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notebook#03

Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
クリスティーン・ボラス著

最初と最後に「あなたはどういう人間になりたいか」という質問がありました。無礼な人より礼儀正しい人の方が好かれるし、仕事や人間関係もうまくゆく、当たり前のことです。でも、以外と自分のことを客観的に見られていないないたくさんの事例が挙げられていました。なぜなら、「礼儀正しい」と感じるのは自分以外の人だから。だから、この質問が全てであると思いました。
サブタイトルには「礼儀正しさ」とありますが、本文では「礼節」という言葉が頻繁に使われていました。日本人でもあまり「礼節」という言葉は使わないようにも思いますが、私は「礼節=無礼でないこと」と解釈しました。また、礼節のある行動についてのチェックリストもありました。こんなことする人いるかな?と思う反面、矜持を正すという意味で改めてチェックしてみると、「そうか、気をつけよう」と思うえる質問もありドキリとさせれました。意図しないでいる場合も多いと思います。
小さい頃、母から「自分が嫌だと思うことを他の人にはしてはいけない」と、ことあるごとに言われました。相手の立場になって考えることを教えてくれていたのだとなぁ、と感謝しています。

無礼さのコスト
世代の違い、グローバル化や職場環境の変化なのか、原因ははっきりしないけれど、自分ばかりで他の人にあまり目を向けない人が増えていることは確かです。無礼のコストとして、「周囲の人の健康を害する」「会社に損害をもたらす」「まわりの思考能力を下げる」「周りの認知能力を下げる」「周りを攻撃する」と5つ挙げられていました。周囲は巨大なストレスにさらされてしまいます。また、無礼さは「足枷」にもなります。

礼節の5つのメリット
<個人の3つのメリット>
1.仕事が得やすい
2.幅広い人脈が築ける
3.出世の可能性が高まる
<組織の2つのメリット>
4.礼節ある上司のチームは高い業績を上げられる
5.礼節ある経営者は従業員に安心感を与えられる

また、無礼は脳に焼きつき悪影響がのこるが、いい態度で接するといいことに注意が向く。

オクスナー・ヘルス・システムのガイドライン(ルイジアナ州の病院)
「10/5ウェイ」
誰かと10フィート(約3m)以内に近づいたら目を合わせ、5フィート(約1.5m)以内に近づいたら「こんにちは」と声をかける。
この運動で、病院内に礼儀正しい態度が広まり、患者の満足度と患者数が上昇。

礼節をチェックする7つの方法
まずは、チェックリスト
1.他人からのフィードバック
2.優秀なコーチからの指導
3.同僚や友人からの協力
4.360度フィードバック
5.人の感情を読み取る訓練(いくつかの方法あり)
6.毎日、日記をつける
7.自分を大切にする(栄養のある食事、十分な睡眠、運動)

礼節がある人が守る3つの原則(礼節ある態度の核)
<基本>
・常に周囲の人に気を配る
・他人の立場でものを考える
・笑顔でいる時間を増やす
・基本の言葉「お願いします」「ありがとう」
・「温かさと有能さ」で印象の90%は決まる
・「温かさ」を判断する時間は33ミリ秒

●礼節のある人は笑顔を絶やさない
笑うことは気分を高揚させ、免疫システムを活性化させる。ストレスを軽減、血圧を下げる。
「インサイドアウト・アプローチ」
→外からの刺激に頼るのではなく、自分の心の中を変える。
→楽しい(嬉しい)から笑うのではなく、笑うから楽しい
→大事なのは、いかに自然に笑うか

●礼節のあるひとは相手を尊重する
相手の存在を認め、尊重する(存在承認)

●礼節のある人は人の話に耳を傾ける
話す:聞く=1:2
1.聞く力をあげるためには
・聞く姿勢を完璧に整える(質問や話題などの事前準備)
・全ての注意を相手の話に向ける(全ての感覚を駆使、能動的に聞く)
・相手の目をしっかり見る
・メモをとる

ジュリアン・トレジャー(音のコンサルタント)のRASA
・Receive(相手の話をそのまま受け止める)
・Appreciate(話を妨げない、尊重する)
・Summarize(相手の話をうまく要約する)
・Ask questions(話終わった後に質問する)

2.人の話を遮らないための対策
・相手がすべて話終わるまで待つ努力をする
・友人や同僚に頼んで態度を監視してもらう

「無意識の偏見」について
「他者を尊重する=多様性を受け入れる」ことは難しい

認知的過負荷
大量の情報を処理するため、さほど重要でない情報や初めから正しいはずのない考えを無意識のうちに除去(ショートカット)すること

認知的過負荷の状態で、他人への態度を偏見にもとづいて決めてしまうこともある。これは不平等や不当な評価へとつながる可能性があるが、そのことを自覚している人は以外と少ない。
無意識の偏見を少なくするには、自分と異質の人との交流をし、相手への理解を深めることが必要。常に具体的な証拠を判断材料とし、判断に主観が入り込む余地を徹底して排除する。

グーグルのトレーニング
「無意識バイアス@ワーク(Unconcious Bias@Work)」
・60-90分のトレーニング、多様性を重視するようになる
・採用面接も改善
・マネージャーには偏見排除チェックリストを義務づけ

ワンランク上の礼節を身につける(あなたの行動がまわりをかえる)
<準備>笑顔についえ見つめ直す

1.与える人になる
・人間関係と意欲を手に入れられる
・与えられるものは
 「情報リソース」「社会的リソース」「個人的リソース」
・個人的リソースは有限、与えすぎに注意

2.成果を共有する
・自分だけの手柄にしない
・やる気が出るような褒め方をする
→小さな成功を周りの人にもわかるよう賞賛、これを繰り返す

3.褒め上手な人になる
・感謝を言葉で伝える→メモを活用する
・感謝のされ方にも人によって好みがある
→どんな感謝のされ方を好むのか時間をかけて確かめておく

4.フィードバック上手になる
・評価をシェアして当事者意識を高める
・肯定的フィードバックと否定的フィードバックを組み合わせる
・何をしてほしい、してほしくない、続けてほしいを明確にする
・顔の表情=好意的な感情表現=うなづく、笑顔でフィードバックする

5.意義を共有する
・仕事に意味を感じてもらう=エンドユーザーからの肯定的フィードバック
→自分の仕事が役に立っているとわかることが大切

メールの作法
文字でのやり取りになることに注意する。ボディランゲージや声のトーンなどなく、伝えようとしたことが誤解されたり伝わらない可能性もあり、口頭でのコミュニケーションより慎重で細かな配慮が必要になる。
<やってはいけないこと>
・会って伝えるべきことをメールで済ませる
・会議中などにメールのチェックをする
・勤務時間外にメールを送信する

礼節のある会社になるための4ステップ(思いやりと敬意の企業文化)
1.採用
2.コーチング
3.評価
4.改善策の実践

1.採用
・面接ではその人の人格がよくわかるような質問をする
・志望者の言動もよく観察する
→面接官以外の人への態度や言動などの情報が有用
・採用に関わる人を増やす
・事前ヒヤリングを徹底する
→インターネットでの発言やSNSの投稿などもチェック
・採用する側も模範となること
・礼節の水準にあった人を雇う

2.コーチング
・守るべき価値観を伝え続ける
→ウッデンの成功のピラミッド
→スターバックスの宣言
→ピート・キャロルのルール
・企業文化
→リーダーから率先して礼節を守る
→チックフィレイ社「サーヴァント・リーダーシップ」
→NAS(アメリカ国家安全保障局)「チャレンジカード」
・全員参加
→コーチKの15ヶ条のガイドライン
→ブライアン・ケイブの「礼節のための規範」
→Microsoft「プレシジョン・クエスチョニング」
礼節の基本をひとおり教えたら、社員が実践しているか確認する。守れない場合には特別なトレーニングを行う。

3.評価
・礼節の高さを評価
→Microsoft「情動的コンピテンス」
・目に見えない成果の評価
→他人に何かを与える、協力しあう行動などを奨励
・仕事のプロセスの評価
→会社の価値を高めるためにどのように働いたか
→思いやりや敬意の程度を適切に評価できる体系的な基準と業績をひょうかするための伝統的な基準の組み合わせが必要
・「真のスター社員」同僚を助ける人に気づく
・ソーシャルネットワーク分析

世界トップ企業の工夫(評価の文化)
W・L・ゴア「階層評価」と360度フィードバック
グーグル マネージャー・フィードバック調査「MFS」と「gThanks」
モトリーフール社 「YouEarndelt」
ザッポス「ヒーロー賞」

4.改善策の実践
・無礼な社員には「努力しともに働き続ける」か「やめてもらう」
・改善の4ステップ
→証拠を提示する
→証拠の妥当性を確認する
→悪い行動を続けた場合どうなるかを伝える
→改善を実行させる
※礼節を高める鍵は、本人の自覚が必要
・改善度合いを評価する機会を作る
・改善の糸口になる動機を探す
・改善がみられない場合には解雇する
・解雇する社員にも礼節のある態度で接する
・退職後面接をおこなう

無礼な人から身を守る
・相手に振り回されない
・自分は成功していると思う
・この状況から学べることを考える

未来に目を向けるための7つの方法
1.目標を定め、進歩を実感する
2.自分を成長させてくれるものを見つける
3.メンターの助けを得る
4.食事、睡眠、運動、マインドフルネスを活用する
5.仕事に意味を見出す
6.社内外で良い人間関係を築く
7.社外の活動で成功を目指す

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