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国家の枠を超えた「市民の声」こそが力になる

3月4日、日本のNGO支援を行うJANIC(ジャニック)から、ウクライナ情勢に対し、市民の声を上げていこうという声明が発表されました。私たち、NPO法人ETIC.(エティック)も賛同者として連名しています。

私の声は何だろう。自分の声に耳を澄ませてみました。
出てきたのは、「平和のために自分ができることって何だろう」と「何でこうなったのか知りたい」でした。

自分自身がウクライナ情勢に疎かったので、まずはちゃんと学ぶ。そして、それを子どもたちに伝える、というのが、今できる小さな一歩かな、と実践してみました。

■YouTube動画で、子どもとウクライナ情勢を学ぶ

「今、ロシアがウクライナっていう国を攻めてるんだけど知ってる?」

数日前、夕飯時に、子どもたちに聞いてみました。ニュースで聞きかじったり、学校の友達が話していたりで、少しだけ知っていました。

我が家のリビングには世界地図が貼ってあるので、ロシアとウクライナの位置を確認します。「ロシアってめっちゃでかいね」「ウクライナは小さいのに、攻撃したらいじめじゃん」と、子どもたちが言います。

「何でこうなったのか、お母さん、すごく知りたいと思って少し調べたんだけど、2人にも話したいから聞いてもらってもいい?」

と、子どもに提案。中田敦彦さんのYouTube大学で勉強したことを伝えたら、「え?ママが話すより、動画を見た方が分かりやすくない?」
と、ごもっともな意見を子どもたちから言われ(笑)、食卓にあるティッシュ箱にスマホを立てかけて、夕飯を食べながらみんなで見ることになりました。

なぜロシアはウクライナに攻めたのか。NATOとは何か?ウクライナ情勢が日本にとっても対岸の火事じゃないのはなぜか?

NATO=納豆、というレベルの知識だった子どもたちだけど、中田さんの動画と私との対話で、だいぶ理解が深まりました。子どもに話すことで、私も整理されました。

「広島の保育園のとき、原爆ドームに千羽鶴持って行ったでしょう?ここ数十年が平和だっただけで、その前はずっと戦争してたんだよ。日本も。どうしたら、同じことを繰り返さないでいれるんだろうね」

向き合う形じゃなくて、3人で世界地図を見て話します。リビングに貼られた世界地図は、落書きだらけでヨレヨレだったけど、捨てなくてよかった。

■ロシアからの視点を知る

日本に流れてくるニュースは、欧米目線での視点が多いのだそう。ロシアはどういう論理で動いているのか。それを解説した動画も視聴しました。(こちらは子どもには難しそうなので、私ひとりで)

この動画は、ファシリテーターの青木マーキーさんの記事で知りました。

動画で、第二次世界大戦時の独ソ戦で、ソ連は2,700万人の人が亡くなっている、と説明され、その数字に驚愕しました。日本の第二次世界大戦の戦死者は300万人。いかに凄惨を極めたかが分かります。

ソ連は戦時中に方々から隣国に攻められた経験が、味方を隣国に置く重要性につながり、「ウクライナは絶対に渡せない」につながっている、のだとか。(歴史的につながりが深い、となど他にも多々あるそう)

だからといって、絶対に武力侵攻が許されるべきではありませんが、自分と意見が異なる相手の背景を理解することは、とても大切なことだと思っています。

■これからの日本を考える上で大切なこと

前段の動画の最後に、豊島さんがこう話します。

「我々が、今日こんにち、良い事だ、正しい事だと道徳的な判断で下す決定が、必ずしも長期的な世界の平和をもたらすわけではない」

歴史を紐解いていくと、たくさんのリーダーが自分の信念と正義に基づいて決定を下してきたことが分かります。そして、あるひと時に下された決定は、何十年も経ってから起きる、別の問題の伏線になっています。

ウクライナ情勢を受けて、日本でも様々な防衛の議論が沸き起こっています。それぞれに、声を上げる人の正義があります。議論が起こるのは良いのですが、怖いのは、世論の一時期の風で、大事な決定が一気に決まってしまうことです。

重大な決定が、知らぬ間に決まっていたなんてことがないように。無関心にならないこと。歴史を知ること。声を上げること。周囲の人と対話すること。

時に国家が生み出してしまう理不尽な暴力の連鎖を断つためには、国家の枠を超えた「市民の声」こそが力になる。(『世界にあなたの声を』より)

子どもたちに、平和な世界を渡すにはどうしたらいいのか。今を生きる大人として、向き合っていきたいと思います。

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