100日後に推しが卒業する話 96

11月16日

この日はとにかく気分が沈んだ日だった。
良くないことが2つ起こった。

抽象化すると、
目の前で存在が消える瞬間を見た。
しかも、大事な仕事だった。その存在にとって最後の大事な仕事だった。
でも、間に合わなかった。
間に合わせることができなかった。
その存在が消えてしまったこと自体、もちろん自分の責任ではないことは分かってるけど、

それでも最後の望みをかなえてあげられなかった。
そこがどうしても引っかかって。
すごくすごく凹んだ。


そして追い打ちをかけるように、
勝てるはずだった判決で負けた。
中身を見ると、どうしても自分のミスなんじゃないかという気持ちがぬぐえない。
あの時、もう少し先を見通す力があれば、、、、、


昔、ドラマで、
小児救急医療のドラマがあった。
そこで安田顕さんが、
「落ち込んで、折れそうになっても、立ち上がって学ぶ。その繰り返しじゃないですか、私達は」というセリフがあった。
その通りだと思った。

でも、僕たちはそれでいい。
今回のことが失敗なんだとすれば、
僕はそれで学んだ。そうやって1つ成長した。

だけど、
僕のお客さんにとって、
裁判は一生に1回あるかないかの経験のはずなんだよね。

コードブルーで、
新人がへらへらと「次はがんばりまーす」みたいな返事をしたときに
白石ドクターが
「患者にとって次はないの」と激怒するシーンがある。
そのとおりなんだと思う。



同じ日もない。
同じ、現場もない。
同じ会話もなければ、
同じチェキもない。
同じトクポもない。

だから、毎回が楽しいし、
毎回が辛辣なほどに一瞬で過ぎていく。

思えばもう、
当日だ、、、、

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