「育児」時短勤務論

木下さんのVOICYで時短勤務の話題で盛り上がってます。
コメント欄も熱くなってますね。
自分の昔の経験を思いだしたのでまとめておきます。


私の時短勤務時代


私が時短勤務をしていたのは、2000年代のことです。ちょうど育児のための時短勤務制度が世の中に導入されてから、それほど時間が経っていない頃でした。当時、私は医薬品メーカーで正社員として働いていました。産休・育休を取得し、第一子が1歳になるタイミングで、時短勤務を利用することにしました。

制度ができる前は、出産後も働き続けられるのは、実家のサポートが得られる人など限られた人だけでした。身近で優秀な先輩方が、出産を機に退職していく姿を見てきましたから、保育園に子供を預けながら働けるこの新しい制度がどれだけありがたいものか、身にしみて感じていました。産前と変わらず同じ業務とポジションを任せてもらえることにも、感謝しながら精一杯働いていました。

もちろん、仕事を家に持ち帰ることもありましたが、子供が寝静まった後に、家で静かに作業をすることもしばしばでした。
今思い返すと、本当に懐かしいです。
若かったし、エネルギーもありましたね。
限られた時間の中で、産前よりもずっと効率的に働けていたと思います。逆に言えば、それまでの私は、ダラダラと仕事をしていたことも多かったのかもしれません(笑)。
そんな私の働き方が認められたのか、よく社内で時間管理に関する研修の講師を担当してました。

2000年代の時短勤務事情


時短勤務というのは、育休明けの女性が取得するものでした。勤務時間は、5.5時間、6.5時間、7時間の3つのタイプから上司と相談して選べましたが、この細かい時間設定は今でも謎です。制度設計者の意図が何だったのか、全く理解できませんでした。保育園の送り迎えや通勤時間に合わせて選ぶということでしょうが、実際にはほとんどの人が最短の5.5時間を選んでいました。

基本給はそのままで、給料は勤務時間に応じてほぼ比例して減額されました。ボーナスも同じ扱いでした。人事査定に関しては、どの時間を選んでも無条件で最低ランクという扱いでした。
年収はおおよそ2/3以下に減少してしまい、そこに保育園代もかかるので、実際の手取りはかなり減ったなという実感がありました。

振り返って


木下ファミリーの多くの熱いコメントを読んで、自分の体験を振り返った感想です。

育児時短勤務は、女性が出産後も安心して復職できる環境を作り、育児と仕事の両立を図ることで、出産・育児をしやすい社会を目指す狙いで制定されました。それまで当たり前だった出産退社をさせずに雇用を継続するいう点においては、ある程度貢献したのではないかと思います。
しかし、制度には低賃金、低評価、マミートラックといった弊害が存在し、それが未だに解消されていないことには問題があります。
育児休暇を取得する男性が増えてきました。これは大きい進歩だと思います。今後は育児時短勤務を選択する男性が出てきてほしいと思いますが、相当の勇気がいるでしょうね。デメリットがあることを誰よりも知っているからなんだと思ってます。
母親だけが時短勤務しなくても、育児ができる世の中になってほしいです。
政治家や行政、会社の上層部が今の40歳台くらいの層にならないと難しいかな。


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