2軸客車が現役だったころの銚子電鉄
NHK連続テレビ小説のロケ地ともなった銚子電鉄(銚子電気鉄道)ですが、放映から10年以上前、出張にあわせて訪問しました。外川駅から仲ノ町駅へ向かい、車庫を見学しましたが、そこには2軸客車の姿がありました。
(この記事は2020年11月に会員限定記事として配信したものです。)
初めての訪問は出張にあわせて
いつ廃止になってもおかしくない状況にありながら、捨て身のアイディア商法でなんとか運行を維持している銚子電鉄(銚子電気鉄道)。私が最初に訪れたのは1972(昭和47)年の11月でした。
茨城県の鹿島神宮などへ2日がかりで出張の際、せっかくだから銚子電鉄に乗ってみようと思い、少し回り道をして外川(とがわ)に宿をとりました。もちろんまともなホテルなどはなく、泊まったのは主に釣り人が利用する民宿です。宿に着いたのは暗くなってからなので、銚子から外川までの沿線風景や、乗った車両についての記憶はまったくありません。
▲線路の終端付近から見た外川駅。架線がかなり垂れ下がっている。ポイントは電動式になっているようだ(1972年11月、楠居利彦撮影)。
警笛はタイフォンではなく漁船の汽笛
翌朝、本来の仕事に差し障らないよう、午前7時すぎに宿を出て、外川駅に向かいます。ホームで待っていると、時々、「ボッ、ボッ」と漁船の汽笛が聞こえます。朝から漁に出るのかなと聞き流しているうち、線路の向こうに電車の姿が見えてきました。銚子電鉄で一番小型のデハ101です。駅に近づき、踏切に差し掛かったところで鳴らした警笛は、なんとタイフォンではなく、漁船の汽笛でした。恐らく故障したタイフォンの補充として、場所がら入手が容易な漁船のパーツを使ったのでしょう。
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