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最好映画

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最も好きな映画を書いてみます。
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#1983年

最好映画。 111 「ランブルフィッシュ」 1983年。

モノクロ・パートカラー、フランシス・フォード・コッポラ監督による、当時で言うところのスタイリッシュな映画。コッポラ監督の珍しい佳品だと思います。改めて観ると、タイムラプス、突然現れるハレーション気味の妄想シークエンス、広角レンズを使った人で埋めるレイアウト、ミュージカルのようなファイトシーン、凝った撮影の連続です。モノクロだっていうだけで珍しかった頃だったので、カッコつけて観に行きましたw。お話は田舎から出たことのない偉大な兄を持つ弟が葛藤の末、西へ旅立つという成長物語、なは

最好映画。 092 「スター・ウォーズ ジェダイの復讐」 1983年。

全てのスターウォーズシリーズの中で一番回数を観たのがこれです。名作として知られる「帝国の逆襲」から2年、ホントに待ち遠しくて、全ての謎と大団円の待つ、興奮作でした。森の中のスピーダーチェイス、3度にわたる大空中戦、絶体絶命の危機を軽やかに逃げ切るミレニアムファルコン。ローグ2のパイロットも健在で、幸せな気分になれます。監督のリチャード・マーカンドはシブーいスパイ映画「針の目」が有名で、撮影監督のアラン・ヒュームも「針の目」を撮影していて、旧シリーズでも少し違ったトーンが好きで

最好映画。 081 「人生狂騒曲」 1983年。

「未来世紀ブラジル」の前年に公開された、モンティ・パイソンのスゴい映画。どんな映画か説明するよりも、どのコントが好きかを喋るしかない映画です。テリー・ギリアム好きには「クリムゾン 老人は荒野をめざす(短編)」。せっかく出奔したのに、劇中で簡単に潰されるビル帆船が最高です。先頃復活ライブでも上演された「精子の歌」の無駄な豪華さや、「ミスター・クレオソート」のような未来世紀ブラジルテイストのネタまで、ともかく飽きることがありません。だってくだらないんだもん。無駄に豪華なクレイジー

最好映画。 073 「幻魔大戦」 1983年。

「幻魔大戦」が公開された1983年は、ものすごアニメ大作ラッシュ。「宇宙戦艦ヤマト 完結編」「クラッシャージョウ」がほぼ同じ日に公開されてました。その中で一番大人っぽい雰囲気を醸し出していたのがこれ。「宇宙戦艦ヤマト 完結編」を観たいと言った友人を言いくるめて観に行きました。石森章太郎の漫画原作(全二巻)が大好きで選んだはず。大友克洋さんのキャラクターデザイン、金田伊功さんのスペシャルアニメーション、りんたろうさん監督、この後、数年間は観続けたアニメの元がありました。NYの肉

最好映画。 030 「クラッシャージョウ」 1983年。

中学上がりたての頃流行ってた高千穂遙さんの小説の映画化。 イラストをガンダムの安彦良和さんが書いていたのだけをたよりに全巻読みました。 オリジナルストーリーの130分という超大作。二転三転するストーリーに、決して強くないヒーロー達の凸凹会話がとても楽しいです。中盤で敵に遭遇したジョウが叫ぶ「このケンカ、買った!」という言葉とともに音楽が爆発するところが大好き。台詞は原作者ご本人が書くという熱の入れよう。音楽はフルオーケストラの豪奢さ。安彦良和さんがほぼ全編にわたって手を入れて

最好映画。 019 「ブレインストーム」 1983年。

人の感覚をテープに記録して、他人が体感できるシステムを開発したチームがたどる騒動。特撮界の巨匠、ダグラス・トランブルの監督作品。劇映画は「サイレント・ランニング」「ブレイン・ストーム」の2本しかありません。特撮が邪魔せずストーリーが展開するのはさすがです。「ブレード・ランナー」と同時に進めてたんだからすごいと思います。原作のブルース・ジョエル・ルービンは「ゴースト」「ジェイコブス・ラダー」の脚本で有名ですが、SFというよりは幽霊な話ができる人で、この映画は意外でした。撮影を担

最好映画。 015  「キャプテン・ブーリーの大冒険」 1983年。

日本未公開映画。「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」がものすごく流行った頃に出た、似非映画だと思います。 海賊ものというよりは、大冒険活劇。オヤジが主役ですから、泥臭い。 吊り橋を落としちゃうとか、後の「‎インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」にもあったような吊り橋を落とすとか、剣と銃でやりあうとか、既視感のあるシーンの連続。 結構面白く観ました。脚本はデヴィッド・オデル。「ダーククリスタル」「スーパ^ガール」の人で、こんなのやってたんだ〜という感じでした。もう一人の脚本を「ブ

最好映画。 013 「最後の戦い」 1983年。

リュック・ベッソン監督。劇場映画デビュー作なのに、モノクロでシネマスコープで、ドルビーサラウンド。にもかかわらず、登場人物が声を奪われていて、全編台詞はほとんどなし。近未来設定ですが、スゴく面白いんです、この映画。「サブウェイ」「グレート・ブルー」が大好きで観にいきました。音楽はずっとリュック・ベッソン映画を続けているエリック・セラ。映画冒頭から、エリック・セラ全開で楽しいです。「サブウェイ」「グレート・ブルー」も撮影したカルロ・ヴァリーニが、梯子で作った揺れ留め装置で、デビ

最好映画。 005 「ライトスタッフ」 1983年。

無人島に持って行くならこの一本と20年来言い続けている個人的最好映画。アポロ計画前、有人宇宙飛行を実現したマーキュリー計画に携わった男たちとその家族の長い長いドラマ。3時間の長尺を全く飽きさせない勇気の物語。文芸大作の多いフィリップ・カウフマン監督の頂点だと思います。ラスト、サム・シェパード演じるチャック・イエーガーが宇宙に行けなかった悔恨を振り払うように勝手にNF-104を駆って墜落してしまうくだり。寂れた基地の外れ、燃え盛る機体をバックに、怪我をしているにもかかわらずガム