ラジオ番組への応募作(エッセイ又はコラム):お題「八朔」1200字程度
八朔が好きだ。特に八朔の果肉を包む薄皮、じょう嚢膜(じょうのうまく)を剥いた時に、剥いた薄皮のほうに付いていってしまう実の端っこの果肉の粒(果実の粒の事を砂じょう(さじょう)と言う)が好きだ。この「端っこの粒」は程よく硬くいつまでも口の中で転がして楽しめる。そして転がし飽きた時に潰せば、八朔の酸っぱさが口内に広がり一瞬の至福を感じる。
八朔の皮を剥くにはフルーツナイフが必要だ。このナイフは、刃渡りが10㎝程度の、出来れば持ち手(柄)が木製のものが扱いやすく、手に馴染む。そして