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散らかるキャリアと積み上がるキャリアは何が違うのか?

転職回数が不利に働く人もいれば、転職によってキャリアアップをしていく人もいる。散らかるキャリアと、積み上がっていくキャリアは、何が違うのかー。

GWでふと見つけて読んだ本で、その答えが少し垣間見えたのでまとめてみます。


プロティアン・キャリアとは?

プロティアン・キャリアとは、社会や環境の変化に応じて柔軟に変わることのできる変幻自在なキャリアのこと。1976年に、米ボストン大学経営大学院のダグラス・ホール教授が提唱した概念だそう。(思ったより前からある概念なんですね)著者の田中さんは、次の3つをプロティアン・キャリアのポイントとして挙げています。

✔ キャリアは組織に預けるものではなく、自分で育てるもの
✔ キャリアは昇進などの結果ではなく、生涯を通じた過程である
✔ キャリアは変化に応じて、自分で変えることができる

キャリア=仕事と考えがちですが、家族との関係やプライベートも、全てを含んだ人生のプロセスです。

プロティアン・キャリアを形作る3つの資本

キャリアとは、生涯を通じて学び続けることで蓄積される「資本の総体」であり、キャリア資本は、ビジネス資本(スキル・知識)、社会関係資本(人的ネットワーク・家族・友人)、経済資本(金銭、不動産など)の3つから形成される、と説いています。(解説動画もあったので貼り付けておきます)

自分の時間やお金を投資して、いつまでに、どれくらい、どの資本を増やすのか?を考えることがキャリア戦略になります。
動画の中で、「過去の反省はやっても、未来のことを考えるのは苦手な人が多い」と語られていますが、確かに考えようとしても手が止まる感覚、あります・・。まずは、今の資本を客観的に書き出すことからのスタートだそうです。

場所を変えるなら、何の資本を積み上げるのかを明確にする

プロティアン・キャリアの根幹を支えているのは、「場所を変える」ことではなく、場所を変えながらビジネス資本の「何を蓄積していくか」ということです。この軸を見失うと、一見、プロティアン・キャリアを構築しているように見えても、ただ単に迷走しているだけ、ということになりかねません。

引用元『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最高のキャリア資本術』

冒頭で書いた問い、「散らかるキャリア」と「積み上がるキャリア」の違いは、転職することで、何の資本を積み上げたいのか?を明らかにしておく、ことなのだと思いました。

「人事領域でプロになっていきたいから、採用の経験を活かしつつ、労務や人事制度の経験も積めそうなところを選ぶ」
ということだったり、
「今は子どもが小さいから、プライベートの社会関係資本(家族)を最優先できる環境の職場を選ぶ」
ということもあると思います。

正解があるわけではなく、自分でちゃんと認識、納得しておくことが大事。そして、「自分が優先したい資本がちゃんと積める環境か?」は、入職後にギャップが生まれないよう、出来る限り調べておくことも大切な要素だと思います。

キャリアの迷走を防ぐために

今の職場に不満があると、その不満を分かりやすく解消してくれる転職先を探しがちです。
「給料が安いから、給料が高いところへ」
「人間関係が悪いから、仲の良い職場へ」
などなど。

それがうまく機能すれば良いですが、「給料が高いところを選んだ結果、仕事内容が全く自分に合わなかった」とか、「人間関係は良いけど、長時間労働で疲弊する」とか、これまでの職場で恵まれていたところに転職してみて初めて気付いて、「こんなはずじゃなかったー!」という事態に陥ることって、往々にしてあると思うのです。

表面的な「嫌なこと」を解消してくれる選択肢ではなく、「何の資本を積み上げたいのか?」という視点で、次の職場を選ぶのは、キャリアの迷走を防ぐ上で大切な観点だなと思うのでした。

そして、何もかも完璧な職場なんて存在しないので、お客様然とならずに「どうしたら一緒に良い組織をつくれるか?」という視点も、忘れずに持っていたいと思います。


サポートしていただいたら、「社会を変える、未来をつくる」仕事をしている皆さまのnoteを探して”サポート送り”しようと思います。