」 1977年。

ヴィム・ヴェンダース監督、ブルーノ・ガンツ、デニス・ホッパー主演のドイツ映画。パトリシア・ハイスミス原作のリプリー(リプレーとも言う)シリーズの真ん中篇。赤と黄色がものすごく眩しい、ヴィム・ヴェンダース監督の一番勢いがあった頃の映画。開巻間近のイエローキャブと赤色のドアを基調にしたポスターに惚れ込んで、観に行った記憶があります。「パリ・テキサス」の様なあからさまなアメリカ憧憬ではなく、ドイツが基準で撮影された映画で、色の無い空間からカラフルな空間へ突然変異する様が美しい映画です。ブルーノ・ガンツが、詐欺師のデニス・ホッパーに惹かれて行くさま、特急列車の中で殺人幇助するデニス・ホッパーのトンでもなくカッコいいです。初期から後期までヴェンダース映画を規定し続けたロビー・ミュラーの抑えた撮影が本当に、本当に素晴らしいです。あそこまでグリーンとイエローを出せる人は彼しかいないと今でも信じています。最高なのは、ブルーノ・ガンツが亡くなる最後に近いシークエンスで、海岸線を走るワーゲンビートルと救急車の切ない画。あれ見て泣いてしまった人は多いはずです。犯罪で繋がれた男の奇妙な友情と、最後まで家族を大事にした男の物語。昨今のド派手な犯罪映画に飽きた人にはぜひ見て欲しい映画です。意図的に切り取られた、額から下のアップショットの意味を良く考えて鑑賞するととても楽しいです。ドイツ映画のコーナーにありますよ。


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