全ての現象はゼロ。プラスもマイナスもない。
私は「プラス思考」という概念に疑問を抱いています。
一般に言われる「プラス思考」は、物事や出来事に対してプラスやマイナスの価値を与えることが前提になっているように思えるからです。
実際には、現象や出来事にプラスもマイナスもなく、もともとそれらはゼロなのです。
ただ淡々と事が起きているだけなのです。
「マイナスの出来事をプラスに置き換えよう」という考え方は、マイナスの出来事が存在することを前提としています。
つまり、「これは不幸」「これは幸福」「これは悪いこと」「これは良いこと」という発想を、無意識に追いかけているのではないでしょうか。
しかし、宇宙には「不幸」という現象は存在せず、ただ自分がそう思い込んでいるだけです。
嫌な人や出来事があるわけではなく、すべては「私」が勝手に決めているにすぎません。
マイナスの出来事そのものが存在するわけではなく、すべての出来事はもともとゼロなのです。
小林正観が唱える「プラス思考」とは、マイナスの出来事(不幸や悲劇)をプラスにとらえなさいという意味ではありません。
彼は、「もともと現象はすべてゼロであり、それを否定的にとらえるからマイナス現象になるだけだ。もともとゼロなのだから、それをプラスにとらえたら面白いのではないか」
と言っています。
どんな現象も見方次第であり、解釈によって変わるのです。
宇宙には「幸福」も「不幸」も、「プラス」も「マイナス」も、「成功」も「失敗」も、「敵」も「味方」も、「勝利」も「敗北」も存在しません。
これらはすべて、絶対的なものとして宇宙的には存在していないのです。
あるのは「そう思う心」だけです。
「幸せ」という絶対的な現象や価値は、地球上に存在したことはありません。
しかし、「幸せ」という現象が実際に存在するときがあります。
それは、「私」が「幸せだ」と思った瞬間です。その瞬間に、初めて「幸せ」がそこに存在するのです。
宇宙的には、すべての人が絶対的な価値を持って「幸せだ」と思えるものは存在しません。
しかし、個人が「これは幸せだ」と思ったとき、それがその人にとっての「幸せ」になるのです。
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