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最好映画。223 「戦国野郎」1963年。

「戦国野郎」は「独立愚連隊西へ」の戦国時代版だと思ってます。
少尉とお坊さんと曹長がまた会話してる!ってだけでも楽しい(⌒▽⌒)。加山雄三=越智吉丹が武田忍軍の抜け忍。中谷一郎=銅子播磨が越智吉丹を追手なのについてくる不思議な輩。佐藤允=木下藤吉郎(!)。この3人の丁々発止が延々続く冒頭は可笑しくてしょうがない。

「木下藤吉郎、貴公、知らんのか?」
「しるかそんなもん」
「そんなもん!本人が聞いたらさぞがっかりするだろうなあ・・」

「越智吉丹、腕は立つが世間を知らぬ。ヤツがご本人の木下藤吉郎だ」
「頼りになりそうなヒモだぞ?」
「ん・・それにしても汚いヒモだ。山猿め!」

テンポが良くて、話しが早い同士の会話で時代劇なんだからすごいです。あっという間に20分過ぎちゃいます。「ヒモ」である木下藤吉郎の暗躍が話に絡み出すと、本筋です。

武田忍軍に追われた越智吉丹が、追手の銅子播磨と仲良くなって、木下藤吉郎の甘言で馬借に潜入して、種子島300丁もの鉄砲を運ぶ策略に巻き込まれます。そこに村上水軍やら忍者やら蜂須賀小六やらが絡んで大騒ぎ。結局、木下藤吉郎が上の上を行って、鉄砲は全然別の道で運んでいたという笑。3人が出ている岡本喜八映画は本当に軽くて絶妙で大好き。

「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」「どぶ鼠作戦」「暗黒街の弾痕」時代劇でこの組み合わせは一本のみ。

なさそうであったかもしれないお話を岡本組の芳醇な常連が彩ります。中丸忠雄、砂塚秀夫、江原達怡、天本英世、中山豊、二瓶正典、小川安三、田島義文。豪華すぎる・・今回はヒロインがカッコよくて、馬借の星由里子=さぎりと水野久美=滝姫が馬借と村上水軍を仕切っていて気持ちいいです。撮影は愚連隊シリーズで監督と組んでいる逢沢譲。音楽は佐藤勝。編集は黒岩義民。この組み合わせの時代劇、もう一本くらい見たかったあああ(⌒▽⌒)こういう映画が毎週封切られていた60年代って本当にすごいなあと思います。97分、iTunesで気になったらぜひ。


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