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青学WSD32期 受講修了しました

2019年8月16日〜12月1日まで青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラムに通い、晴れて修了いたしました。3か月間ほぼ土日に終日学び続け、レポートも20本以上!書くという、自分一人では決して過ごすことができない、とても素敵な時を過ごすことができました。
http://wsd.irc.aoyama.ac.jp/

多くの修了生たちが体験談と経験則を語られておられるので、私も見習って「私視点」での学び、気づきを書き起こします。

ちなみに私のRice workはトレーナー/ファシリテーターでして。しかもまだ駆け出しということもあって日頃の仕事では、他の方が作った完成度の高いプログラムを受け取って、開発者、設計者の意図を汲みながらファシリすることが多いわけです。
ということで、上流工程=開発・設計を体系的に学びたいと考え、WSDに参加しました。なんて言ったってワークショップ「デザイナー」養成プログラムですから。

そして学びで得たことについて。
「定義」「プログラムデザイン」「ファシリテーション」の3点について振り返ってみます。

■まずもって、「定義」から。
「ワークショップの定義」を定めることができたことが感謝です。
それは、「コミュニティ形成のための他者理解と合意形成のエクササイズ」というもの。
そもそも、
・短時間・一時的なの集合の場だけで、すべてが劇的に変わるわけではない
・所詮人間、他人同士、相互理解ができると思っていること自体が思い上がり。
 互いに違う、異なる、という前提に立ち、対話(≠会話)を通じて、共通点を見出していくということを端的に表しているな、と。

■次に、プログラムデザインについて。
学習設計において、活動内容/学習目標/最終目標を「何のために、何をするか」と定めるわけですが、
ワークショップ当日に到達するのは学習目標までで良い、その時に気づきを得ていれば最終目標に到達しうる可能性は十分にある、という発想がとても良いなぁとしみじみ受け止めています。
しかも、参加者に対して、そして行なう目的に照らして「マッチングとフィット感」が大切だ、と。
私の理解では、マッチングを意識してプログラムデザインを行い、フィット感については、ファシリテーションを通じてアダプト、アジャストしていく、という受け止めです。

■三点目は、ファシリテーションについて
参加者とワークショップの目的とのフィット感を高めるために行なうのが、
・見取る(看取るではない)
・働きかける
の2つです。
この2つ、近しい言葉で既に知識としては知っていたものの、頭での理解から体験を通じて、抽象度高い経験にまで昇華できたことがとても感謝です。
おかげで、今後自身で再現ができるようになりつつある、大きい学びの経験でした。


もう少し具体的に溶かして(≠砕いて ※)いくと、
「見取る」には、「観察」と「推察」がありまして、
「観察」(事実をよく見る、発言、表情、態度、仕草など)を通じて、
「推察」(観察結果の意図することを汲み取る、次の言動を予測)するわけです。
その上で、
「働きかける」(予測した次の言動を踏まえて、ファシリテーターとして、ラーナーとオブジェクトを近づけていく。

この「見取って、働きかける」を概念的に表しているのがF2LOモデル。
F2LOモデルは、シンプルに、しかしとても奥深くワークショップの状況を表すことができます。
F2LOとは、Facilitatorと、2Learners(複数の学習者の最小単位)と、Objectの頭文字です。

上記の「見取って、働きかける」においては、
ファシリテーターたる私が、学習者同士の距離を近づけることと、学習者とオブジェクトの距離を近づけていくこと、
それがまさに「働きかける」ということになるわけです。
そして最後はファシリテーターは離脱する、と。もちろん生き物であり、都度、異なる化学反応が起こるわけですから、
「見取る:観察と推察」も極めて重要なわけで。ここは場数なのかもしれませんが、理論の裏付けのない場数は「苦行」になりかねず。
積み重なる「修行」にするには、理論の会得、しかも体験的に学習しておくことはとても大切な事でした。

※溶かして(≠砕いて)について。
ワークショップ冒頭にアイスブレイクをすることってありますよね、
しかし想像してみてください。「氷をブレイクする、砕く」様子を。
時にちょっと乱暴な感じになるかも、ですよね。
そこで温めて少しずつ動いて「氷を溶かす」。アイスメルティングって、いい言葉だな、と思っております。

本当はもっとたくさん学んでいるし、書きたいこともたくさんあります。
しかし、初回講義で苅宿先生が仰っていた言葉が頭の中に響き渡っています。

「そんなに一生懸命メモしても、使わないから。本当に自分にとって大切な事だけが残ればいいんですよ」と。

知って満足することなく、行なって満足する、会話のレベルに満足せず、対話の場を作り出すことを目指し続ける、
対話の場づくりをあきらめないで行なえるような存在、対話の灯を着けていくことを私のLight Workにしよう、そんな存在でありたいと思っています。

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