蓮舫とかジャーナリズムとか
蓮舫さんが都知事選に立った。
蓮舫の政治手腕については良く知りません。
ただ、彼女はジャーナリスト的なセンスがあると思っている。
その昔、蓮舫が事業仕分けの際に「2位じゃだめなんでしょうか?」と言って物議を醸したことがあった。
当時、随分叩かれた気がするけど、今回ネットで検索したら、
その後何年も経ってから「そんなに批判されるような発言?」
という意見も出てきたんですね。
ジャーナリズムの役目として、「本音をひっぱりだす」ことがあると思う。
そのために、嫌がられる質問をするのは有効な手段で、
ジャーナリズムには、叩かれることを覚悟で、わざと失礼な、嫌がられる質問をしなければいけないときがあるんじゃなかろうか。
たとえば、 原発再稼働の記者会見があったとして、
「今後、原子炉のある場所にお引越しの予定はありますか?」
と質問したら、再稼働を決めた人たちはどう答えるんだろう。
処理水放出に伴う風評被害についても、
「あなたはどこで獲れた水産物を食べているか」
さらに「家族に妊娠中の方や幼児がいるか」
ぐらいのことを聞いたら、どんな答えが返ってくるんだろう。
「その覚悟です」と答えるのか。
「ノーコメント」と無視するか。
「そんな質問には答えられない」と怒るのか。
嫌な顔をするのか、申し訳なさそうな顔をするのか。
質問した記者には、不適切な質問と批判が集まるかもしれない。
でも、「地元の人は不安を抱えているが、それについてどう思うか?」
と聞くよりは、再稼働させたい人たちの本音や覚悟が見える可能性が高い。
こんな質問をしたら、記者に批判が集まる(かもしれない)
もしかしたら会見場からつまみ出される(かもしれない)
そうなったら元も子もないから、問題提起をする時に無難な言葉を選ぶ。
でも、無難な質問には無難な答えしか返ってこなくて、
問題提起にはならないんじゃないだろうか。
一言では答えられない質問をするのは、相手の本気を見極めるためには必要なことだ。
いやな言い方で癇に障る質問をするのも、本音を引っ張り出すための
一つの技術だと思う。
普通に生活する上で、「言い方」はとても大切なこと。
言い方には人間性が現れるしね。
でも公の場でジャーナリストが質問する時には、
その記者の質問とその記者の人間性は同じじゃない。
それをごっちゃにすると、今度は記者が叩かれることになる。
仕分けの件も、「本気で一位めざして頑張ってますか?」と聞いたなら
全員が「もちろん」と答えて終わりだっただろう。
「二位じゃだめなの?」と言われたからこそ、慌てて襟を正した団体もあると思うよ。
個人的には、蓮舫さんはトップに立つよりも
外からあれこれ質問して、トップが妙なことしないよう
見張る係りでいてほしいかな。
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