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雪の向こうにアイドルの姿を見た/CROWN POP BIRTHDAY!〜三田美吹ダイダイダイスキDD大集合〜

オープニングで、雪が降ってきた

「CROWN POP BIRTHDAY!〜三田美吹ダイダイダイスキDD大集合〜」
セットリスト
1.真っ白片思い
2.Cheerful Butterfly
MC1
3.alright!
4.スケジュール帳やめたの
5.Are You Ready To Shine?
6.踊れ!(三田美吹ソロ)
7.DESIRE -情熱-(三田美吹ソロ)
MC2
8.ray(三田美吹ソロ)
9.手のひらに青空
10.僕らの証

En1.背番号
MC3
En2.キミリプホリック

オープニング
暗転した会場に流れたのは、いつものOpening SEではなく、夏を感じる蝉の声や波の音。そして一気に季節が飛んだかのように雪を滑るソリ(についたベル)の音。夏? 冬?何が起こるんだろうと思う間もなく、青が鮮やかないわゆる「A盤衣装」に身を包んだメンバーが姿を現します。
その中で一人、今日の主役のいぶいぶだけは、上下白のドレス姿。パフスリーブっていうんですかね、レース地に膨らんだ袖 、各所に散りばめられた花柄のアタッチメントとそこに光るストーン。膝丈のスカート、白いハイソックス。頭と背中には水色の大きなリボンがすごく可憐な印象です。

ソリの音のイメージがまだ薄っすらと頭に残る中、聞こえてきた1曲目は「真っ白片思い」。少し蒸し暑ささえあるYOKOHAMA BAYHALLの客席に冬が訪れ、ただ一人、ステージ上にいる真っ白な三田美吹さんはまるで雪の妖精のようでさえあります。
いぶいぶが舞うと空は澄み、いぶいぶが歌うと雪が降る。もちろん実際に降っているわけでも、そんな舞台効果があるわけでもなく、勝手に僕の中でそういう印象があっただけですが、青いメンバーに囲まれた純白は、大空に舞う雪のようでもありました。

最初のMCでは「CROWN POPを多くの人に知ってもらえるように、個人でももっと頑張っていきたい」と話したいぶちゃん。りなてぃーが生誕グッズの紹介をすると、そこに描かれたイラストは「手のひらに青空」をイメージしたものであることを教えてくれました。

その後「alright!」を挟み、全体の4曲目で披露された「スケジュール帳やめたの」で見せたいぶいぶの姿。これもまた、我々の目も心も奪うような可憐で鮮やかなものでした。

この曲はメンバーのソロが細かく連なりながら、少しゆったりしたテンポに乗せてソロのダンスも披露されます。長年バレエで培った技術なのか、体幹が活きるのか、いぶいぶはまったく上体がぶれることなく凛とした美しさを維持したままステップを踏み、羽の生えた妖精のようにステージ上でターンしていきます。

三田さんの魅力って歌に注目が集まりがちですけど、ダンスもめちゃくちゃきれいなんですよね。僕みたいな素人にも一発でその魅力が伝わってくるぐらい、本当に美しいダンス。それが今日は純白の衣装も相まって、なおのこと麗しさがあふれます。

「スケジュール帳やめたの」に続いて「Are You Ready To Shine?」で大人っぽいハーモニーを聞かせてくれると、いぶいぶがステージ上手へと姿を消し、メンバー4人はそろって反対の下手から退場。そして再び、いぶいぶが上手から姿を現します。

曲は「踊れ!」。横アリのステージ(スタプラフェス2021)で見せたソロ歌唱です。

それぞれ一人が素晴らしいから
You're the one 自分らしく踊れ

CROWN POP「踊れ!」/作詞:田辺望


以前スタコミュで、スタプラフェスのソロ曲に「踊れ!」を選んだ理由について、スタプラの皆に「それぞれ一人」ずつ皆が自分らしく頑張ってほしかったからといったニュアンスのことを話していたのをおぼえています。今、夏の終りのライブハウスに冬を連れてきた雪の精も、ステージに一人で立ち、大人っぽい表情でこちらがわへ「自分らしく踊れ」と語りかけてきます。

そして次の曲は中森明菜さんの「DESIRE -情熱-」

CSの「ガチンコスターダストプラネット」で披露した「飾りじゃないのよ涙は」も素晴らしいパフォーマンスでしたが、それに勝るとも劣らない歌唱。しなやかさに凄みや強さを付加したような迫力から伝わってくるのはまさに情熱。雪の妖精から、真っ赤なパッションがほとばしります。

妖精にだって強い自我があるのかもしれない。つねにかわいらしく、愛らしく、可憐に雪を降らせるばかりではなく、自分らしく踊りたい未来が、炎のように燃えていたい時があるのかもしれない。真っ白く、そして真っ赤な情熱のストームです。
今日はほぼ一番後ろにある少し高くなった段の上から会場全体を見ていたのですが、この曲の際には誰に指示されたわけでもないのに、2〜3割ぐらいの方が自然とペンライトを赤に変えていました。それぐらい、会場はいぶいぶの歌で三田美吹の「DESIRE -情熱-」に飲み込まれていったのです。

ここでステージ上に三田さん一人のままMC。みんなが楽しめているかを気にしながら、水を口にし、汗を拭きたいとステージ裏のスタッフさんにタオルをお願いしつつ、ファンに向けてトーク。今日のために制作された真っ白な衣装は昭和のアイドルをイメージして、スタイリストさんと何度もやり取りして完成させたこと。髪や背中の大きなリボンや紐の青はCROWN POPの色をイメージしていることなどが明かされました。

また、柱が目立つ特殊な会場の造りが気になるのか、「柱の人たちはちゃんと見えてるのかな?」のひと言。
「柱の人たち」?????
自分で言った言葉に自分で吹き出すいぶちゃんは、紛れもなくさっきオーディエンスを真っ白で真っ赤な世界に染めた三田美吹であり、そして同時に、僕らが知っている愛すべき三田美吹でもあります。

頼んだ後、すっかり忘れていたタオルを受け取り汗を拭うと、「次の曲ではみんなと一体になってクラップしたり、手を振ったりして楽しみたいので、ペンライトを一回消してください……あっ、でもどうしても使いたい人はいいからね(笑)」と我々にお願い。
そして「みんなが準備してる間に水を飲もうと思ったら……もう(準備が)終わってるじゃんね」とまたいぶちゃんらしい愛くるしい笑顔を見せ、軽く水を含むと次の曲に。

BUMP OF CHICKENの「ray」
恥ずかしながら初めて聞いた曲で、曲名もライブ終了後、他の方に聞いて初めて知ったほどです。曲中「大丈夫」や「生きるのは最高だ」というフレーズが耳に残ります。今、家に帰って歌詞を見ていると、消化しきれない別れも受け入れて、前向きに生きていく。そんな決意の歌なのかな。

寂しくなんかなかったよ
ちゃんと寂しくなれたから

BUMP OF CHICKEN「ray」/作詞:Motoo Fujiwara

寂しいことも、つらいことも、苦しいことも、楽しいことも、うれしいことも、幸福なことも。過去から目をそらすのではなく、過去をありのままに抱きしめることで前を向き、光に向かう。
そんな姿勢は誠実で、ストイックで、ファン想いで、何よりもステージの上で我々と一緒に過ごす時間を大切に思っていてくれているいぶいぶらしい。そんな思いがこもっている気がします。

「手のひらに青空」は2番まではソロで。ラスサビからはメンバーとともにという、いつかのフォーク村スタイル。メンバーが合流してからの表情は、心なしか安心したような、笑顔が一段階明るくなったような、そんな気もしました。

そして、本編ラスト感もある「手のひらに青空」が終わったのに、メンバーの表情がゆるみません。何かあるのかな?と思ったところに聞こえてくる「僕らの証」のイントロ。
雪を降らせ、情熱の赤で会場を塗り尽くし、そして青空に手を伸ばしながら未来を見据えていった雪の妖精は、本編の最後、空の色をまとった頼もしい仲間とともに、ポッパーと「僕ら」となってともに歩んでいく証を示さんとしてくれました。

アンコール
ステージの上に雪の精はもういません。

上は今回の生誕Tシャツ。そして下は「A盤衣装」という取り合わせで【5人全員】が姿を現します。ここからは
『チームとしてのCROWN POPを見せてあげよう』
『5人のパフォーマンスを見せてあげよう』
そういうことなのでしょう。これはあいたんやりなてぃーの生誕祭でもそうでしたね。
このあとの特典会ではまた生誕衣装に着替えなくちゃならないのに、アンコールでは5人おそろいの衣装で現れる。グループでのパフォーマンスを大切にしているんだなという気持ちがすごく伝わってきます。

そんな想いを現すかのように、アンコール一曲目はももクロの「背番号」。いわゆる「マー君曲」の一つで、仲間との信頼を歌った曲です。
まさに今、ステージに同じ衣装で姿を見せたクラポにぴったりの曲ではないでしょうか。

そしてラストは「キミリプホリック」。とにかく5人が楽しそうに、観客とペンライトを振り回し、笑っている様子は何物にも代えがたい素敵な光景であることをあらためて示してくれました。

ファンから贈られたフラワースタンド

今日、三田美吹というスーパーなアイドルの生誕祭を見て、あれこれ書いてしまいましたが、あらためて、その見目はもちろんのこと、歌もダンスも、トークの愛らしさも、マジメな性格もすべてが魅力的な方だなと実感しました。

アイドルの語源はギリシヤ語で「エイドス」。アリストテレスはこれを「形相」つまり、ものごとの外観や外見であると同時に、事物に内在し、それが「何であるか」を規定する本質であると示したそうです。

……何言ってるか、よくわかんないですね。僕もコピペしただけなので、正直なんだかよくわかりません(笑)。

でも、アイドルという言葉の先祖が、そもそもはその外見だけでなく、見た目の内側、その人や物の性質までをも見据えた意味を持っていたのだとすれば、三田美吹という人、そしてCROWN POPというグループはまさにアイドルなんじゃないかと思うのです。

かわいいんだけど、かわいいだけじゃ終わらない。内面にはファンとともにあろう、つねに楽しませていこうという決意や情熱、愛情にあふれ、そのために頑張っていくことをためらわない。
まさに我々のアイドルなんだろうと思います。

誕生日からはずいぶん日が経ちましたが、本人も今日のライブで「本当に22歳になれた気がする」と話していたので、あらためて
「22歳のお誕生日、おめでとうございます!!」

これからも素敵なステージと愛らしい笑顔で、我々をたくさん楽しませてくださいね。


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