「国歌大観通読男」#0

かの吉本隆明は「無人島にひとつだけ本を持っていけるとしたら?」という問いにこう答えている。

「国歌大観」

「一冊じゃねえじゃねえか」というツッコミはあるがその回答はずっと私の心を支配した。こっちは古歌の教養なぞ一ミリもないのに。

またこの世の中には辞書を通読する人々がいる。かのOED (Oxford English Dictionary)すら通読する人がいるのだ。通読した体験をもとに一冊の本になっているほどである。

先日私の口座にボーナスが振り込まれた。給与明細を見たときに悪魔のささやきが到来した。

「『国歌大観』って買えるんじゃね?」

それから数日間最低限の和歌常識の本をKindleで読み、なるべく安い
中古の「新編 国歌大観」を探し、勢いで購入ボタンを押した。

そして今朝、段ボール三箱の日本の歌の塊が届き、後悔先に立たずと相成った。もう一度言っておくが、私の脳みそは古歌の常識はおろか古文を普通に読むのも危うい。

これは軽率で無知な人間による「『新編 国歌大観』を通読する」という人体実験の記録である。すぐ嫌になるかもしれないし、そうではないかもしれない。今日からは「#国歌大観通読男」にてその経過を記録していく。索引編、注釈等は適宜省略して読み進めることとする。

ちなみに古今和歌集仮名序を先ほど読み終えた。私でも知ってる歌人の名前が結構出てきて、どことなく文体からエモの雰囲気が出ている。

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