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寒川猫持先生への追悼歌

 先の文章にも書きましたが、生前にお会いすることのなかった寒川猫持先生を、私はただ一人の歌の師匠であると思っております。その訃報を知ったのが、先生が亡くなられた日から5か月以上もたった11月1日のことでした。弟子としてなんという失態……。その時、口をついて出た追悼の歌を、あらためて先生の墓前に捧げさせていただきます。

猫持先生へ
おかしくてやがて悲しい歌詠みて我が行く道を照らせし人よ

ニャン吉を送った時の絶唱が今も心に響いています

我にとり歌の師匠と呼べるのは寒川猫持ただ一人です

旅立てる猫持センセ今頃はニャン吉の腹撫でていますか?

 猫持先生の数ある歌のうちで私が最も好きなのは、先生が愛してやまなかったニャン吉が亡くなってしまったときに猫持先生が詠んだ以下の歌です。それは、絶唱と呼ぶのがふさわしい猫持先生畢竟の傑作であると思っています。

赤い日が仏陀よ海に落ちましたわたしの猫が今死にました

貴君らにとりてはただの猫なりき吾にとりてはいのちなりけり

合掌

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