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営業の類型とBtoB Salesの立ち位置

人生万事塞翁が馬、noriharaです。

高広先生の下記の記事を引用しつつ、BtoB Salesにおける類型の全体像を明らかにしておきたい。

1. Order Takers: 客を説得して商品を買ってもらい売上を伸ばすという責任はない。そうではなく、客側の注文を適切に会社に伝えてデリバリーする役割の営業 =お客さんが purchase ready な状態に対応する営業
1-a: Inside Order-Takers : 客側が商品選択を自由に行い、そして客が買いたいものについて、代金の受け取り、商品の引き渡しを行う役割。=電話で客の注文を受け、フィールドセールスをサポートするテレマ・セールスのスタッフなど。
1-b. Outside Order-Takers: 客先のところに出向いて、例えばノートパソコンやタブレットを使って客の注文を取る。積極的に客側を説得し購入につなげる役割ではない。=三河屋さん・御用聞き営業
1-c. Delivery Salespeople: 商品の引き渡しに特化。注文数の増減は客側の意思決定であり、客を説得し購入につなげる役割ではない。しかし、この役割は客からの信頼性etcの獲得につながる。
2. Missionary Salespeople: Missionary Salespeopleは、企業の開発思想や商品の使われ方などの”布教”活動を行う営業人材。注文を取る役割はもたないが、客に企業や商品に興味をもたせる役割。製品に関する情報の普及に携わり、会社への好意度を高め、製品について客に学んでもらうことを支援する。
3. Order-Creators/Demand Creators: 客側が自らオーダーをする、デマンドを生み出す、といったことに特化した営業人材。主に購買の初期段階にいる見込み客に対して、どのようなモノやサービスを買えばいいかを具体化する支援を行う。 また、新しい市場・新しい商品の需要創出もこの役割。
4. Order-Getters/Front-line Salespeople: いわゆる”営業”としてイメージされるのはこれ。客を説得し、商品やサービスの購買を促し、オーダーを獲得する。積極的な営業で売上に貢献することを目指す。
5. Support Salespeople: プリセールス、アフターセールスなどの各フェイズでセールスを支援する。

営業の類型というものついて
https://note.com/mediologic/n/n92110e541087

上記の分類のうち、1. Order Takersについては、顧客側が主体であり、Sales側が受け身であるため、Enterpriseを念頭に置いたBtoB Salesでは該当しない。SaaSのBtoB SalesでもSMBをターゲットとしている場合には、該当するし、如何に効率よく受注を積み上げるかという話題はありうる。
残りの分類について、「カスタマーパス」と「立ち位置(ターゲットとミッション)」の2軸でマトリクスにしてみるとこうなるだろうか。

営業の類型のマッピング

この類型では正直、2と3の違いが分かりにくいが、説明文を見る限りは、受注するミッションを持っているかどうかの違いと理解した。
3と4についても正直違いが分かりにくいが、3に「購買の初期段階」という説明がされているため、カスタマーパスに基づいてマッピングをしてみた。カスタマーパスの詳説はしないが、「顧客が課題や機会に向き合い、情報を収集し、決定を下し、ソリューションを導入するプロセス」のことと理解されたい。
また、5とそれ以外でSalesと言ってもそもそもの役割が違うのは、誰に向かって仕事をしているのかという要素が大きそうだ。
そうすると、「カスタマーパス」と「ターゲット」と「ミッション」を見ておけば、おおむねMECEにマッピングができると思われる。

上記のようにみたときに、2. Missionary Salespeople5. Support Salespeopleとは、カスタマーパスの全体にかかわっている。一方、3は認識フェーズ、4は購買フェーズが主戦場であり、導入フェーズになると、BtoB SaaSでは、カスタマーサクセスの主戦場に移っていく。とはいえ、導入フェーズでもSalesは存在する。このフェーズでは、需要の喚起から刈り取りまで、一貫して求められることを考えるとSales分類においては3と4の両方が担当することになるだろう。

本noteで取り扱っていくBtoB Salesの関心領域は、上記類型に照らし合わせると、2.3.4.ということになる。

2はエバンジェリスト、3はインサイドセールス、4はフィールドセールス(アカウントエグゼクティブもほぼ同義)といった職域だが、3の求めている役割と、一般的にインサイドセールスと言った時に想起される役割に乖離があるように感じる。この部分は、インサイドセールスの型化を進めていく中で、深めていくことができるかもしれない。
なお、2はエバンジェリストとか持ち出すまでもなくてSalesではなくMarketingではないか?という話もあると思う。3.4.が具体的な相手がいて、地上戦を戦うイメージだとすると、2.は広く情報発信をしていくような空中戦になることもあり得る。ここでは、2.についてもとりあえず、目の前に顧客がいてその人たちとのコミュニケーションをとる地上戦よりの発想で分類した。

まだ未整理の論点もあるが、今日のところは以上。

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