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光を受けるだけでなく/CROWN POP田中咲帆生誕祭2023

本日の2部は「田中咲帆生誕祭2023」です。

(セットリスト)
0.Opening SE
1.恋椿
2.真っ白片思い(歌い出し田中咲帆)
3.Wonder Shutter Chance

4.Danceでバコーン!(℃-uteカバー)
5.ミュージック・アワー(ポルノグラフィティカバー|田中咲帆歌唱/里菜・藤田愛理ダンス)

6.alright
7.応援SONG

(アンコール)
Ec1.手のひらに青空(田中咲帆ソロ/アコギ弾き語り)
Ec2.フタリボシ(ボカロ曲|田中咲帆・三田美吹デュオ/演奏:田中咲帆)

Ec3.HAREBARE

Opening SEのあとステージに出てきて「恋椿」のスタート位置につくクラポちゃんは「LIVE」の赤衣装。ただ一人、生誕衣装のさほるんだけは白い衣装。会場最後方からの遠目には、どこかパリッとした感じにも見えます。SF映画とか特撮ものに出てくるヒロインの制服みたいな感じ。
すぐにスカートの裾に光る部分があることに気づきます。オーロラのように複雑な色を映し出す素材が貼られていて、さらに二の腕や胸ポケットに当たる部分にも同様の輝きが浮かびます。

ステージの上できらびやかなライトに照らされる衣装はほんのわずかな角度で色を変えながらカラフルに輝き、さほるんは一瞬ごとに、その瞬間だけの光に身を包みます。

つづく「真っ白片思い」では冒頭の歌い出しをさほるんが担当。
女の子の繊細な恋心を、やわらかくやさしい声で丁寧に歌い上げる姿が印象的でした。

ライブ冒頭から恋の歌がつづいたところでMC(だったと思うけど、記憶がやや曖昧です…)。

ここで生誕衣装のポイントが紹介され、
・白を貴重としたこの衣装の中でオーロラ色の装飾がポイントだったり
・踊る際にふわっと広がるようなつくりになっていたり
・スニーカーまでイラストにしてスタイリストさんにお願いしたり
・さらに、そのスニーカーが(他メンバーの踵あるブーツに合わせるため)厚底になっていたり……などなど。
さまざまなこだわりが紹介されていきます。

1月3日に「皆と一緒に楽しめるパーティーみたいな生誕祭になればいいな」と話していたのを象徴するかのように、ここから続くのは「皆で踊れる曲を選んだ」という3曲。
まずはクラポの「Wonder Shutter Chance!」。昨夏にTikTokでさんざん勉強した甲斐があるというもの。こちらのわんだーちゃれんじも万全で、さほるんやクラポちゃんたちと楽しく盛り上がり、そして続いては℃-uteさんの「Danceでバコーン!」を5人で激しく踊り、そしてポルノグラフィティさんの「ミュージック・アワー」ではダンサーに里菜・愛理を従えてのパフォーマンス。この2曲は自分ははじめましてな曲でしたが、それでもしっかりステージ上のさほるんと一緒に盛り上がり、腕の動きだけダンスをマネしたりしながらフロアの一番隅っこでペンラを振りまくっていました。

とにかく難しいことは考えずに、ひたすら楽しい。CROWN POPと過ごすことが何より気分が晴れるんだということをあらためて思い出させてくれるような構成で、すごくアッパーな空気の中で、今日の主役としてキラッキラのパフォーマンスをする田中咲帆さんが、周囲の光を受けてより一層強く輝く。そんな時間が過ぎていきます。

いぶちゃんとみぃあがステージに戻ってきて、勢いがさらに加速するような中、5人で披露されたのは「alright!」、そしてこの日がパフォーマンス初披露となった「応援SONG」。
どちらも聴く者の背中を押し、やさしく励ますような曲ですが、「alright!」でエモーショナルな空気に染まったあと、「応援SONG」はカミヤサキさんによる激しい振り付けが印象的で、応援団のエールやチアリーディングの動きをモチーフにしたであろうスピーディなダンスは圧巻のひと言。

キミもキミも今がんばれ!
ボクもボクも今がんばれ!

CROWN POP 「応援SONG」/作詞:村カワ基成

の歌詞が印象的な世界が、より力強さを帯びてメンバーの声やダンスとともにこちらに響いてきます。

そして、あいたん・いぶいぶが歌う2番冒頭にあるこの部分。

全力疾走ベスト尽くして
さんざん疲れて動けなくっても
「もうダメだ」のその先にある光
見たいからボクらは前に進んでく

CROWN POP 「応援SONG」/作詞:村カワ基成

もし、我々がこの先、動けなくなることがあっても、今日、ステージ上で照明の明かりをオーロラ色に映し輝く田中さんが「その先の光」になってくれるのではないか。そんなこじつけめいた思いも一瞬だけ頭をよぎります。

「皆と楽しめるパーティー」のような空気は、熱を帯びたまま、ここで本編は終了。
さほるんが掛け声役を辞退して、「じゃあ、わたしがやる?」と普段どおりにあいたんが「以上!」と最初の声を上げ、「CROWN POPでした。ありがとうございました!」と5人が生声であいさつ。全員、一旦、ステージを降ります。

けれど……この日のメインはここからでした!
ライブを見終わったあと、きっと、すべての人がそう思ったのではないでしょうか。

アンコール明け、ステージに照明が灯ると、そこには椅子、アコースティックギター、譜面台が。一目で「弾き語りだ!!!」というのが伝わってきます。
ステージに現れたのはさほるん一人。その衣装は上半身が先程とは変わり、生誕Tシャツにフリル地のセーラーカラーやレース地の袖などのアレンジがあしらわれた可愛らしい装い。本人自らリメイクしたんだそうで、かわいらしい田中さんに、本当によく似合っています。

そわそわしたような様子でなかなか演奏に入れないさほるんは、椅子の高さを何度も合わせ、譜面台を確認し、「違ってるよね」と笑いながら楽譜の入れ替え(?)を行い、ギターを手にしたと思ったら「あれ、ピックどこやった???」とキョロキョロ。マイクスタンドにあった予備を手にした次の瞬間、「あ、ここにあったわ」とギターの弦に挟んであったものを発見して「宝探しみたいにキョロキョロしちゃった」と照れ笑いを浮かべたり。
一つひとつの動作がかわいいとはいえ、その挙動からは痛いほどに緊張感が伝わってきます。

ようやく覚悟が決まったのか、
「20歳なのでチャレンジさせてもらうね」
「以前、どこかの配信でやったけど、うまく出来なくて、もう一回ちゃんとやりたいと思っていた」
そう話してソロで弾き語りはじめたのは「手のひらに青空」。

会場内に響くのは、さほるんの歌声とギターの音。他になにもありません。歌詞のひと言ひと言をていねいに、彼女の特長である弾力性あふれる声が、優しくやさしく、我々の耳を包みます。
演奏も落ち着いて、もしかしたら途中ヒヤッとする部分もあったのかもしれないけれど、すごくしっかりと最後までたどりつき、会場の拍手は延々と止むところを知りません。

アンコール前の本編部分、周囲の光をオーロラに変えて輝いていたように思えた田中咲帆でしたが、実際はそれだけじゃなかったのです。
外の光を受けるだけではなく、彼女自身からも強い光が放たれていたんです。その光が、弾き語りという力強いチャレンジですごくはっきり見えた。そんな風に感じました。

「もう一曲あるんだ。次は二人で歌う曲なので、もう一人呼びたいと思います。おいでー」とステージに呼び込まれたのは、やはりさほるん自らがかわいらしくリメイクした(しかもちょっとデザインが違う)Tシャツを着たいぶいぶ。
曲はさほるんがハモリが好きで、いつか演奏してみたいと思っていたという「フタリボシ」。さほるんのギター、二人のハーモニー、いぶちゃんのビブラート。ファンとしてはこの上ない幸福な音が重なりあって会場に響き渡ります。

すごくすごく美しい音、美しい声、美しい姿、美しい時間、美しい光。

20歳を目前にしたさほるんが周囲の光を映し、そして自らも強い輝きを発して”spotify o-west”に描き出したのは、楽しいだけじゃ終わらない、とても美しい光景でした。

歌のパートナーにいぶちゃんを選んだ理由を「『豊洲に来て』で二人で歌った『To Do』のハモりがすごく好きだったから、また一緒にやりたかった」と話すさほるん。
いぶちゃんがその告白に喜びながら「弾き語りなんて、ほんとチャレンジャーですごいよね」と褒めると、「えへへー」と再び照れ笑いを浮かべ、緊張から解放されて、笑顔もやわらかに広がります。
ここで他のメンバーも合流し、「すごかった」「かっこよかった」と絶賛が吹き荒れます。客席から見てても、本当にすごかったですもん!!

そして「生誕祭なのに、この曲やってないなと思ったよね」と笑いながら、最後に披露されたのは田中咲帆フィーチャーソングの「HAREBARE」。曲中のさほるん・あいたんの掛け合いは、
田中「私、ちゃんと20歳になれるのかなあ」
藤田「なれるよ、私だってなれたんだもん」
という感じのこの日限定特別バージョン。
で、ありつつ、その姿を見守るこちらは「大丈夫。こんなに輝けるさほるんなら飛べるよ!」と、田中咲帆の底知れぬ魅力を心強く思うのでした。

最後のあいさつ。
後から出てきたりなてぃー、あいたん、みぃあも、やはりさほるんの手によるアレンジTシャツを着てるんですが、全員ちょっとずつデザインが違います。そして、それだけではなく、セーラーカラーの肩口には各メンバーの名前が刺繍で入ってるとのこと!!!!!
めちゃくちゃ手が込んでます。びっくり。こういうところにも決して手を抜かない姿勢は、本当に彼女の美しさですよね。

刺繍をめっちゃ喜ぶあいたん

そして、さほるんは直接関係ないけど、
「二日後に二十歳になるということで、子どもと大人の間みたいな歳なのかな」
と話すいぶちゃんの言葉を受けて、みぃあが放ったひと言
「大人じゃね?」(舌が追いつかなくて、ちょっとぞんざいな言い方になったような感じ)
は、思わず会場も爆笑。18歳から見れば二十歳は大人……なのかな?

そんなみぃあの毒ある(?)ひと言を受けたからなのか、さほるんも最後に「大人になるぞ、おー!」と力強く宣言して閉幕。
CROWN POPらしい幸福感に満ち、そして誰よりも強く明るく、そして美しく田中咲帆が光り輝く。そんな生誕祭でした。

ステージ下手に下がっていくメンバー。自分は上手側の最後方で見ていたのですが、一番最後の最後に捌けていくさほるんがステージに向かって深く一礼していた姿は非常に印象的でした。

書いているうちに日付が変わって、それでもまだ一日早いけど、
さほるん二十歳のお誕生日おめでとう!!
今回のステージを成立させるために、どれほどの努力を積み重ねたのかは想像を絶するほどですが、あなたの誠実で、一所懸命で、楽しむことに対してひたすら真面目なところが、すごく美しく輝いていたステージだったと感じました。これからも変わらず、素敵な時間を積み重ねていってください。応援してます!!


もっと輝け!田中!!

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