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働き方の選択肢が増えた今、あなたはどう働きたいですか?|37冊目『リデザイン・ワーク』

リンダ・グラットン(2022, 東洋経済新報社)


ポストコロナの働き方

在宅勤務なんて、自分の仕事ではあり得ないと思っていたけどやってみたら意外と問題なかった。

満員電車での通勤って、とんでもないストレスだったことに気がついた。

通勤にかけていた時間が使えるようになって趣味や学びの時間が増えた。

オンラインのMTGで十分なので、わざわざ移動することは無駄だということがわかった。

だけど、その無駄な時間が実は自分にとって意味のある時間だったことにも気がついた。

コロナパンデミックは私たちに本当にいろいろなことを気づかせてくれました。

今まで当たり前だと疑いもしなかったことが、実はそうではなかったことがわかり、私たちは働き方の選択肢を増やしました。


「理解する」 生産性を高める4つの要素

仕事の生産性を高めることがすべてというわけではないと私は思いますが、生産性を高めるためには「活力」「集中」「連携」「協力」という要素に着目する必要があります。
本当にさっくりと大雑把にいうのであれば、在宅勤務は「活力」を維持し、「集中」を高めるのに都合がよく、逆にオフィス勤務では「連携」や「協力」を強めることに都合が良いということになります。

それでは、在宅勤務とオフィス勤務とでは、どちらが良いのかといえば、それは業種や業界、そしてその企業の特徴や、働いている従業員の個性、そして企業が何を指標にするのかによって異なります。

世の中に唯一絶対のベストな働き方をしている企業があるということではないんですね。

ですから、今こそ固定観念を捨てて、多様な働き方を考えるチャンスだよね、というのがこの本が言いたいことなのかなと思います。


「新たに構想する」ー場所と時間とパーソナル化

高齢社会ということは、つまりは、みんな結構、長生きするということです。
そして予想のできない、うそみたいなできごとが次々と起こる変化の激しい現代ですから、「教育」→「仕事」→「引退」というシンプルな3ステージでは収まらない、マルチステージの時代となっているわけです。

テクノロジーの進歩はグローバル化を促進し、異文化が共生するダイバシティの時代であることも、働き方の多様化を推進するでしょう。

場所と時間という拘束から自由になることによって、個人のキャリアデザインが変容し、副業をしやすくもなりますし、学習しやすくもなります。

しかし、自由には主体性が必要ですから、それを好まない人もいます。
時間と場所に拘束されている方が安心という働き方もあるでしょう。

教育の場ではICTの活用によって個別最適化がめざされていますが、仕事の場においてもICT活用によって働き方のパーソナル化が推進されるでしょう。

リモートワーク、在宅勤務については、オンオフの切り替え、「境界線マネジメント」なんてことが書かれています。
また、リモートワークにおいては仕組みによって時間管理を徹底するのではなくて、従業員を信頼することが必要とありますが、リモートワークという働き方を時間で管理することは、自由で主体的であるというメリットを打ち消してしまいモチベーションを低下させると私も思います。


持論「物理的環境の与える力」

ここからは本に書かれていることとはあまり関係なく、恒例の「本を読んで自分が連想したこと」です。

メイヨーのホーソン実験は労働環境と生産性の関係を検証しています。
自分は生産性よりもクオリティやクリエイティビティを従属変数としたいので、ホーソン実験はその論証にはなりませんが、仕事のクオリティやクリエイティビティにこそ物理的環境の与える影響が大きいと思っています。

コロナパンデミック前は空間プロデュースへの世の中の関心が高く、GoogleやIDEOの遊び心のある、見るからにクリエイティブなオフィスがよく本などで紹介されていましたし、自分もそうしたオフィスにとても興味があったので、100BANCHやSHIBUYA QWSを見にいって、こんな空間で働けたら面白い発想が生まれるんだろうななんて思っていました。

それから、オフィスの空間だけでなくて「まち」の影響も大いにあると思います。

青山や銀座を歩いていると、人もまちもハイセンスで、ダサダサな服で背中を丸めて歩いている自分がとても恥ずかしくなります。

noteのイベントでnote placeにおじゃましたときは、オフィスとまちのオシャレさにワクワクして、とても楽しい気分になりました。

毎日こんな場所で働いたなら、センスのない自分だって、いろいろ刺激を受けて、感度は高まるでしょうし、発想力も磨かれるだろうなと思います。

それから、オフィスやまちなどの物理的空間の話ではないですが、ハイセンスで能力の高い優秀な仲間と毎日一緒に仕事をしたなら、きっと自分もつられて成長するんだろうなと思います。

働きはじめたときには個人差がなかったとしても、そうした仕事環境の違いがあるところで働いたなら、きっと5年後には取り返しのつかない差ができていると思うのです。

センスの良さとか、優秀さといったものも組織内で伝染するわけです。
これって組織文化の力でしょうか。

だから在宅勤務ではなくてオフィスで働くことが正しいと言いたいわけではないのですが、「連携」「協力」以外でも、オフィス勤務、すなわち、まちやオフィスや会社の仲間から得られる直接的なエネルギーがあるのだということも加えて考えるべきかなというのが仮説ではありますが、私の持論なのです。

このテーマで論文書けるかな。


仕事をリデザインするための「4段階のプロセス」


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