家でも集中しやすい机をつくります
『Switch Furniture』というインテリアブランドをはじめました。お家でもっと集中して作業したいリモートワーカーの方々を対象に、暮らしと仕事のオンオフを切り替えやすい空間体験を家具を通してつくっていきます。
このnoteでは、僕たちがどんな考えでこの事業に至ったのか、どういう世界観を目指しているのかについて書きたいと思います。
原体験: リモートワークで抱えた課題
僕たちは2017年6月にiOSアプリ開発で始まった会社です。最初に挑戦した自社サービスは当たらず、2年目からはWeb制作を中心としたクライアントワークに移行しデザインを食い扶持にしてきました。
仙台での創業、かつオフィスがなかったこともあり、自ずとリモートワークで取り組める案件を中心にお請けしていくことになります。幸いお仕事は一定数頂けたのですが、制作に取り組むなかでリモートワーク特有の作業環境へのフラストレーションが溜まっていきました。
自分は家で作業したい派なので1Kの自宅でずっと引きこもって仕事するのですが、家の中はどうしても誘惑が多くてメリハリがつけづらく、あまり生産的に過ごせないまま深夜までダラダラと調べ物してしまったり、そのままお布団の引力に吸い込まれてしまうようなことがあり、慢性的に課題意識を抱えていました。
カフェやファミレスに行くのも気分転換には良いのですが、長時間の作業を考えると椅子が合わなかったり電源やWi-Fiがなかったりするし、その都度飲食代がかかるのももったいないので、なるべく家でやりたいのが本音でした。
つまるところ、現状の一般的な家では仕事で最大限のパフォーマンスを発揮するような空間体験は構築できておらず、意思が弱い自分にはオンオフの切り替えを促してくれる何かが必要だという気づきを得られた体験でした。
やりたいこと: 空間デザインへの回帰
一方、制作の傍で自社事業のアイデアも考えては潰してを繰り返していました。当時は仮説検証と言い聞かせ、思いつきのサービスを中途半端につくっては早々に諦めて畳んでいました。それを繰り返すうち、このやり方は応援してくださる方にもご利用いただく方にもすごく失礼なことだと感じるようになりました。
腹を決めて何かをやらないといけない。原点に帰ってそう考えた時、自分はWebサービスよりも空間デザインの方がやりたいということを思い出しました。
大学で建築をかじっていたこともあり、インターネットとリアルを混ぜた事業にはずっと関心がありました。DIYで施工も少しやっていてモノづくりもやりたかったので、ますます空間デザイン事業へのモチベーションが高まっていきました。
市場: 家とオフィスの変化に張る
それから自分たちはどんな空間をつくるべきなのか色々と考えました。弊社は新時代の都市デベロッパーになるというビジョンをささやかながら掲げているので、大手デベロッパーが抑えている住宅とオフィス、すなわちライフスタイルとワークスタイルに関わる領域に焦点を定めていくことにしました。
そして、自分たちの経験から、リモートでのWeb制作で感じた家のワークスペースとしての空間的課題にフォーカスすることに決めました。
今後フリーランスはさらに増加していき、ワークスタイルがより柔軟になっていく中でリモートワークやテレワーク、在宅での働き方はますます一般化し、テクノロジーがさらにそれらの変化を後押ししていくはずです。
そんな未来では、自分と同様に家で仕事したいのに集中できないという課題はより深く大きくなっていくのではないかと思います。また、Web系のフリーランスの気持ちがわかり、空間デザインをやりたい自分がこの課題に取り組む必然性は大きいのではないかと考えました。
これからの時代は従来の当たり前であった通勤スタイルは薄れ、モビリティの姿も変わり、オフィスのあり方、家に求められる機能や形態も変化が起こるはずです。少し大げさに言えば、家とオフィスの境界が融け、都市構造自体すらも変化しうるのではないかと感じています。
自宅を拠点に制作活動を行う環境で抱いた「家はこれからオフィス化していく」という仮説。そして、その未来予想と現状の空間体験とのギャップ。これらのまだ顕在化していない市場ニーズに対応した製品をつくって、30年スパンで家とオフィスの変化に張りたい。そんな想いで『Switch Furniture』をやっていければと思っています。まずは机から、がんばります。
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