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地下鉄路線延長日本一に 横浜市営地下鉄延伸線計画予定地のいまとダイヤを予想する

横浜市営地下鉄ブルーラインは、あざみ野駅から新百合ヶ丘駅までの延伸が計画されています。延伸されれば、ブルーラインは地下鉄で一番長い路線になります。今回は延伸区間の現況を紹介するとともに延伸後の列車ダイヤを予想してみます。

(この記事は2020年8月に会員限定記事として配信したものです。)

延伸すればブルーラインは地下鉄の路線延長日本一に

 日本の政令指定都市では最も多い約375万人もの人口を抱える横浜市。南北に長く延びるこのまちを貫くのが横浜市営地下鉄ブルーラインです。路線延長は40.4kmにもなり、都営地下鉄大江戸線の40.7kmに次いで長い地下鉄路線となっています。

 この横浜市営地下鉄ブルーラインをさらに延伸する計画がいま進められています。今回はその計画の概要と計画予定地の現況を紹介しつつ、ダイヤ予想もしていきます。

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▲横浜市営地下鉄ブルーラインの3000R形(2020年2月、鳴海 侑撮影)。

 横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸線が計画されているのは、横浜市青葉区のあざみ野駅と川崎市麻生区の新百合ヶ丘駅の間約6.5kmです。この延伸線が完成すると横浜市営地下鉄ブルーラインは地下鉄の路線延長日本一になります。

 延伸線の起点となるあざみ野駅は東急田園都市線との乗換駅です。横浜市営地下鉄ブルーラインの主要駅であることはもちろん、田園都市線でも渋谷、溝の口、三軒茶屋に次ぐターミナル駅です。現在、横浜市営地下鉄は1日約8.0万人(2019年度)、東急線は1日約13.6万人(2019年度)もの乗降客がいます。

 延伸線の終点にあたる新百合ヶ丘駅は小田急小田原線と小田急多摩線の分岐駅でこちらも乗降客数は多く1日約12.8万人(2019年度)と小田急線内では8番目の乗降客数を誇るターミナル駅です。

 この2つのターミナル駅の間には東急田園都市線発展の礎ともなった多摩田園都市をはじめとした住宅地が広がり、現在も多くのバス路線が網の目のように通り、頻繁に運行されています。こうした地域の事情もあって鉄道の延伸を求める声があり、2014(平成26)年から事業化に向けた基礎調査が始まりました。2016年には交通政策審議会答申第198号で「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」として横浜市高速鉄道3号線(横浜市営地下鉄ブルーラインの関内~あざみ野の区間)をあざみ野駅から新百合ヶ丘駅まで延伸するプロジェクトが位置づけられ、2019年1月に横浜市と川崎市が事業化の判断を示し、本格的なルート選定が行われました。

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