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ラジオ番組への応募作(エッセイ又はコラム):お題「ケーキ」1200字程度

ケーキ、それは幼き日の憧れの食べ物。生クリームたっぷりでフルーツ山盛りの物が好きだ。出来ればホールで丸ごと食べたい。学生時代、舌を出した女の子が目印のケーキのチェーン店で、端から端まで1つずつ、という買い方をして一人で食べたこともある。それぐらい好きだ。でもあれから30数年、ニヒルな中年男としては、そんな買い方はしたくてもできない。なので、好きなケーキをホール丸ごと食べるために作る。
最初に生地を作らねばならない。それにはまずはバターと粉糖、バニラエッセンス、小麦粉を混ぜる。おっと卵を入れるのを忘れずに。バターは無塩、小麦粉は薄力粉だ。この時、空気を含ませすぎないのがコツだ。キメが粗くなる。この生地をひとまとめにして十分に冷やし寝かす。冷えが足りないと生地がだれる。
冷やしている間にクリーム作りだ。まずはカスタード。卵と牛乳でふんわり柔らかく滑らかに。コツは“混ぜる、とろみをつける、冷ます”の3段階をきちんと踏むことだ。まず砂糖と卵をすりまぜる。よく混ぜる事。次に薄力粉を入れ軽く混ぜる。ここは混ぜすぎ注意。沸騰寸前の牛乳を少しずつ濾しながら入れ、この時にバニラエッセンス数滴投入。できたものを鍋に入れ中火、木べらで混ぜて、もったりととろみがついたらバットに入れて粗熱を取って、冷蔵庫で冷やそう。
生クリームも準備しなければ。生クリームは十分に冷やすのがコツ。冷やしたボウルに冷やした生クリームをあけ、グラニュー糖を入れ、ひたすら泡立てる。出来たら冷蔵庫で冷やしておこう。
さあ、クリームが出来たら先ほどの生地を焼く。ラップに広げ成形し、型に入れ焼く。焼いている間にフルーツの準備だ。フルーツの皮を剥き、カットする。みかん、オレンジなどの柑橘類、八朔なんかも苦みが面白い。緑色も必要だ。メロンは苦手なのでキウイ。種のプチプチ感がアクセント。そしてケーキの赤と言えばイチゴ。大きなイチゴをカットし、色鮮やかに。ぶどうやマスカットも食べたい。
さあ、焼きあがった土台に、カスタードを流し込み、その上にたっぷり生クリーム。そしてさっき準備した新鮮フルーツを盛り付ける。しかしフルーツそのままだとおいしそうに見えない。そこで秘技「ナパージュ」だ。これをフルーツの上にかけると宝石のようにキラキラし旨そうだ。ナパージュにジャムを使うと甘さが引き立ちおいしいが、少しカロリーが気になる(今更と言うなかれ)。そこで、粉ゼラチンと水を小さな皿に入れレンジで20秒ほどチン。できた低カロリーナパージュをフルーツに刷毛で塗ればキラキラ宝石の出来上がりだ。
さあ、出来たぞ、旨そう…ん?あれ?出来たのはフルーツタルトではないか!お題とずれてる?でも、タルトもケーキ屋にあるからセーフって事で。
それからここで、もう一つ告白です。私、ケーキもタルトも作ったことないのです、はい。でも、作り方を読んでいるだけで食べたくなってきたでしょ?
(文字数1204文字)


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