ダムタイプ|アクション+リフレクション @東京都現代美術館

久しぶりの都現美!リニューアルで休館していたので、全くこれまでとは違う空間なのかと思いきや、それほど展示室内の印象は変わっていなくて安心しました。

さて本題、「ダムタイプ アクション+リフレクション」を観て思ったことをご紹介します。

まず、ダムタイプって何してる人たち?
京都市立芸術大学の学生だった古橋悌二(1960-1995)によって、同大学の学生たちから結成されたパフォーマンス集団。
表現手段の異なるメンバーが集まり、一つの形式にとらわれることなく新たな表現を展開しました。
台詞(言葉)がある一般的な舞台表現ではなく、身体や音、映像など言葉以外の表現を複合した表現によって性や人種といったテーマと向き合い、作品を制作。
その活動の方向性からも、dumb(ダム:口のきけない/間抜けな)とtype(タイプ:種類/グループ)という名前の由来が想像できます。

情報としての言葉は便利な伝達手段であり、世の中に溢れているけれど、果たしてその情報をどれだけ受け手である私たちは認識できているのか。その批判としての多様な表現なのだと思います。
受け手がより自由に、それぞれの感性で感じとることのできる表現を探った結果が主に身体表現をはじめとしたジャンルレスな表現なのかな、と感じました。

それを特に象徴している作品が「古橋悌二《LOVERS》1994/2001 (second edition)  国立国際美術館所蔵 」。
男と男が裸ですれちがう、男と女も裸ですれちがう。いろいろな性のあり方をそこから感じとることができたし、それが自然な事なのかと思う反面、観てしまうことの恥ずかしさなど、様々な感情が湧いてきました。

他に、印象に残った作品は「《LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE》2018」。
これも、本当は作品の前で前後に動いている金属のバーを潜り抜けるように身体が関わることで完成する作品。
作品後部のヴィデオに投影されるLOVE、SEX、DEATH、MONEY、LIFEそれぞれの言葉が重なり合うように交差し、すれちがっていく過程で伝えようとしていることが、身体のパフォーマンスによって補完されるのだろうから、その身体の動きを観たかったのです。けれど今回の展示では、パフォーマンスはなかったので残念でした。


よりダイレクトに、受け手に強烈に伝わる方法としてのジャンルレスな表現。
またとない貴重な機会なので、ご覧になることをおすすめします!


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