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2021年3月12日(金)11:45~ 第2回「建設アスベスト被害者救済へ!」野党合同ヒアリング 文字起こし記録

内容:建設アスベスト被害者の救済について
当事者、弁護団、厚生労働省、国土交通省、経済産業省よりヒアリング

<参考>
1 動画
(1)ツイキャス「立憲民主党 国会情報+災害対策」
2021年3月12日 建設アスベスト被害者救済へ!野党合同ヒアリング

https://twitcasting.tv/cdp_kokkai/movie/671803156
(2)YouTube立憲民主党【りっけん】国会情報
2021年3月12日 第2回 建設アスベスト被害者救済へ!野党合同ヒアリング
(冒頭部分の映像なし。11:49:14以降のみ)

https://www.youtube.com/watch?v=_n-PSHiEzLI
(3)YouTube石垣のりこ
2021年3月12日 第2回 建設アスベスト被害者救済へ!野党合同ヒアリング
(冒頭部分の映像なし。11:51:25以降のみ)

https://www.youtube.com/watch?v=XM2xHU33NpA

2 配布資料
https://www.dropbox.com/sh/l0obvz57mn3oul7/AAC_KQnyONhjiuvTNKPLHYNWa?dl=0 

<参考1>
第1回「建設アスベスト被害者救済へ!」野党合同ヒアリング(2018年10月3日)
【しんぶん赤旗】
建設石綿被害救済急げ 国に原告・野党議員ら要求 合同ヒアリング
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-04/2018100414_01_1.html

<参考2>
【時事ドットコムニュース】
原告男性「涙出た」 建設石綿、国の責任確定で(2020年12月17日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121701181&g=soc

<参考3>
建設アスベスト訴訟 首都圏統一本部 全国連絡会 サイト
https://asbesutos-syutoken.com/

【尾辻かな子 衆議院議員】11:43:02
はい。えぇ、それでは、お待たせをしております。えぇ、ただ今から、えぇ、第2回のですね、「建設アスベスト被害者救済へ!」ということで、えぇ、野党合同ヒアリングを始めさせていただきたいと思います。えぇ、本日、司会進行を務めます、えぇ、衆議院の尾辻かな子です。皆さん、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。はい。
はい。えぇ、それでは、時間は限られております。では、まず、えぇ、原口、えぇ、立憲民主党国対委員長代理よりご挨拶申し上げます。

【原口一博 衆議院議員(立憲民主党・国会対策委員長代行)】11:43:33
お疲れ様でございます。今日は、あの、原告団の皆さん、それから、弁護団の皆さん、それから、官庁の皆さん、あの、お見えいただきまして、ありがとうございます。
えぇ、もう最高裁の決定が出まして、私たちも、ずっと寄り添ってまいりました。やっと与党の方でも、PTができた、というふうに聞いていますが(「与党建設アスベスト対策プロジェクトチーム」2月18日初会合)。とにかく、時間がない。あの、この、アスベストの被害、中皮腫や、多くの大変な思いをされている方々。もう、中には、残念なことに、あの、この世を去った方もおられる、と。そういう中で、一刻も早く、この救済。ここにありますけども、えぇ、「被害者補償基金」というものを創って、そして、裁判に拠らない解決をしっかりとやり、それを、国全体で支えていく、こういうことをですね、速やかにやっていただきますように。
今日の、この2回目、あの、共産党さんの穀田先生からも、大変大きな、あの、ドライブをいただき、あの、「前に行くように」ということで、お話をいただいて、ここに至っています。私たちも全力で、取り組んでまいることをお誓い申し上げて、御礼に代えたいと思います。今日は、どうぞ、よろしくお願いします。

【尾辻かな子 衆議院議員】11:44:44
はい。えぇ、ありがとうございます。では、続いて、えぇ、共産党の穀田委員、穀田委員長から、ぜひ、ご挨拶をよろしくお願いいたします。

【穀田恵二 衆議院議員】11:44:55
あの、お疲れ様です。私、あの、京都に住んでまして、私の友人が本当に、あの、この裁判を通じて、次々とお亡くなりになっていくっていう、目の当たりにして、その思いっていうのがね、どれほど、皆、つらい思いしてたか、と。そして、「未だにそういうことが解決できへなんのは、何でや」という思いがあるっていうことなんですよね。そしたら、国が責任取り、企業が責任を取るって、当たり前やないか、と。だから、当たり前のことを言ってるだけなんですよ。で、その際に、やっぱり超党派で、こういう問題については解決しようって、今、原口さん、おっしゃいましたし、そういう問題で、皆で努力をして、実らせると。問題は、あとはスピードだ、ということだと思います。頑張ります。どうも。

【尾辻かな子 衆議院議員】11:45:52
はい。えぇ、ありがとうございます。えぇ、では、あの、厚労担当の宮本衆議院議員からも、よろしくお願い申し上げます。

【宮本 徹 衆議院議員】11:46:04
はい。一言。あの、本当に、えぇ、裁判闘う中で、たくさんの方がもう亡くなられているという状況がございます。そして、この間、裁判でもですね、国の責任は、もう明確にされ、そして、えぇ、相次ぐ判決でも、建材メーカーの責任もはっきりしてきているわけですから、一刻も早くですね、すべての被害者の皆さんを救済する、えぇ、基金の制度を創るということでですね、私たち、超党派で頑張っていきたいと思います。
えぇ、今日は、原告団、弁護団の皆さん、ありがとうございます。省庁の皆さんも、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

【尾辻かな子 衆議院議員】11:46:41
はい。ありがとうございます。
えぇ、あの、ずっと長い裁判を闘ってこられて、今、もう続々と、国とメーカーの責任を認める最高裁決定が出ているわけですが。えぇ、それについて、まず、えぇ、原告団、あの、今日は、お忙しい中ですね、来ていただきました。えぇ、まずは、あの、原告の、えぇ、皆さんから、お話をいただきたいと思います。えぇと、それでは、えぇ、よろしくお願いいたします。

【宮島和男さん(原告団長)】11:47:07
えぇ、腰掛けたまま、失礼します。今日は、先生方、いらっしゃいまして、本当に色々、ありがとうございます。私、原告団の宮島と申します。
私たちが提訴してから、5月で13年を迎えようとしてます。そして、この前の最高裁の判決に、判決で、全面勝利、この決定をいただきました。しかし、手放しで喜べなかったです。なぜかと申しますと、198人ですか。原告が、この判決を聞くことなく、亡くなっております。私たち原告も、いつ自分がそのように、この世からいなくなるのか、毎日毎日を苦しみながら耐えております。そして、私も91歳になります。そして、肺癌を手術して、手術して、そして、ようやく今、生きているような状態ですけれど。2月の25日の最高裁の裁判がありました。私も、最後の気を絞って、意見陳述をしてまいりました。
建設アスベスト救済基金は、早期設立を、議員の先生方のお力をお借りして、一日も早い成立をお願いします。私たちは、それが最後の願いです。私もこうして話してるうちに、息が苦しくなりました。これで終わりにさしていただきます。ありがとうございました。

【尾辻かな子 衆議院議員】11:49:44
はい。はい。はい。えぇ、宮島原告団長、ありがとうございます。では、続けて、えぇと、大阪さん、よろしくお願いいたします。

【大阪春子さん(遺族原告)】11:49:51
えぇと、遺族原告の大阪と申します。私は、大工だった夫と息子をアスベストで亡くしました。夫である大阪金雄は、2003年5月22日に、中皮腫で亡くなりました。65歳でした。そうして、夫と私の長男である誠も、2014年3月6日、46歳の若さで亡くなりました。病名は、夫と同じ中皮腫でした。夫の被害については、この裁判で訴え、息子の被害については、現在、埼玉地方裁判所に訴えています。
亡くなる一週間ほど前、夫は痛みに耐えながら、私に、「あの世で結婚するとしたら、誰がいい?」と聞いてきました。私は、「お父さんに決まってるじゃない」と答えました。この時の夫の嬉しそうな笑顔を今でも忘れることができません。本当に嬉しそうに笑ったのです。そうして夫は「俺もお前だ。俺は先に行くけど、ずっとお前を待っているぞ」と言いました。そして、2003年5月22日、夫は、個室に泊まり込んで看病していた私と手をつないで話をしている最中に、突然に黙り込み、首をガクッと下げて、私の目の前で死んでしまいました。私は、「お父さん、お父さん」と何度も呼びましたが、夫が答えることはありませんでした。
長男の誠は、15歳で大工になり、20歳を超え、一人前になった頃から、夫と一緒の会社で仕事をするようになりました。そして、夫が亡くなってからは、誠が私の生活の面倒を見てくれました。2013年、誠に腫瘍が見つかりました。2014年3月6日、私が病室に行くと、誠は、普段は絶対そのようなことなど言わないのに、何かを悟ったのか、「お母さん、今日は、帰らないでね」と言いました。そして、その日の午後、誠は血を吐いてしまい、泣きながら悔しそうな顔で、「お母さん、俺、まだまだ死にたくないよ、死にたくない」と、繰り返しました。「俺、まだいっぱいやりたいことがある」とも言いました。かけてあげる言葉が見つからず、誠が亡くなるまで、私は、誠の名前を呼び続け、手を握り続けました。誠は、痛みでひきつけを起こしながらも、手を握り返し、3時間ほど必死に闘って亡くなりました。
私は、ずーっと、不安を胸に、裁判で闘ってきました。被告企業との交渉で、何度も門前払いをされましたが、話し合いのテーブルに着くまで、何度も足を運びました。交渉先の企業では、「我が社では、他社に比べたら、ほんの少ししか作っていない」と言われました。この言葉には、私が大嫌いな言葉です。企業の言う「少しの量」でも、誰かが吸い込んで、病気になっているかもしれません。企業の説明逃れの言葉に、私はあまりにも悔しくて、「少しでも作ったことには変わりないでしょうよ」と声を上げたこともありました。お金の話をしているのではないのです。私は、アスベストで、愛する2人を持って行かれました。夫を返してほしい。息子を返してほしい。それができないなら、せめて責任を認めて、2人に謝ってほしい。12年以上、裁判してきて、今の心からの願いです。政治の力で形にしてほしいと思っています。どうか、皆様方、よろしくお願いします。

【尾辻かな子 衆議院議員】11:55:11
はい。えぇ、大阪さん、ありがとうございます。えぇ、この思いをしっかり受けて、私たちは、今、またヒアリングの場で聞いていきたいと思います。
えぇ、続いてですね、えぇ、共同代表、原告団共同代表の吉田さん、よろしくお願いいたします。

【吉田重男さん(原告団共同代表)】11:46:41
今日は、お話をする機会を与えていただき、ありがとうございます。私は、2陣、兄の遺族原告と、3陣、本人原告で闘っております。これからも、しっかり闘っていきますので、皆さんの力を貸していただきたい。
1960年、5年頃、私は左官業に入りまして、兄弟3人でやってきました。私の今一番思っていることは、製造メーカーが「これは素晴らしい」という混和材を、私たちに与えてくれました。その袋には、「危険」とか、「危ない」とか、「この材料を使うときには防護策を取れ」とか、そういう言葉は一切書いてありませんでした。私は、この混和材を使うときに、「素晴らしい材料をメーカーは作っていただいた」、法律が「2時間耐火」ができたときに、その材料を使わなければ、建物を間に合わせることもできなく、綺麗な建物も上げることができませんでした。50数年使ってきて、私が発病したのは40数年経ってからです。兄2人も、もう亡くなり、私も72歳になりました。国の大臣の謝りは、一言聞きましたが、製造メーカーは、打ち合わせを何度もやっても、自分たちの責任は逃れております。私の一番言いたいことは、私たちを、「素晴らしい材料だ」っつって使わせておいて、何も言わない製造メーカーに、即時、謝りを皆さんの力で出していただき、1か月でも2か月でもの間に、私どもの前で出てきてくれるように、製造メーカーを、お叱りをしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【尾辻かな子 衆議院議員】11:57:33
はい。えぇ、吉田重男さん、ありがとうございました。
それでは、原告のお話を聞きまして、次は、弁護団のお話をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【水口洋介 弁護士(弁護団)】11:57:41
はい。どうも、本日はありがとうございます。えぇ、建設アスベスト訴訟全国連絡会のうち、あの、東京、首都圏、東京訴訟の弁護団の水口(みなぐち)と申します。時間が限られていますので、ポイントだけ、5分でお話をさしていただければと思います。
えぇ、こちらが提出をしました、本日の資料の1枚目、「全面解決に向けて」。A4の1、2枚、えぇ、表裏。これと、主に見ていただくものは、えぇ、1番最後のページにあります、最後から2枚目になってますが、えぇ、各判決比較表。この2つを、あの、主に使用しますので、これをご覧に。

【(出席議員)】11:58:22
あの、綴じ方が、順番、違うから。

【水口洋介 弁護士(弁護団)】11:58:25
あ。そうですか。はい。

【(出席議員)】11:58:27
いや、大丈夫です。
大丈夫です。大丈夫です。はい。
最後の。

++
はい、この、エクセル表ですね。えぇ、この2つで、えぇ、主に、ご説明を申し上げたいと思います。えぇ、レジュメ、1枚目に戻っていただければと思うんですが。
私どもの、あの、要望は、主に3つであります。
1つは、えぇ、今、4つの事件について、最高裁の決定が出ました。判決はこれからなんですが、決定が出て。そこで、えぇ、出ておりますので、国との早期和解。全国14事件についての早期の和解を求めたいと思っています。
2点目は、えぇ、宮島団長がおっしゃったように、建設工事従事者に対する石綿被害補償基金制度、これを創設していただきたい。2点目です。
3点目は、最高裁の決定は出ましたが、最高裁判決が、おそらく今年の5月から6月にかけて、最終的な判決が出ると予想されていますが。この最高裁判決の前に、解決に向けての方針を、ぜひ政治の力で決めていただきたい、ということ。この3点であります。
えぇ、資料の各判決比較表、最後のところを見ていただければと思うんですが。この6つの事件は、全て最高裁に、今、係属をしている事件です。えぇ、薄緑の、左から1、2、3、4つ、神奈川1陣、東京1陣、京都1陣、大阪1陣について、最高裁の決定が出ました。決定、この決定によって、国の責任があるということが確定をいたしました。このピンクで書かれているところは、最高裁が、これから判決で見直す可能性がある部分です。
レジュメに戻ります。1枚目の「第2」の「1」に書きましたが、この決定によって判決が出る前に、国の賠償責任、国家賠償責任が、これが確定をしたということです。
2点目は、その救済対象は、大工さん達、労働者だけではなくて、一人親方、中小個人事業主も含めて救済をされたという点が画期的なところであります。
次に、最高裁決定で、確定していない点があります。先ほどの各判決比較表の2枚目、一番最後の、資料でいくと、一番最後のページですけれども。損害賠償、症状の程度によっての慰謝料の基準額、これが実は、各高裁判決が、幅があります。これは統一をされていない、という点です。そして、まだ確定してないのが、高裁判決で国の責任割合、つまり、賠償金額のうちの全体を払うのか、何分の1払うのかという点ですけれども。国の負担割合が3分の1とする判決と、高裁判決と、2分の1とする高裁判決、この2つが分かれているということになります。高裁判決の判断をそのまま維持をしているということになって、えぇ、なります。したがって、今後予想される5月、6月の最高裁判決が出ても、損害賠償の基準額や国の責任割合については、最高裁判所は統一した判断は出さないということになります。つまり、個別の下級審判断に委ねるっていう判断しか、最高裁はしないというふうになります。したがって、慰謝料の基準額、それから国の負担割合については、裁判所、最高裁で統一されるわけではなくて、国会や行政の判断に委ねられたと、こういうことになります。
建材企業に、の責任については、最高裁決定で確定しているのは、危険な石綿が含有した建材であることを、企業が警告表示、「危ないですよ」と先ほど吉田さんがおっしゃったとおり、警告表示をしなかった過失があると認めたこと。それから、一部の企業について、8社ないし7社について、共同不法行為責任があるとして、責任を認めたこと。これが確定していました。確定しました。確定してないのは、国と一緒で、慰謝料の基準額や、その責任割合、全体の損害のうちの何割、何分の1を責任にするのかということが、これもバラバラになっているという点であります。
今、申し上げたとおり、最高裁の決定によって、確定していない主要な点は、慰謝料の基準額、それから国の負担割合、この点であります。現在、全国で係属している事件は、最高裁の4事件も、あ、6事件も含めて、14事件あります。原告数は、1162名。最高裁の決定が出た4事件の原告数は、510名。残りの原告600名も、判決がないと解決ができないっていうのは、まだ待たなきゃいけないってのは、極めて不合理であります。多くの被災者が亡くなっている中、統一的な国との和解基準を設けて、早期の和解解決を図るべきです。現在、原告らは、統一和解基準について、国に申し入れをしているところです。
なお、敗訴した企業、7社ないし8社、トータルで10社になるんですけれども。統一的な和解を、に応じるように、今、交渉を開始しています。賠償金については、企業らは、払う姿勢を、今、示しているという状況です。
以上のとおり、最高裁決定によって、現時点で、国の責任、一部の建材企業の共同不法行為責任が確定しました。慰謝料基準額の基準は、各高裁判決で、まぁ、違いってのは、100万から300万の違いです。幅です。例えば、死亡された方については、2500万円の慰謝料とした判決もあれば、2800万円とした判決もあると。この差っていうことになります。いずれにしても、賠償義務があることは、すでに確定をしているということです。
建築作業者の石綿患者は、過去に約1万人いると言われています。今後も、毎年600人から1000人前後発生すると予想されています。国や企業の責任が確定しているにも関わらず、一人一人が裁判を起こさない限り救済されない、っていうことも極めて不合理です。特に、メーカー、複数企業を相手に裁判をやれば、相当期間がかかってしまい、亡くなる方もまた出てしまいます。そこで、私たちは、建設工事従事者に対する石綿被害補償基金制度、私たちの提案、資料の中に含まれてますけれども、これを提案をしています。裁判所で敗訴が確定した国が、これに応じるのは当然のことです。
レジュメの「第3」をご覧いただければと思いますが。レジュメの、えぇ、1枚目の裏になります。最高裁決定で敗訴した、トータル10社の企業については、今後提訴されれば敗訴するわけですから、当然、補償基金に賛同すべき、基金を拠出すべきだと考えます。では、今回、責任が認められなかった他の建材企業ですね、これについて、えぇ、どうかということですけれども。そもそも、危険な石綿建材を、警告表示なく販売したという過失責任があります。で、現実に、危険な建材をしたっていう客観的な原因を作出をも、しています。建材を売って利益を上げてきたという、そういう責任もあると。ただし、共同不法行為っていうことで、裁判所は、責任を認めなかったという点です。そうである以上、各企業の建材への石綿使用量に基づいて、つまり、危険を作出した度合いに応じて、立法により、補償金を、基金に企業に拠出させるということは、被害者の早期救済のために、合理的な立法措置だと考えております。参考の例としては、公害健康被害補償制度、公健法(公害健康被害の補償等に関する法律)があります。その立法趣旨では、当時の環境庁は、大気汚染の公害につき、レジュメの「第3」の「2」の「(1)」に記載しましたけれども、大気汚染公害については、因果関係を正確に証明することは不可能に近く、原因物質の排出量をもって被害に対する寄与度として費用負担を求める制度的割り切りが必要である、と。こう言っています。この考え方は、石綿による未曾有の被害の補償のあり方にも当てはまると、我々は考えています。ただ、多くの建材企業が、石綿建材市場、石綿建材の市場占有率、シェアですね、それから、石綿使用量の各企業のデータは持っていないんだと、こう裁判で主張しています。しかし、これが事実あるか否か、また、監督官庁である経産省や国交省が、このデータなど資料を有していないかどうか、ぜひ議員の皆様から、確認を求めていただきたいと考えております。
以上、私どもの方から説明さしていただきます。ご質問があれば、後でお答えしたいと思います。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:08:07
はい。えぇ、水口弁護士、ありがとうございました。
えぇ、今ですね、えぇと、原告、弁護団から、えぇ、あった、まず基金。これの検討状況がどうなっているのかというのを、厚労省から。
そして、その基金の拠出のですね、メーカー拠出の、まぁあの、データの基になる、例えば、建材メーカーのシェアとか、石綿使用量のデータの有無ですね。この辺りを、えぇと、ちょっと全部で5分ぐらいで、えぇ、お話をいただければと思います。
まず、厚労省さんから、お願いいたします。

【山田敏充 厚生労働省労働基準局労災管理課長】12:08:42
あ、厚生労働省労災管理課長の山田と申します。よろしくお願いいたします。
あの、本日は、あの、原告団、それから、あの、弁護団の皆様におかれましては、あの、これまでも、あの、最高裁の、あの、決定を受けて、えぇ、大臣との面会、それから、その他の場に、あの、お越しいただきまして、あの、私も、あの、同席をさせていただいておりましたけれども、大臣の方からも、えぇ、最高裁の決定により、えぇ、国の、えぇ、責任が、えぇ、認められたと、えぇ、いうことを重く受け止めて、えぇ、深く心からお見舞いする、というふうな話もあったところで。また、本日、このような場を設けていただいたことも、含めてですね、しっかり、あの、対応させていただきたい、というふうに思っております。
あの、時間の関係というところございますので、あの、簡潔にご説明をいたします。私ども、あの、資料の方。(着席を促されて)あ、よろしいですか。失礼します。
あの、「建設アスベスト訴訟について」という資料、あの、お出しをしてございます。あの、1枚目、おめくりいただきますと、あの、現状という全体像ということで、これはもう、あの、割愛いたしますが、全体で、まぁ、28訴訟、まぁ、進行していて、まぁ、えぇ、最高裁に上告、えぇ、6訴訟あるという状況です。
それから、個々の条件につきましては、これ、2ページにあります。これは、先ほどの、あの、弁護団からのご説明にもありましたけれども、えぇ、国の責任認められたもの、また、あの、一部、えぇ、最高裁の判決が待たれるもの、というのはあるという状況でございます。
次、えぇ、3ページ目でございます。これは、あの、建設アスベスト訴訟の、えぇ、賠償基準について、ということでございます。これも、あの、先ほど、あの、弁護団の方からご説明ございましたとおり、えぇ、これ、あの、高裁ごとにですね、あの、慰謝料基準額に、あの、ばらつきがございます。また、この基準額については、最高裁の決定の中では、特段、えぇ、触れられていないという状況でございます。えぇ、この辺り、えぇ、今後、どのようにしていくか。それから、あの、責任の範囲についてもですね、えぇ、損害の3分の1を限度とするもの、えぇ、それから、2分の1を限度とするものがあると、まぁ、こういう状況でございます。
次に、えぇと、4ページ目でございます。えぇと、4ページ目には、これは、あの、えぇと、原告団の、えぇ、連絡会のですね、あの、今日の資料にもございますけれども、えぇと、「基金制度の提案について」と、えぇ、資料から、私どもの方で、えぇ、簡単に抜粋、えぇ、整理をさせていたものでございます。まぁ、対象につきましては、えぇ、建設作業に従事した方を中心に、えぇ、対象としていく。まぁ、補償につきましては、えぇ、労災保険法による、えぇ、休業補償と、などについてはですね、これは、あの、当然、あの、該当する方はもう、お払いする、あるいは、している、ということでございますけれども。これとは別に、えぇ、身体的精神的苦痛に対する慰謝料と、まぁ、こういうふうに、私ども、えぇ、理解をしております。えぇ、給付水準については、先ほどご説明したところでございまして。えぇ、スキームについては、早期の救済を目的として、えぇ、訴訟の手続きを経ず、えぇ、基金を創設し、えぇ、補償金の給付手続、えぇ、企業の、えぇ、拠出金、えぇ、徴収を担う機構を設置することと。まぁ、こういったご要望だというふうに承っております。まぁ、財源その他については、えぇ、ここに、えぇまぁ、試算がなされているというところでございます。
で、次に、あの、5ページのところでございます。先ほど、ご質問の中で、「基金制度について」ということでございました。あの、今日、ご説明させていただきますのは、あの、これまで、えぇ、様々、えぇ、厚生労働省、あるいは、あの、それ以外の所管のところもございますけれども、えぇ、補償・救済制度について、あの、簡単に、あの、類型化をしたものでございます。まぁ、こういったものを基にですね、あの、しっかり今後、えぇ、えぇ、対応を検討していくということになりますが。簡単にご説明をさせていただきますと。
まず、一番左側に、「個別の訴訟提起によるもの」というものがございます。これは、あの、直近で、あの、「工場労働型アスベスト訴訟」、えぇ、これ、平成26年の最高裁判決を受けて、全体として、えぇ、原告の皆様方と和解をし、その和解の基準に基づいて、えぇ、実際には個別に訴訟を提起をしていただくと。で、訴訟を提起をしていただいた上で、和解の基準に則った形で、えぇ、疎明がなされて、えぇ、お互いに和解の、えぇ、ができればですね、訴訟の中で和解をして、和解調書ができれば、それに基づいて、もう直ちに支払いをすると。まぁ、こういった、あの、対応しているというものでございます。あの、これにつきましては、えぇ、個別の訴訟で、えぇと、あの、和解調書が基準になりますし、それから、あの、基金ということではなく、毎年度の当初予算措置ということでやっておりますので、いわゆる基金というものもございませんし、また、えぇ、格別の法律ということはあるわけではございません。
で、次に、えぇ、真ん中に、「法に基づき訴訟を提起するもの」というものがございます。これは、あの、前例として、「B肝」(B型肝炎給付金等支給特別措置法)と「C肝」(C型肝炎救済特別措置法(議員立法))がございますけれども。これもですね、あの、まぁえぇ、この、皆様方との、えぇ、様々の相談の中を踏まえて、えぇ、それぞれ特別措置法が、えぇと、制定されてございます。で、これは国に、これもですね、国に対して、個別に訴訟の提起をしていただいた上で、えぇ、和解をする。もちろん、あの、疎明の内容によってはですね、最終的になかなか折り合わないケースも中にはございますので、判決に至る、そのままケースもございます。えぇ、これに基づいて、えぇ、給付の申請をしていただき、えぇ、お支払いをするということでございます。で、これにつきましては、下にございますとおり、えぇ、独立行政法人などに基金を造成しているというものです。
それから、一番右でございますが、「法に基づき行政が認定するもの」として、えぇ、旧優生保護法、えぇ、ハンセン元患者家族補償金支給法、それから、石綿健康被害救済法、えぇ、公害健康被害補償法、これ、先ほど、あの、原告、あの、弁護団から、あの、言及があったかと思いますけれども、あの、こういったものがございます。えぇ、これにつきましては、えぇ、やはり、それぞれ法律が作られておりまして。えぇ、態様としては、あの、国に、えぇ、請求をしていただくということで、えぇ、当然、その、客観性を持たせるために、えぇ、国などに、えぇ、審査会などを置いてですね、あの、内容の審査をいただいて、えぇ、それに基づいて認定をする。で、えぇ、お金につきましては、えぇ、独立行政法人に、えぇ、基金を造成をして、そこからお支払いをするというものでございます。
あの、大きく分けますと、まぁ、こういった3つの類型があるかな、と思っておりまして。まぁ、今後ですね、あのまぁ、どのような救済が、えぇ、あるべきかということをしっかり検討した上で、対応してまいりたいというふうに考えております。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:14:55
はい。えぇ、続いてですね、えぇと、建材メーカーの、まぁ、石綿使用量を、まぁ、どれぐらいかという、まぁ、シェアとかですね、えぇ、そのあたりの資料は、えぇと、どうなっていますか。お願いいたします。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:15:15
えぇ、私、経済産業省住宅産業室の縄田と申します。よろしくお願いいたします。
えぇと、本日、あの、ご要望いただいております、建材メーカーの、えぇ、建材のシェアでございますが。えぇ、建材の種類ごとの統計はですね、えぇ、各工業会、えぇ、等でですね、えぇ、統計を取られているというふうには、お伺いしてるんですが。あの、実際に、その、メーカーごとのデータについては公表されておりませんので。えぇと、建材のシェアにつきましてはですね、提出できないということ、あの、この場の、で、申し述べさせていただきたいと思っております。
それから、あとは、あの、石綿の使用データにつきましてでございますが。こちらにつきましてもですね、現在、えぇ、現時点ではですね、あの、確認できておりませんので、えぇ、その旨、えぇ、申し上げたいと思っております。以上でございます。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:16:11
はい。えぇ、これを受けて、では。あ、国交省さんもありますか。はい。

【松家新治 国土交通省総合政策局観光政策課長】12:16:17
国土交通省の環境政策課長の松家と申します。よろしくお願いいたします。えぇ、国土交通省。(着席を促されて)あ、恐縮でございます。国土交通省におきましては、アスベスト対策といたしまして、えぇまぁ、さらなる被害防止の観点から、平成18年、えぇ、建築基準法改正させていただきまして、吹付アスベスト等の使用を禁止するとともに、既存の建築物等の吹付アスベストの除去等に対して支援を行うなど、対策を講じてきてございますけれども。当省、えぇ、建設、住宅行政、あるいは、建設業行政、所管して、担当も来てございますけれども。えぇ、建材の製造業につきましては、所管しておらないところから、えぇ、建材メーカーの示していただいた建材シェアであるとか、石綿使用量のデータについては、把握をしていないという状況でございます。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:17:07
えぇ、では、これを受けて、質疑応答に入りたいと思います。どうぞ。どうぞ。

【宮本 徹 衆議院議員】12:17:18
あの、先ほど経産省さんが、えぇ、工業会にはある、と。だけども、メーカーごとは公表されていない、と。経産省ご自身は、メーカーごとのも含めて、手にされてるんですか。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:17:39
えぇと、こちらの方でもですね、メーカーごとのデータはございません。

【宮本 徹 衆議院議員】12:17:44
それは、経産省から、じゃあ、求めていただいたら、提供していただける可能性があるんじゃないでしょうか。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:17:52
えぇと、それにつきましてはですね、あの、各工業会、これは、あの、任意の団体でございますので、えぇ、それぞれのところでの管理になっております。えぇ、従いまして、えぇと、今、現時点でですね、あの、私どもの方で、えぇ、求めて、えぇ、もらえるのかどうかというのは、えぇ、存じ上げておりません。

【宮本 徹 衆議院議員】12:18:14
求めていただけますか。まず、それをやっていないわけですよね?ぜひ、あの、これ、基金制度を創っていく上で、非常に大事な資料になりますので、えぇ、各工業会に対して、経産省さんから求めていただけますか。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:18:33
えぇ、そちらにつきましては、あの、持ち帰って検討させていただきたいと思います。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:18:39
いやいや、いやいや。あの、求めるかどうかというのは、えぇ、検討しないでもできると思うんですけれども。もう少し前向きな答弁がいただけないですか。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:18:55
えぇ、あわせて、えぇ、持ち帰って、ご検討させていただきたいと思います。

【近藤昭一 衆議院議員】12:19:12
どうも。あの、経産省さんね、今、あの、「持ち帰って」というようなことをおっしゃったけども。じゃあ、この、今、弁護団から提案をされているね、えぇ、その責任を、まぁ、割合をどう考えるか、という中で、重要なデータだというご認識はありますか。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:19:44
えぇと、現在ですね、まぁ、多くの建設アスベスト訴訟の関係はですね、あの、係争中でございますので、現時点ではですね、えぇ、私ども経産省の見解をお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

【川内博史 衆議院議員】12:20:09
任意の団体だ、と。工業会は、と。では、経産省所管団体ではないってことですよね?

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:20:18
えぇと、あの、任意団体につきましては、所管ではございません。

【川内博史 衆議院議員】12:20:21
うん。あの、そうすると、あの、厚労省からですね、あの、厚労省の方から、「大変重要なので、国会議員の方から、あの、資料の提出を求められているので、教えていただけるか」と。これ、メーカーごとに、あの、生産額を積み上げたものが、各工業会で発表されているですね、データになるわけですから。それはもう、「各工業会に、どういうふうに報告されているの?」ということを、あの、一般的な行政における、一般的な指導監督の権限をですね、行使していただいて、「国会議員団から、求められているので」ということで、あの、要請していただけますか。我々、「我々から要請されている」ということを言っていただいて構わないんですよ。まぁ、厚労省でも、経産省、どっちでもいいですよ。要するに、要するに、あの、「お願いしてください」っていう、こちらは、お願いなのでね。

【山田敏充 厚生労働省労働基準局労災管理課長】12:21:21
あ、すいません。厚生労働省でございます。あの、あの、いわゆる一般について、一般的な、その、メーカーについて、私どもも、あの、通常、所管とか、あるいは、関係性とか、あるいは、そういうチャンネルあるわけでもございませんので、なかなか、今、この場で、あの、色々申し上げることはできませんが。まぁあの、今日、あの、このようなお話があったということは、あの、経産省も聞いておりますので、また、よく、あの、相談さしていただきたいと思います。

【笠井 亮 衆議院議員】12:21:42
いいですか。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:21:44
お答えを。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:21:48
えぇと、今、厚労省の方からもございましたので、あの、厚労省とも相談させていただきたいと思います。

【笠井 亮 衆議院議員】12:21:54
あの、すいません。あの、経産省ですね。あの、あの、経産省は何か、よそごとみたいな話になってんだけど。元々ね、あの、「練り込んで管理すれば安全だ」って言って、経産省自身が推奨してやってきたわけじゃないですか。で、あの、石綿協会なんかは、こんなふうなパンフレット作って、「天然の贈りもの『アスベスト』」って言ってね、こんなの出してたわけですよ。それで、やってきたっていうことがあって、そういう結果として、こういう事態になって、先ほどから議論になっていることがあるんで。建材メーカーに対して、きちっと、あの、出させるというのは、当ったり前だと思うんですよ。ちょっとね、それ、やらなかったらね、一体、何のために経産省あんのか、ってなりますよ。反省もないのか、っていうことになるから。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:22:36
はい、どうですか。今のご意見。いかがですか。経産省。はい。

【川内博史 衆議院議員】12:22:49
それ、検討して、教えてね。どうするのか。うん。「検討します」が、決め台詞じゃ困るよね。

【縄田俊之 経済産業省製造産業局生産製品課住宅産業室長】12:22:54
あの、いずれにせよ、あの、持ち帰って検討させていただきます。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:23:01
はい。じゃあ、最後、お一方。

【福島みずほ 参議院議員】12:23:03
はい。はい。えぇと、これ、あの、議員立法でやるのか、閣法でやるのか。で、えぇと、もちろん議員立法でやるっていうのもあるけれども、ぜひ政府自身が責任をもって、えぇ、資料もきっちり収集して、閣議決定を経た政府提案立法として、ぜひやってほしいというふうに思ってるんですね。そうでなければ、超党派の議員立法でやることになるけれども、一刻も早い解決をやるべきだと私たちは思っている。もう、あの、生きてらっしゃるうちに救済をすべきだというので。その前提として、色んな資料を大至急、やっぱり私たちも事実を知りたいので、その、建材メーカーや色んなところに、経産省、言ってくださるようにお願いします。はい。

【尾辻かな子 衆議院議員】12:23:45
あの、もう国の違法性は、認定されているわけですから。あの、しっかり反省のもとに立って、資料を出していただきたい、ということを申し上げて。すいません。ちょっと、あの、次がございます。大変、あれですけれども。また、これ、出すかどうかというのを含めてですね、えぇ、このヒアリングを続けていきたいと思いますので。えぇ、はい。まずは資料を出していただくということで、えぇ、要請をしておきたいと思います。えぇ。
それでは、あの、今日、お忙しい中、あの、原告団の皆さん、そして弁護団の皆さん、ありがとうございます。しっかりと受け止めて、もう早期救済を、必ず基金を創るということで、えぇ、私たち、力を合わせて頑張ってまいりたいと思います。
では、締めの挨拶とか大丈夫ですか。はい。えぇ、それでは、あの、以上で終わらせていただきます。あの、ありがとうございました、皆さん。

【一同】12:24:32
どうもありがとうございました。



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