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寄り添いあえる関係@CROWN POP「うさぎおいしかのやまツアー」柏PALOOZA

君が笑っていてくれれば僕はしあわせなんだ

そう言われたらうれしいでしょうか?
もちろん人から愛されることは無常の喜び。嬉しくないはずなんてありません。でもね……

もしもすごく心優しい人だったら、どう感じるかなとも思うわけです。もしかしたら、(じゃあ、ずっと笑っていてあげなくちゃ……)そんな風にプレッシャーを感じて押しつぶされてしまうかもしれません。

僕はクラポの5人が笑っていてくれれば、とてもしあわせです。間違いなく「しゃーわせ((c)みぃあ)」ってやつですよ。でもそれは無理して笑ってほしいのではなく、一瞬の爆発的な笑いだけでもなく、クラポでいることが彼女たちにとって自然な喜びであり、そこから自然に湧き出でてくる笑みが表情に浮かんでいてくれたらいいなと思うんです。
だから言葉は矛盾してしまうけれど、ときに笑顔をしまいこんだとしても構わないんです。その向こうに喜びが感じられるのであれば、それは僕らにとっては笑ってくれているのと同じなんです。

ツアー@柏はいぶいぶ回

2022.07.09「うさぎおいしかのやまツアー」@柏PALOOZA。
会場ごとにご当地出身者がプロデュースする今ツアー。今日は千葉県出身三田美吹さん(いぶいぶ)の担当回です。ツアー共通のコアブロック以外は、いぶいぶがセットリストを構成したとのこと。どんな曲がどんな風に並んでいるのか、開始前から興味が尽きません。

最初のブロックはツアー共通。共通とはいえ、今日は1曲目の『Wonder Shutter Chance ! 』にある三田さんのパート、“キミのそばに寄り添って 歌うたいたい日は”のやさしい響きが耳に残ります。そっか……今日はいぶちゃんらしく、我々ポッパーに寄り添ってくれる、寄り添おうとしてくれるライブになるんだろうな。そんな予感。

『なりたいガール』『夏キラリ☆』と盛り上がって、MCが入り、そしてここから今日に向けて練られた構成に入っていきます。最初は『POPPER TIME』。ポッパーとともに楽しもうとしてくれる象徴的な一曲です。今日のセトリは間違いなく、いつも以上に、同じ時間を楽しもうということに主眼をおいたそんな構成になるのでしょう。『ホログラフィック・デート』『横断歩道』『踊れ!』『To Do』と続く展開は、懐かし目の楽曲も交えながらエモーショナルでスタイリッシュなクラポが客席の空気を支配していきます。

「寄り添う」から「寄り添いあう」へ

もちろん今の時期、客は声を出せないし、全員マスクをしているから表情もステージからは見て取りづらいだろうと思います。それでもきっと会場にいたすべての観客、すべてのポッパーが、クラポのパフォーマンスに魅了されて、引き込まれ、楽しくて仕方がないことが伝わっているのでしょう。そして、その楽しさがさらにステージ上のメンバーに跳ね返って、また客席の我々に返ってくる。そんな熱がたしかに客席に満ちているような不思議な感覚が、今日の柏PALOOZAにはありました。

もしかしたら、この不思議な感覚こそ「寄り添って 歌うた」ってくれている実感なのかもしれません。「寄り添う」というと片方からの一方的な動作を思い浮かべてしまうけれど、そうじゃなくて「寄り添いあう」と言った方がいいのかな。クラポがポッパーに寄り添い、ポッパーはクラポに寄り添う。気のせいかもしれないけれど、そんな協調関係が成立しているかのような空間で、とてつもなくあたたかで心地よい時間が過ぎていきます。

そしてボックストーク、なんと言っても三田さんの上目遣いでの「会いたいな」(でしたよね?衝撃大きすぎて記憶があやしい……)。いぶいぶがひと言、発した直後、会場が水を打ったようにシーーーーンと。

いぶいぶは「ほらぁ、みんな笑ってるじゃん」みたいにめちゃくちゃ照れていたけど、違うんだ!笑ってなんかいないんだ!! 一人残らず全員、間違いなく全員、すべてのポッパーが「これは、えらいものを見てしまった……かわ…い…い…」って、意識が飛ぶのを必死に抑えてたんだ!!!




カバー曲でいぶいぶが伝えようとしてくれたもの

そんな奇跡のひと言を経て、今ツアー恒例のご当地アーティストカバーコーナーがやってきます。一曲目はいぶいぶのソロ。「歌詞をしっかりみんなに届けたいと思ってこの曲を選びました」と選曲の理由を話しながら気持ちを高めようとするけれど、緊張がよぎるようで「(ここより大きな)横アリで歌ったのにね」と照れ笑いを浮かべます。しかしそう言ったが早いか、ステージ中央でスッと下を向くと表情が一変。歌手三田美吹が凛と姿を現しました。

歌ったのはナオト・インティライミさんの『未来へ』。
“思い通りいかなくたっていい 上手に笑えなくたって それでいい それでいい でもあきらめたくないから”
夢を追う者とそれを信じて伴走する者の姿。いぶいぶが歌詞を通じて届けたいと思っていてくれたのは、まさに寄り添いあう姿でした。上手に笑えなくても、遠回りになっても大丈夫だよ。いつか笑えたら。明日が今日より少しでもいい日になりますように。僕らがクラポを信じて応援する心、そしてクラポの5人がおそらく僕らに託してくれているだろう心。二つの心が、いぶいぶの素晴らしい歌唱に合わせて共鳴しあいます。

カバーもう一曲は、BUMP OF CHICKENさんの『天体観測』を5人で。
1番のサビではいぶいぶが上ハモを。2番以降はさほるんが。りなてぃー、みぃあ、あいたんの声と重なり合ってめちゃくちゃきれい。クラポの気持ちとポッパーの気持ちが奏でるハーモニーのように、5人の歌声が素敵な響きをもたらします。

MCを挟まず、そのまま『青天コンパス』、今日の衣装曲(そんな表現ある?)の『真っ白片思い』。青空からゲレンデへ、ひたすらさわやかなクラポが疾走するとポッパーのテンションもマックスに。そして、三田さんがささやくように小声で『Make me happy』と自らのフィーチャーソングを紹介。艶のある曲でこのブロックを鮮やかに歌い締めます。

MCを挟むと本編最後のブロック。
メンバーからは「39ペンライトの人はここから赤→カラフル(自分の好きな色)→オレンジにしてね」と、最初のブロックに次いでペンラの色指定。

観客のペンライトを使って曲の世界を表現しようという、今回のツアーの特徴の一つですね。これで一体感が増している感じもします。しかも、ここまでで13曲と先々週の新横浜、先週のさいたまと比べると曲数も多め。自然と観客のテンションも高まっていきます。
赤は『Real ☓ live』、カラフルは『Cheerfu Butterfly』、そしてオレンジは『ケセラセラっ!』。かっこよくて、華やかで、そしてかわいい3曲が心地よい空間を彩って、本編を締めくくります。

アンコールもポッパーとともに

アンコールは『君色ロード』から、そしてまさかの2曲目に配置された『NARIYAMANAI』。それぞれ「君と自分」の、「ファンと演者である私」の寄り添いあう絆を歌った曲ですね。クラポが自分たちのそばにいてくれる、そんな安心感が広がっていきます。

ここで今日のプロデュースを担当した三田さんのあいさつ
「ファンの皆さんに楽しんでもらうにはどんな曲がいいんだろうなと考えてセットリストを組んだし、やってる間も楽しんでくれるかなと思っていた。でも様子を見ていると、楽しそうにしていてくれて安心した」
はっきりと文言はおぼえていませんが、そうした趣旨の内容だったように記憶しています。いぶいぶの、そしてともに世界を表現してくれたりなてぃーの、さほるんの、あいたんの、みぃあの気持ちは見事に我々に届き、最高に楽しいライブが実現したのです。

ここで再々度、メンバーからのペンラ色指定。ここは「青」にしてほしいと。客席はクラポライブではおなじみの青いペンラの海に。そしてステージは暗転。メンバーが持つ5本の青いペンライトだけが光ります。

『キミリプホリック』
無伴奏でいぶいぶの声が響く。
ゆっくりと、ブレスの音も響くぐらいに繊細で、でも力強く。
青い世界に、僕らと寄り添いあってくれるあの素晴らしい歌声が響く。

曲が鳴るとともに照明がつき、メンバーが楽しそうにペンライトを振りながら踊る。サビではさほるんが「振って、振って、回す、回す」とペンライトの動きをナビゲート。ステージと会場がまさに一体となって笑顔に満ちみちていく感覚。いつまでも消えないようなそんなしあわせな空気が、CROWN POPのライブ会場には満ちています。
最後の曲は『夏恋スコール』。全員が両手を挙げてメンバーと楽しむサビは圧巻のひと言に尽きます。

クラポに伝えたい

終始、盛り上がりも、楽しさも、喜びも、切なさも、信頼も、愛情も。すべてがクラポとポッパーの間を双方向に行き交っていたような今日のライブ。それを創り上げてくれたのはいぶいぶの考えた構成であり、5人の歌唱とダンス、そして表情、声、しぐさです。
『横断歩道』『踊れ!』『To Do』や『Real ☓ live』のように、いつもにこにこと笑っている曲ばかりでもありません。人は常に笑っているわけじゃありません。

でも、寄り添いあえるような強い信頼の下では、顔に笑みこそなくとも、まるで笑っているような穏やかであたたかな空気をたしかに実感することができます。たぶん「いつも笑っている」ってそういうことなんじゃないかと思うんです。

だから僕はクラポの5人に伝えたいと思うんです。
『あなたが笑っていてくれれば僕たちはしあわせなんだ』
いぶいぶとメンバーが創ってくれたライブは、そう強く感じるライブでした。

『豊洲に来て』に来て

ずっと応援していたい、ずっと側に寄り添っていたいと思わせてくれるグループ、それがCROWN POPなんです。


もし、この文章を読みながら「まだクラポのライブを見たことがない」という方がいたら、ぜひ7/24(日)の「豊洲に来て」に来てください。
会場の規模こそ大きくなりますが、ここに書いたような寄り添いあえる幸福な空間が豊洲PITにも間違いなく出現するはずです。皆で一緒にしあわせな時間をシェアしましょう。

最高の5人がきっと最高の笑みで僕らを迎えてくれるので。

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