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アズールレーン 戦艦土佐 を組む(第一回)

本記事に掲載されている内容、写真は全て無断転載禁、無断使用止です。

ソシャゲ アズールレーン より 戦艦土佐の彩色レポートです。ガレージキットディーラー「蟲骨プパ」さん原型のキットを彩色見本としてペイントしましたので、できるだけ魅力やポイントなどをお伝えできればと思います。

その前に、ガレージキットとはなんぞや?と思う方もいらっしゃると思うので、こちらをご一読いただけると、より理解が深まるかと思います。

さて、それではまず彩色完成写真からご覧ください。

以下に、掲載する完成品写真は著作物であるため使用許可をいただいた上で掲載しております。

原型:蟲骨プパ氏
塗り:わたし
撮影:Nine氏

アズールレーン戦艦土佐
戦艦土佐 煽り
戦艦土佐 俯瞰1
戦艦土佐 俯瞰2
戦艦土佐 全身

とても魅力的で、且つモチーフのイラストの特徴をよく捉えたデザインに仕上がっています。

今回彩色したガレージキットは、3Dプリンタ出力品のキットとなります。最近では珍しくなくなりましたね。いくつか種類や方式のある3Dプリンタ出力品のうち、光硬化レジンを使用したキットになります。

3Dプリンタ出力品についてちょーざっくりとした説明を。3Dプリンターと呼ばれる出力機を用い、液体若しくは固体、粉体と言ったマテリアルを使用したもので、少しづつ出力して成形するキットになります。

広く普及しているレジンキャスト品とはだいぶその素性が異なっています。詳しく知りたい方は、インターネットや書籍、プリンターメーカーから情報を得ると良いかと思います。

さて話を戻します。光硬化型の3Dプリンタ出力品は、サポートと呼ばれる物体を保持させるための補助材がついています。あらかじめ生成者の方で除去してくれている場合を除いては、基本的には全てのパーツについてると思っていいでしょう。特に小さいパーツや細いパーツなどは、破損防止やゴミと間違えたりしないようにサポートがついているのが一般的です。

パーツにサポートが付いている状態
取り外されたサポート

従来のウレタンレジンとの違いが、このサポートの有無でしょう。

従来のレジンキャスト品と比べてみましょう。

従来からあるレジンキャスト品

レジンキャスト品(以降キャスト品)は液体レジンを成形型に流し込んで形成する方式です。成形型の特徴である湯口というプラモデルのランナーにあたる部分があります。

そして、型はサンドイッチのようになっている為、多少なりとも合わせ目が生じます。
型の中にはいろいろな種類や手法があり、ここでのサンドイッチ型は代表的な例として取り上げました。2023.08.02追記

右側が未処理
右側が未処理

なので、レジンキャスト品はこの合わせ目や湯口を取り除き本来の形に整えるのがメインになります。上の写真は、右側が未処理、左側が処理された状態です。

時には気泡と呼ばれる泡状のクレーターが生じていたり、パーツの欠損が生じたりします。

液体が流れきらなかったために陥没となっている
化学反応過程で気泡が生じることがある

これらを埋めてあげて整えてあげます。

次に3Dプリンタ出力品です。

サポート除去した後と表面処理をした後

いきなりショッキングな絵面ですが、サポートを取り外す前後の比較写真です。
サポートを除去すると、サポート痕と呼ばれるポッチやクレーターがサポートの分だけ現れます。また、積層して形成するために、積層ズレが僅かに生じます。3Dプリンタ出力品では、これを表面処理するのがメインとなります。写真右はサポートをむしった状態。左は表面処理が済んだ状態です。光硬化レジン出力品の場合、サポートがついているわけですが、上のようにむしって除去するのはお勧めしません。材料が深くえぐれてクレーターになり、表面処理の手間が格段に増えます。除去はニッパーなどを使用して丁寧にカットすることをお勧めします。余談ですが、むしってもポッチやクレーターが殆ど発生しないキットも存在しますが、ごく一部なのでニッパーなどを使ったほうが良いです(笑)

拡大すると積層の具合がよくわかる

この積層は、機械の特性で良くも悪くも働き、酷いものになるとギザギザしているのが目視でわかるほどです。これを整えるのは相当骨が折れますから、なるべく避けたいところです。

誤解されやすいのですが、3Dプリンタ出力品も気泡や欠損が生じる事はあります。理由は様々ですが、大抵の場合はモデリングデータや機械の設定が要因であることが多いようです。ただ、そう言ったものがない素晴らしいキットもちゃんと存在しますので、ここは頑張っていただきたいところ。

仮組

仮組

キャスト品と同じで、3Dプリンタ出力品も仮組は必要です。使用している機器やレジンの品質、硬化機の具合によって収縮が起きたりします。サポートを除去した後や表面処理を実施した後、塗装途中など、ガレージキット工作は仮組をこれでもかというくらいします。

余談ですが、光硬化レジンは水に弱かったり熱に弱かったり溶剤に弱かったりするものもありますので、これまでのガレージキットで容易にできていたことが実は難しかったり、できなかったりします。ですから、キャスト品でできていたことが同じようにできると安易に思わないようにしてください。因みに、耐水性、耐熱性、耐溶剤性に優れたレジンは材料のお値段がべらぼうにするため、イベント頒布品では品質がそこそこで扱いやすいコスパ重視の良いレジンが使われていると思って良いでしょう(中には利益度外視で硬化で高品質なレジン使う人もいます)。

プパさんが使用しているレジンはシラヤテック製のメカホワイトというマテリアルを中心に、いくつか用途と靭性を検討して使い分けています。素体のほとんどをこのメカホワイトが占めています。密度がありしっかりした石のような重量感があり、耐薬品性能や耐摩耗性能に優れているらしいです。収縮についても特に気にならなかったです。気になる型は調べてみてくださいね。

今日はここまで。

なお、こちらのキットは現在BOOTHでも取扱中です。
気に入ったらチェックしてみてくださいね。

第二回の記事はこちら


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