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体調が悪い。慢性炎症を考える。

すこぶる体調が悪い。

歳を重ねるごとに、体調を崩した時の酷さが指数的に上がっている気がします。
普段の生活習慣が原因なのでしょうか。

ということで、まずは食生活を中心に、
この体調不良を考えていきたいと思います。


現代の食生活と課題

現代の食生活では、加工食品中心の生活、糖質と脂肪の過剰摂取、そして頻繁な食事による「慢性炎症」が問題です。 慢性炎症とは、体内の免疫系が長期間にわたって持続的に炎症反応を引き起こす状態を指します。免疫細胞の機能を低下させ、風邪を引きやすくなるなど、様々な健康問題を引き起こします。 また、免疫反応が常にオンの状態になるため、感染症への対応が難しくなります。急性の原因が解消された後も続くことがあり、数ヶ月から数年にわたることがあります。慢性炎症は、糖尿病、心血管疾患、がん、アルツハイマー病などのさまざまな疾患と関連しています。

加工食品の一例

  1. 調理食品:

    • 調理された食品、例えば、缶詰、瓶詰、凍結食品など。

  2. 製パン:

    • パンや菓子類、例えば、パン、ケーキ、ビスケットなど。

  3. スナック食品:

    • スナックとして食べる食品、例えば、チップス、ポップコーン、クッキーなど。

  4. 油脂加工食品:

    • 油脂を加工して作られた食品、例えば、マーガリン、ショートニング、サラダ油など。

  5. 穀物加工食品:

    • 穀物を加工して作られた食品、例えば、パン、麺類、オートミールなど。

加工食品の何が慢性炎症を起こすのか?

加工食品が慢性炎症を引き起こすには、それらに含まれる成分が大きく関与しています。以下に、代表的そうなものを挙げます。

1.高糖質や高脂肪

これらの成分は、血糖値やインスリンレベルを急激に上昇させ、体内で炎症性マーカー(体内で炎症が発生していることを示す生化学的指標)を増加させることが知られています。特に、砂糖やトランス脂肪酸は、慢性炎症を引き起こし、心血管疾患や糖尿病などのリスクを高めます。

2. 精製炭水化物

白いパンや白米、パスタなどの精製炭水化物は、高いグリセミックインデックス(GI -食品が食後に血糖値をどれだけ上昇させるかを示す指標)を持ち、血糖値を急激に上昇させます。これにより、体内で炎症性サイトカイン(疫系の細胞が分泌するタンパク質で、炎症反応を引き起こし調節する役割)が生成され、慢性炎症が促進されます。

3. 添加物と保存料

加工食品には多くの添加物や保存料が含まれており、これらが腸内細菌叢(腸内フローラ -腸内に生息する多種多様な微生物の集合体)を変化させ、免疫系を刺激して炎症を引き起こすことがあります。特に、モノソディウムグルタミン酸(MSG)や人工甘味料などは、炎症を引き起こす可能性があります。

4. オメガ6脂肪酸の過剰摂取

加工食品にはオメガ6脂肪酸(植物油・ナッツ類)が多く含まれており、これがオメガ3脂肪酸とのバランスを崩し、炎症を促進します。現代の食生活では、オメガ6脂肪酸の摂取が過剰になりやすいため、オメガ3脂肪酸の摂取を増やすことが推奨されます。

オメガ3脂肪酸の摂取源

  1. 魚介類:

    • サケ、マグロ、イワシ、サバ、サンマなどの青魚に多く含まれています。

    • 週に1~4回の魚介類の摂取が推奨されます。

  2. 植物油とナッツ類:

    • 亜麻仁油、大豆油、キャノーラ油、くるみ、チアシードなどに含まれるALAが主要な摂取源です。

  3. サプリメント:

    • 魚油サプリメント(EPAとDHAを含む)や亜麻仁油サプリメント(ALAを含む)があります。

慢性炎症と肥満、ホルモン異常の悪循環

また、慢性炎症はホルモン異常を引き起こす一因となります。生成された炎症性サイトカインが、インスリン抵抗性(インスリンが分泌されているにもかかわらず、体の細胞がインスリンに対する感受性を失い、その作用が十分に発揮されない状態)を引き起こし、これがさらにホルモンバランスを崩します。

また、ストレスや慢性炎症は視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸)に影響を与え、コルチゾールの分泌を増加させることがあります。コルチゾールはストレスホルモンであり、長期間の高レベルのコルチゾールは体重増加や脂肪蓄積を促進します。

さらに肥満者の脂肪組織は、炎症性サイトカインを多く分泌し、これも慢性炎症を引き起こす一因となります。脂肪細胞の肥大化と脂肪組織の増加は、マクロファージなどの免疫細胞の浸潤を促進し、これがさらに炎症を悪化させます。

じゃあ、どうすればよいの?!

体内の慢性炎症を解決するには、生活習慣の見直しが重要です。 特に、食事、運動、睡眠、ストレス管理という4つの要素に焦点を当てる必要があります。

食事

まず、食事においては間欠的ファスティングが有効です。 これは1日のうち食事をする時間としない時間を決めて、食事をしない時間を意図的に作る方法です。 この食事法を続けることで、インスリン抵抗性を改善し、脂肪が燃焼しやすい体作りを目指します。

間欠的ファスティングは、1日を「食べる時間」と「食べない時間」に分け、食べない時間には糖質を摂取しない食事法です。 この食事法は、インスリン抵抗性とレプチン抵抗性を改善するのに効果があります。 さらに、慢性炎症を改善する効果も期待されています。※レプチン抵抗性とは、満腹ホルモンであるレプチンが脳の満腹中枢に届かず、満腹感を感じられなくなる現象です。

間欠的ファスティングの1つの方法として、16:8法があります。16時間の断食期間と8時間の摂食期間を設定して、ファスティングを行うものです。(正直、歴史ある健康法ではないので、自己判断が必要そうです)

16:8法のやり方

  1. 16時間の断食: 16時間の断食期間を設定し、摂食を禁止します。

  2. 8時間の摂食期間: 8時間の摂食期間を設定し、摂食を許可します。

注意点

  1. 水分摂取: 断食期間中は、水分摂取を十分に行う必要があります。

  2. 栄養バランス: 摂食ウィンドウ中は、栄養バランスのとれた食事を摂る必要があります。

  3. 健康状態: 16:8法は、健康状態によっては適切でない場合があります。特に、糖尿病や高血圧などの疾患を持つ人は、医師の指導のもとで行う必要があります。

運動習慣

次に、運動習慣を身につけることも重要です。 運動は、短時間でも毎日続けることが大切です。 軽い運動から始め、徐々に強度を上げていくと良いでしょう。 運動を習慣化することで、成長ホルモンの分泌を促し、老化予防にも繋がります。

いきなり激しい運動を始めるのではなく、「やらない言い訳を考えることが難しい」くらい簡単なものにするのがポイントです。 例えば、腕立て伏せやスクワットを1回だけやる、といった具合です。 これを続けることで、自然と運動する習慣が身についていきます。

運動習慣を身につけるには、やらざるを得ない環境を用意することも重要です。 毎日決まった時間に運動する、運動仲間を見つける、といった方法があります。

睡眠

睡眠も重要な要素です。 睡眠不足は免疫力低下に繋がり、慢性炎症を悪化させる可能性があります。

ストレス

最後に、ストレスをうまく管理することも大切です。 ストレスは自律神経のバランスを崩し、免疫機能を低下させる可能性があります。

腸内環境も改善しよう

腸内環境は、単なる食べ物の通り道ではなく、体の免疫システムの約70%が集まる重要な器官です。 腸には、口から肛門まで続くチューブ状の構造があり、その内部には100兆個以上の細菌が存在しています。 これらの細菌は、食物繊維などを分解し、短鎖脂肪酸を作り出すことで腸の健康維持を助けています。

腸内環境が悪化すると、腸の細胞同士の隙間が緩み、リーキーガット(腸管透過性の亢進)を引き起こします。 リーキーガットになると、本来体内に入らないはずの病原菌や毒素、未消化の食事成分などが腸の壁を越えて体内に侵入しやすくなります。 その結果、免疫細胞が過剰に反応し、免疫機能の調整が乱れてしまいます。つまり、腸内環境の悪化は、全身の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

そんな大事な腸内環境を改善するための3R、❶Reset、❷Rebuild、❸Reinoculate について詳しく説明します。(いずれも利用にあたっては精査が必要と考えます)

腸内環境改善のための3R

❶ Reset: 腸内環境をリセットする段階です。

  • A. オレガノオイル: オレガノオイルは、腸内の悪玉菌を抑制する効果を持つため、腸内環境をリセットする際に有効です。 オレガノオイルは、水に数滴垂らして摂取する方法や、カプセルで摂取する方法があります。

  • B. アロエベラジュース: アロエベラジュースは、食物繊維を多く含み、腸内の善玉菌の餌となるため、腸内環境のバランスを整えます。 また、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンAも豊富で、多くのアミノ酸も含んでいます。

  • C. コロイダルシルバー: コロイダルシルバーは、銀が水の中に均一に分散した状態の溶液で、抗菌、抗ウイルス、抗真菌効果を発揮します。 腸内環境をリセットする効果も期待されています。

  • D. パウダルコ: パウダルコは、ブラジルの国花である中木の樹皮を乾燥させたもので、腸内環境改善効果も期待されています。

❷ Rebuild: 腸内環境を再建する段階です。

  • A. 活性炭: 活性炭は、食品添加物、化学薬品、農薬、重金属などを吸着する作用があります。 活性炭自身は消化管から体内に吸収されないため、服用した物質の吸収を減少させる効果があります。活性炭を用いて腸内を洗浄することは、腸内環境改善のために必須とされています。

  • B. L-グルタミン: グルタミンは、体内で合成できるアミノ酸ですが、怪我、感染など体にストレスがかかる場合は、容易に不足するため、食事から絶えず摂取しておかなければならないアミノ酸です。 グルタミンは、腸粘膜の隙間であるタイトジャンクションの機能を改善する効果、すなわち、リーキーガットを修復し、腸内の炎症を抑える効果があります。

❸ Reinoculate: 腸内環境に善玉菌を再注入する段階です。 再注入するものとしては、食物繊維と発酵食品があります。

  • A. プレバイオティクス: プレバイオティクスとは、腸内の善玉菌のエサとなる成分のことです。 ネギ、タマネギ、アスパラガス、ラフィノース、サイリウム、グルコマンナンなどが挙げられます。

  • B. 発酵食品: 発酵食品は、善玉菌を多く含む食品です。 納豆、キムチ、味噌、醤油、みりん、ぬか漬け、麹、コンブチャなどが挙げられます。

これらの食品を毎日の食卓に少しずつ取り入れていくことで、腸内環境を改善していくことができます。 ヨーグルト、ザワークラウト、ケフィアなどの発酵食品は、日本人が古来より摂取してきたものではないため、摂取を控えることが推奨されています。(→科学的根拠は定かではない)

終わりに

日頃、食事を無意識的に行なっていますが、やっぱり見直しが必要ですね。健康を維持するためにも、自分は今何を食べて・どんな影響があるのか、しっかり考えていきたいと思います。

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