ランデヴー:2

10時に寝たのに2時に目が覚める。眠気もなくて動きも緩慢で床で横になりながらスマホをいぢって眠気を待つ。明日は4:30には起きなきゃならないのに、自分は何をしてるんだろうかと考えたら体が硬化して動けなくなりそうなので、特に何も考えない為にスマホをいぢる。パズルゲームのデイリーを終わらせたり、クリックで1ポイント!のリンクを踏み続けたり、そんな事を一通りやっていると嫌になってきて手元のワイヤレスイヤホンを充電ボックスを手探りで掴むと箱を開けイヤホンを耳に突っ込み瞼のシャッターを閉店させた。


「こんなのあるんだ」
スリーコインズをフラフラしながら、様々な便利グッズに目をやっていた。
「何これ?」
彼女はそれの柄を商品棚のステンレスフックから持ってくると僕に見せる様に二人の間に見せつけた。
「なんだろ?これあれじゃない?ボトル洗うやつ」
柄先にゴム製の松ぼっくりみたいな形のもさもさが付いている。昔よく見かけた、まっくろくろすけみたいな形のゴムでもさもさした、触り心地が何ともいえないおもちゃを連想した。
「あーそっか!でも、これでちゃんと洗えるのかな?茶渋とか落ちなさそう」
「でも、先の方はちょっととがってるから隅っことか洗いやすいんじゃない?」
「たしかにそうだけど、普通のスポンジで洗うからいいや」
「いつもどうやってんの」
「スポンジ突っ込んで箸で押し込んでグルグル」
「それじゃスポンジ取れなくなっちゃうじゃん」
「そこは箸で摘んで気合いで取るから」
気合いって、言いながら僕は笑いながらもさもさを撫でていた。


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