残酷な儀式と献身の英雄

バレンタインとは関係ないです
バトグラとも関係ないです

ふと思い出した昔話

小学生の頃、僕の家は客観的に見ればそこそこ裕福だったのですが、
4人兄弟だったこと、ローンもたんまりで
「うちは貧乏だから」と親が言うような家庭でした

ゲームもあまり買ってもらえず、たま~にしか
ねるねるねるねも買ってもらえない、普通に質素な家庭でした

ある日、小学校でプレゼント交換をすることになりました

僕は「何を持っていけばいいかわからない」と母に相談します
母は「プレゼントなんて気持ちがこもってれば何でもいいのよ」と言います

幼い僕は、気持ちをこめて折り鶴をちょっと折って、
母に貰った、いくばくかの菓子と合わせて袋に詰めました

一抹の不安を抱えながら…

翌日、僕の小さな不安は、大いなる確信に変わります

周りを見渡し、「僕のプレゼント…ゴミすぎでは…」という絶望に襲われます

みんなで輪になってプレゼントを交換していきます
僕は無意識に自分のゴミを目で追っていたと思います

プレゼントが確定
「小学生に高額なプレゼントなんていらないでしょ」という、母の気持ちがこもったゴミが届きます

ゴミを受け取った彼の残念そうな顔を見て、僕は申し訳なく、悲しい気持ちになりました

俯いていたその時、僕と仲の良かったT君が、残念賞の彼に
「それ、俺のと交換してよ!」と声をかけ、自分のプレゼントと交換したのです

はっとしました

T君が、不安そうな僕を見ていたのか、不満そうな彼を見ていたのかは、
そのことについて話していないので分かりません

しかし、T君のとっさの行動が、二人の不幸な少年を救ったのです
ゴミを宝に変えたのです

思い出すだけで目頭が熱くなりました

T君との関係は残っていませんが、幸福に過ごしていてほしいと思います

神のいない国(八百万)にも、救済はあったという話でした

今でもあるのかな?
ゴミ儀式

やめて欲しい

おしまい

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