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スモールフィールドにおけるGK技術

最近、散々話題にしている「スモールフィールドにおけるGK技術」の話ですが、ここで徹底解説していきたい。

まず「スモールフィールド」の概念についてだが、僕は本来の意味とは違う使い方をしている。ここでいう「スモールフィールド」とは「GKを含めた複数の選手がゴール前でプレーに関与している状況」のことだ。純粋なGKと相手選手との一対一の状況とは異なり、プレーの選択肢がシュート以外にも存在する。

その代表例が、フットサルで言うところの「ファー詰め」だ。角度のないところからGKとDFの間にボールを入れて、ファーで構える選手が押し込むこの形は、サッカーでもひとつの得点パターンとなっている。そしてゴールを守る側にとってはかなりの困難を伴う。その場面でいかにゴールを守るかは、近年最も発達したGK技術と言っていいだろう。

ではその守る方法とは一体どのようなものなのか。Twitterでも話してきたが、ここでまとめておきたい。

まず、GKがすべきことは「コースの限定」だ。①立ち位置や②構え方によって守るべきコースを限定していく。

①立ち位置はニアのゴールポストから1歩か2歩離れた場所がベターだ。これによってゴールエリアを横断するスペースを遮断し、かつシュートを誘い込むことができる。場合によっては正面でキャッチできる場所に立つことで守る範囲を広げることが重要だ。

②構え方だが、注意すべきは股下のコース。GKにとって一番反応しづらいと言っていいこのコースを意識的に「閉じる」。小股で構えるのがベターだ。日本代表の川島も、意識的にこの構え方を選択している。ただ、人によっては構え方(スタンス)を変えない選手もいる。その代表例がテアシュテーゲン。彼はほとんどスタンスを変えない。だが、股下の注意を怠っているのではなく、股を素早く閉じる練習は行なっている。

次にGKがすべきことは、ゴールエリアを横断するパスを遮断するか、できなければシュートに対応する。ここではシュートへの対応について話す。

この対応策は2つある。一つは、僕が散々ツイートしている「ブロッキング」だ。両手両足を広げて大きな面を作るこの技術は、スモールフィールドにおけるGK技術の中で最も重要だ。僕が言葉で解説するより実際にプレーを見てもらいたい。

この技術は主にドイツやイングランドの選手が得意としている。この2カ国はおそらく育成年代からひとつの技術として習得している。年代別の代表練習を見ても明らかだ。

もうひとつは、シュートに飛び込むプレー。止められる可能性はブロッキングより低いが、何も手を打たないよりは打った方が良いのは当然で、最終手段と言っても良いだろう。これも実際にプレーを見ていただきたい。

残念ながら、Jリーグではあまり見られないプレーだ。単純にこの状況が少ないのか、技術として習得されていないのかはわからないが、あまり見ない。カミンスキーはおそらく身につけている。あと最近だと広島の林選手もスモールフィールドにおいて意識的にスタンスを変えているようだ。もう少し継続して見なければわからないが。

こんな感じでいかがでしょうか。サッカーでゴール前のシーンになった時、少しはGKを注目して見てもらえたらな、と思う。そして、僕にしては割とまとまりを持って書けたので満足である。わかりやすかったなぁと思ったらぜひみなさん拡散、共有お願いします。

以上。

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