見出し画像

電子体温計の計測値に注意しよう

電子体温計を使っている人は多いと思うが、最近の機種は場合によっては気をつけて使う必要があるのをご存知だろうか?

【電子体温計は正しくない?】
まず、多くの電子体温計では、数十秒で計測完了のブザーが鳴るのだが、実はそのときに表示される体温は、正しくない場合があるのだ。最初のブザーが鳴って、そのままにしていると、おおよそ10分で「正しい体温」が出てブザーが鳴る。

【「予測値」と「実測値」と身体の個性】
多くの「計測時間短縮」を謳う電子体温計最初のブザーは、要するに「予測体温」で、10分後のブザーは「実際に測った体温」が出る。しかし、人のからだの個性や状態によって「予測体温」と「実際の体温」が、かなり違う場合があるのだ。例えば、自分の場合は、だが、予測では36.5℃なのだが、実際は35.5℃ということが何度もあった。体調にもよるし、その人の置かれた状況、身体の個性にもよるのだが、予測値と実際の値が同じになることもある。

【時間があれば10分かけよう】
一度、朝の寝起きで時間があるとき・就寝前に時間があるときに、10分かけて実際の体温を計測しておくことをお勧めする。

【予測値と実際の値にはなぜ差が出ることがあるのか】
数十秒で計測完了になる「予測体温」は、体温計が体温に応じて温度上昇の過程にあるときに、実際の体温と同じ温度に体温計のセンサーの温度がならないうちに、予測で10分後の体温を表示する。しかし、実際には10分くらいで体温計のセンサーと体温が同じ温度で一定になる(これを飽和という)。そこでやっと「本当の体温」が表示され、2度目のブザーが鳴る。そんな仕組みなのだ。

【看護師さんにお願いしてみたが】
ちなみに、手元にあるオムロンのものは「予測」と「実際」の差は0.6℃ということが、自分の場合は多かった。テルモのものは、だいたいその差は0.4℃あった。電子温度計の製造会社によって、予測の体温表示のプログラムのアルゴリズムが違うのだ。この時の値の違いは、自分の場合だけどね。

病院と行き来して入院が長かったときに、一度看護師さんに「こういうことがあるので、一度だけ長く体温を測ってください」とお願いしたことがあった。看護師さんは朝の体温計測などは日常業務で、多くの人の体温を測るから、数十秒の体温計測が10分になるのは、今さら耐え難い。その結果を見て、看護師さんは驚いていた。が、今さら「これからは10分計測とする」なんてわけには行かない。しかし、37.4℃と計測された体温が実際には36.8℃であるとしたら、それは後々の医師への報告と判断にも影響が出ることがあるだろう。さて、どうするのか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?