見出し画像

専門医受診①: POTS →スモールハート(小心臓)

勘の良い皆さまはもうお気づきだろうけれど、タイトルは息子①の診断。

「息子①くん、今の学校は息子くん自身の希望ですか?」診察室に入って最初の質問は驚くほどシビアだった。「一応本人の希望ではありますが...、辞める事も相談してみましたが本人却って寝込みましたので....」しどろもどろになる母。「通常なら、公立への転校をお勧めするレベルです。少なくとも、1時間以上もかけて通学できる身体ではないですよ」ピシャリとDr。

衝撃だった。彼の心臓は、通常の7割ほどしかなかった。そりゃしんどいに決まってる。血液が十分送り出せないのだもの。頭を横から不意打ちで殴られたような衝撃だった。

スモールハート(小心臓)と言うらしい。「血液が全部足の方に溜まってしまうので、心臓は十分な血液を溜めれなくて、ちっちゃくなっちゃうんですよ」

#POTS (体位性頻拍症候群) は、身体が急激な成長する時に自律神経と言う身体のバランスをコントロールする神経の成長が追いつかず、心臓が十分な血液を送れなくて足に血液が溜まる。この結果、朝はなかなか起きれないとか、夜になったら元気になるとか、夜は「やるやる」気軽に約束した事をやらないとか、親に申し込みさせた講習を朝にドタキャンするとか、不登校になるとか色んな問題が急に出ては治り、突然「怠け者」になっては戻りを繰り返す。

その間にも静かに症状は進み、そのうち太陽が眩しいとか、目があけられないとか言い出して、頭痛や目眩、吐き気や耳なりを訴える頻度が増え、さらには腹痛、「少し吐いちゃった」とか不定愁訴のオンパレードになっていく。これを読んでいるあなたが、今もしかしてちょうど「うちの子、ちょっと症状多すぎるんじゃないか?」「メンタルが弱すぎるんじゃないか?」と思っていらっしゃる保護者さんなら、かつての私と全く同じ状況にあるかもしれないので、ぜひODの「ちゃんと診断できる」病院に連れて行ってあげて欲しいと切に思う。

ある年の夏休み明け、1週間の不登校。

それが翌年、1ヶ月の不登校に変わり、

さらに翌年、とうとう学校に行けなくなった。

3年かけて息子の心臓は、少しずつ少しずつ病魔に蝕まれ小さくなって行ったのだ。

少しでも早く、気づいてやれたら良かった。同時に、ここにたどり着くまでに一体何件のお医者さまに会っただろう。あとどれだけかかるのだろう。もどかしい思いが、澱のように浮かんでは沈むのを感じた。深淵なる池のようとは言わないから、せめてかきたま汁のように、澱もまた滋養となりますように。

この場をご覧になってくださってありがとうございます。サポートして下さったお金は全て、不登校からのゲーム依存への進行予防や、回復のための社会支援に大切に使わせていただきます。(使途を決める際に、記事を読んでくださっている方々のご意向をお伺いするノートを作成します)