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ラジオドラマ「恐怖!火星人襲来」


語り :日常とは何か?平凡な日々とは何か?今日と同じ明日、明日と同じ明後日。家族と過ごす日常、会社に通い仕事をし、同僚たちと飲みに行く日常?
そんな平凡な日常はすぐに壊れてしまうものだと知った2020年の人類。そう、平凡な日常など、気づかぬうちに近づいてくる得体のしれないモノによっていとも簡単に消え去ってしまうものなのだ。
さあ、得体のしれないモノが徐々に正体を現し、人類が恐怖に支配されていく様子を想像してくれたまえ・・・・さあ、恐怖におののくのだ!ふはははは。

[オープニング]
(SE/コオロギその他秋の虫の声・・・)
(夜の湖畔)
ラジオ :(BGMレベル)日本天文台によりますと、火星の方向、木星との間に広がる小惑星帯、アステロイドベルトにおいて、小規模な爆発がありました。この爆発の規模・原因については現在調査中であるとのことです。地球に衝突する可能性のある地球近傍小天体の発見・監視を行っているスペース監視協会によりますと、爆発の前に磁気嵐が観測されたとのことです。・・・・

若い女: 暗いね。
若い男 :ああ。
若い女 :ねえ、誰もいないよ。
若い男 :だから?
若い女 :いじわる。
(F.I. SE/秋の虫の声、大き目の音で、キスシーンを想像させる)
若い男: なんだよ。
(無音1秒)
若い女 :ねえ、泳がない?
若い男 :水着もっってねえし。
若い女 :あたしだって。ねえ、行こ。ほら・・・。
若い男 :しょうがねえなあ。
(SE/服を脱ぐ音~水音:バシャバシャバシャ)
若い女 :きゃ、冷たい。やめてよ~。
若い男 :やめろって、冷たいじゃん。
男女 (数秒、水の掛け合いの感じで)
若い男 :わ!なんだよ!やめろよ!
若い女 :何もしてないよ?なに??
若い男 :やめろって!やめろ!わ~~~!
(SE/水音ザバア)
若い女: なに?なになに?
(SE/ベキバキボキ)
男女 :ぎゃ~~~!
(無音1秒)

[場面 (美術館夜)]
(SE/がやがや)
探偵: 警部、この犯人はただの泥棒ではありませんよ。
警部: どういう意味だね?
探偵 :この脅迫状の文面ですが、縦読みをしてみてください。
警部 :縦読み?一文字目を読めばいいのかね?え~っと、目的のものはいただいた。もう遅い・・・なんだって?
探偵 :もう盗まれているってことですよ。それだけならいいんですが?
警部 :どういう意味だね?
盗賊 :ふはははは・・・・
探偵 :出たな、やはりお前か!!
警部 :いたぞ!捕まえろ!!
警官1 :はっ!
警官2 :はいっ!それ!
(SE/ばたばたばた)逃げたぞ~~~!
盗賊 :ふはははは・・・・。(リバーブ)
探偵 :屋上だ!急げ!
警官 :ばたばたばた・・・・。
盗賊 :ふはははは・・・・。
(SE/ 警報音、サイレン・・・・プロパラ音)
警部 :なんだ!女をかかえているぞ!
探偵 :ここのオーナーのお嬢様ですよ、いやな予感が当たった。
盗賊 :この天下のお宝に加え、私が愛するお嬢様もいただいていく。さらばだ!
(SE/プロパラ音・・・FO遠ざかっていく)
探偵 :あれは?
(SE/キューン、ぴかっ)
盗賊 :ぎゃ~~~~!(SE/燃える音)
警部探偵 :なんなんだ!おい、落下地点に急げ!!!
警官たち :は、はい!
探偵 :なんだあれは?一瞬にして燃え、消えたぞ・・・・。お嬢様まで・・・。
(無音1秒)

[場面 (風呂場)」
(SE/シャワー音等)
女 :(ご機嫌な鼻歌)ふふふ♪
(SE/ごしごし、)
女: ぎゃ!誰?(窓の外に人影)何なのよ!誰なのよ!
人影: む~~~~(リバーブ)ギャインギャイン(リバーブ)ぴかっ!
女 :ぎゃ~~~~~~!
(無音1秒)

[場面 (高級車の中)]
社長 :♪ (鼻歌で)ふ~ふふふふふん、ふ~ふふふん♪(ジャイアンのテーマ)
(SE/ズンズンズン)おう、もう読んだか?その資料。やつはどんな奴なんだ?早く教えろ、俺のものは俺のもの、お前のものは俺のものだからな!早くしろ!!
大島: 社長!この資料は最高ですね!次のアポイントの相手の情報がくまなく書かれていますね!私、これを完璧にをインプットしますから、完璧な挨拶ができますよ!さすが、社長ですね~~~(小声で)もう、社長ったらあんな金髪ででかいくせに馬鹿で我儘なんだから。。。あ、金髪ででかいから馬鹿で我儘なのか!
妙子 :あたしの書いた資料はいかが?
大島 :すごいよ!天才だよ!さすがだよ~、妙子さんにはかなわないよ。美人で頭がいいなんて最高だよ!もう、すきになっちゃう!今度、ごはんでもいかが?
妙子 :そうでしょ!あたしの才能と美貌。この会社はあたしの才能で持ってるのよ。
社長 :おお、わが妹よ。さすがだぜ!
大島 :(小声で)また妹よ!が始まったよ。このバカ兄妹、単純バカだから(クスクス)。ちょっとほめてやれば調子にのるんだ。
社長 :おう、なんか言ったか?おまえは、俺とわが妹のいう事を聞けばいいんだ!俺の妹の才能と美貌、俺の知性があれば、お前らはついてくるだけでいいんだ!、おう、小島、今月の集金をしたか?金だよ金、世の中は金なんだよ。
大島 :大島ですって! 営業の奴らには言っときましたよ。コロナだからって、上納金は勘弁しないって。
妙子 :今から次の会社行くよ!、あそこには惚れ惚れするイケメンがいるのさ~イケメ~~ン~~
大島 :(小声で)ちぇ、またかよ~
社長 :なんか言ったか?
大島 :何も言ってっないっす~、行きましょう行きましょう!
(SE/キューン、ぴかっ、爆発音チュド~~ン)
三人 :ぎゃ~~~~!
(SE/サイレン音、救急車の音)
(無音1秒)

[場面 (暗いどこかわからないところ)]
(SE/ぶ~んぶ~んというような低周波音が響く)
老人男: う~~~ん、ここはどこじゃ?
宇宙人(女): お主、目が覚めたようじゃの?
老人 :おお、なんじゃ?頭の中で声が聞こえるようじゃ?お主はだれじゃ?どこにおるのじゃ?
宇宙人(女): わしたちは、お主の頭の中に語り掛けておるのじゃ。お主の言語体系をコピーし、わしらの言語体系と計算機によって比較分析をし、お主らの知識レベルに合わせ、語り掛けておる。わしらはM89星雲の、お主らの星から見れば火星の方向の惑星系からきたのじゃ。
老人 :火星人とな。ほほう。
宇宙人(女): お主をかどわかし、この船に連れてきて、お主の頭の中と言語を解析した。
老人 :わしの頭ン中とな?言語体系とな?ほほう。火星人にしては、良き選択じゃ。わしはの、山にこもり、世を捨て、世俗を見下ろして生きておるのじゃ。わかるか?の??
宇宙人(女): お主の頭の中を解析し、この星のお主らの考え方がよく分かった。この星の住人は危険じゃ。よくわかった。
老人 :ほほう、やっとわかる若い奴が出てきたようじゃの。そうじゃ、人間は憎しみと恐れ、敵意、醜い感情のままに生きておる。温暖化も環境破壊も核も飛行機が飛ぶのも新幹線が走るのも、子供らが花を摘むのも、犬コロに首輪をつけるのも、すべてすべて、すべてこの醜い感情から起きたものじゃ。おい、火星人、お主、これから何とする?
宇宙人(女): お主が思っておりとおりにするつもりじゃ。お主のいう、人類の滅亡が必要じゃ。お主の考えを読み取り、いくつか実験も行ったがの、最初は失敗したがの、体をもぎ取ってやったらあとの処理が大変だったがの、その後は簡単なものじゃ、光線を当てれば、人間なぞ、すぐに燃えよる。
(無音1秒)

[場面 (どこかの家庭)]
母 :ちーちゃん(男:小学生ぐらい)、またそんなテレビ見て。
ちー :だってママ、これ宇宙人が出てるんだよ?変な時代劇みたいなしゃべり方だけど。
母 :(小声で)また、わけのわからないこと言ってるわ。あの子はいつになったら夢みたいなこと言わなくなるのかしら。(普通声)そうなの?ちーちゃん、そろそろご飯できるわよ?
ちー :(無言)
母 :ほら、ごはん、できるわよ~片づけて~
ち~ :ほら、ママ!火星人だって!火星人が人類は終わりだって言ってるよ?
(無音1秒)

[場面 (家庭内のテレビ:無人:テレビはワイドショー)]
アナ :(F.I.)共同通信によりますと、本日行われている国会審議の中で、このところ頻発しております人間炎上消失事件について審議が行われましたが、いまだ原因が不明と、内閣官房長官の答弁があったということです。この事件につきまして、田畑さんいかがですか?
田畑 :そうですね。国会審議の場にこの事件が出てきたという事は喜ばしいことです。ただ、原因不明というのは国民が納得しないかと思います。
林 :田畑さんはああおっしゃいますがもっと深刻な問題があります。それはですね、この事件、突然人間が燃え上がり消失するという、恐ろしい事件ですから、もう、国民の間にパニックが起こっても生かしくないと、いうことです。
アナ :そうですね、警察署や市役所などには問い合わせが殺到しているようですし。
田畑 :先日の美術館での事件も恐ろしいですね、公衆の面前で盗賊と美女が炎上消失したんですから・・・
林 :何をぬるいことを!外国でも同様の事件が頻発しているようですよ?パニックです、安全信頼の問題です!国家の問題です!国民に説明が必要です!!
(SE/キューン、ぴかっ)
(SE/砂嵐の音ピンクノイズ音:ざ~~~~~)
(無音1秒)

[場面 (首相官邸:大統領と電話会談中)]
総理 :大統領閣下、この事件、どうするおつもりですか?ここままでは、国民が納得しない。手を打たねば、わが党は次の選挙では勝てない。軍を動員してもらえないだろうか?
大統領 :軍だと?わが国も問題解決できていないのに、日本に軍を出せだと!そんなことはできない!わが国の国民もパニックに陥っている。略奪や暴動が多発しているんだ!このままでは私の再選も難しい。私は、憎悪をあおってここまでのし上がってきたんだ。パニック時に何を言っても無駄だ。あ~~~どうすればいいのだ?
総理 :(小声で)あ~この男もダメだ。大きなことを言うやつは打たれ弱い。やはり成金ののし上がり野郎には無理か・・・こいつももう終わりだな。(普通の声で)大統領閣下、あなたが頼りにならないのであれば、わが国はわが国で処理をすることになりますが、よろしいですな?
大統領: 好きにしろ。もう日本の面倒なぞ見れん・・・・・
(SE/キューン、ぴかっ、爆発音チュド~~ん)
総理 :お~~~!ナイスタイミング!ホワイトハウスが消し飛んだぞ!補佐官!録音してあったよな?やつが日本を見捨てたってことはわかるな?これで俺の好きなようにできるぞ!
補佐官: 総理、すぐに逃げてください!上空に何かが!
(SE/キューン、ぴかっ、爆発音チュド~~ん)
(無音1秒)

[場面 (各国の街頭)]
通行人:(複数)なんだ?モニターに!あれはなんだ?
通行人 :(英語)What is that?
通行人 :(韓国語)저건 뭐야? (発音:jeogeon mwoya?)
通行人 :(ロシア語)Что это такое?(発音:Chto eto takoye?)
通行人 :(中国語)那是什么?(発音:Nà shì shénme?)
通行人 :(ドイツ語)Was ist das?
通行人 :(フランス語)Qu'est-ce que c'est?
通行人 :(イタリア語)Cos'è quello?
火星人 :お前ら、終わりだ!はっはっはっは
通行人(全員):(各国語で)なんだなんだ!!!
(SE/キューン、ぴかっ、爆発音チュド~~ん)
(SE/緊急時の特殊サイレン音:きゅーいーんきゅいーんきゅいーん・・・・)
(無音3~5秒)

アナ :ラジオドラマ第●●回。恐怖!火星人襲来。

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