【侍ジャパン】世界一メンバーが続々と…

こんにちは。
今年も偉大な功労者たちがユニフォームを脱ぐ季節がやってきてしまいました。最近はヤクルトの五十嵐亮太が引退試合で登板し、神宮球場のマウンドに別れを告げました。また、日本ハムの浦野投手も現役引退を表明しています。

日本野球の功労者が続々と引退

そんな中で、私が注目したのは広島東洋カープの石原慶幸捕手、阪神タイガースの藤川球児投手、読売ジャイアンツの岩隈久志投手の3名の現役引退です。

この3人の共通点といえばもちろん2009年のWBCで侍ジャパンの世界一に貢献したメンバーの一員であるということです。

2009年のWBCは日本野球史上最高の瞬間だったと言っても過言ではありません。準決勝のアメリカ戦では、前年アストロズで17勝を挙げたロイ・オズワルトを攻略し計9得点を奪って打ち勝ちました。決勝の韓国戦では、つい最近現役引退を表明した岩隈の好投と昨年現役を引退したイチローの神がかり的な勝ち越しタイムリーで勝利し、世界一を勝ち取りました。韓国とは東京ラウンドからサンディエゴ、ロサンゼルスと至るまで合計5試合を戦う死闘になりました。

今年引退する3人の中で、特にWBCでの活躍が目立ったのは岩隈です。
岩隈は合計3試合に先発し、20イニングで防御率1.35と抜群の成績を残しました。負ければ敗退というキューバ戦では6回無失点、決勝の韓国戦では7回2/3を2失点と文句のつけようがない活躍でした。原監督は後に「あの時チーム全体でのMVPは松坂大輔でしたが、私の中では岩隈久志がMVPだった」と評しています。岩隈の活躍なくして世界一はなかったと思います。

日本野球史上最高の瞬間を作ってくれたメンバーの一員である3人の選手がユニフォームを脱ぐというのは本当に寂しいですし、時が経つのは早いなぁと感じます。

本当にお疲れ様でした!

2009年世界一メンバーの現状

さて、ここで2009年WBCで招集されたメンバーの現状を整理してみたいと思います。
2009年のWBCメンバーは怪我で離脱した村田修一の代わりに招集された栗原健太を含めて29名です。その29名のうち、2020年に現役でプレーしたのは15人です(川崎を含む)。そのうち石原、藤川、岩隈の3名が今シーズン限りでの引退を表明したため、現時点で現役を続ける意思がある選手は以下の12人しかいません。

・ダルビッシュ有 (シカゴ・カブス)
・田中将大 (ニューヨーク・ヤンキース)
・涌井秀章 (東北楽天ゴールデンイーグルス)
・松坂大輔 (埼玉西武ライオンズ)
・岩田稔 (阪神タイガース)
・内海哲也 (埼玉西武ライオンズ)
・中島宏之 (読売ジャイアンツ)
・内川聖一 (福岡ソフトバンクホークス)
・青木宣親 (東京ヤクルトスワローズ)
・福留孝介 (阪神タイガース)
・亀井善行 (読売ジャイアンツ)
・川崎宗則 (独立 : 栃木ゴールデンブレーブス)

MLBにいるダルビッシュと田中の2人はすっかり別世界の人間になってしまいました。特に今年のダルビッシュはレッズのトレバー・バウアーとサイヤング賞争いをしたほどの活躍ですから、本当にすごいの一言につきます。
田中は今年でヤンキースとの7年契約を満了し、現在FAとなっていますのでどの球団とどんな契約を結ぶのか注目です。個人的にはチャンピオンリングを取るまでヤンキースにいてほしいなと思うところはありますが、田中の決断を後押しして応援したいですね。

NPBでも、ヤクルトの青木宣親が今年はホームランがキャリアハイにあと2本と迫る18本を放っていますし、打率も.316、出塁率が.421、OPSが.985(10月27日時点)と、とても38歳とは思えないような素晴らしい成績を残しています。その活躍は、巨人の原監督も「青木にばかりやられている」と嘆くほど人々の印象に残っています。
また、涌井と中島の復活も本当に嬉しいですね。

一方で危機的状況に直面する選手も…

2009年の世界一メンバーで今も現役を続けている選手の中には、もがき苦しんでいる選手もいます。その代表例が内川聖一と福留孝介の2人です。
2人とも不振により今シーズンから出場機会が激減しました。福留は打率.154、ホームラン1本と絶不調だった上に、コロナ騒動による登録抹消のダブルパンチを食らい、今現在も2軍暮らしが続いています。内川に関しては昨年137試合に出場したにも関わらず、今シーズンは1試合も1軍出場がありません。そして、2人とも今シーズン限りで所属球団を退団し、来季は新たな移籍先を探すことが決定的となってしまいました。

そもそもこの年齢でまだ現役でプレーしていることが素晴らしいと思いますが、私は内川も福留もまだやれると思っています。特に内川は10月27日時点でファームで打率.340、出塁率.421と圧倒的な成績を残しています。2人とも他球団と契約するチャンスはあると思います。

2人の移籍先はどうなる!?

そこで気になるのが、内川と福留の移籍先です。2人とも出場機会を求めて移籍を希望しているので、どこへ移籍しても全くおかしくないと思います。特に、内川は年俸面を度外視すればどの球団も絶対欲しいはずです。

その中でも、まず最有力候補として上がってくるのが、内川が横浜DeNAベイスターズ、福留が中日ドラゴンズです。理由は言うまでもありません。DeNAはソトとオースティンの流出説もありますし、監督が内川の戦友でもある三浦大輔2軍監督になるという報道もありました。中日は野手の層の薄さが指摘されていて、今シーズン中にライトで欠員が出ることがありました。2人ともあり得そうな気はしますが、福留に関しては話が出たとしてもフロントと契約がまとまるのかはなんとなく微妙な雰囲気もあります。

次に候補に挙がるのが、WBCで共に戦った原監督がいる読売ジャイアンツです。原監督は自由契約となっていた中島と岩隈を相次いで獲得した経歴があります。さらには、2013年オフには2008年の日本シリーズで強烈な印象を残し2009年のWBCでも活躍した片岡治大をFAで獲得したこともあります。原監督はあの時の世界一メンバーを好む傾向がありますので、2人の獲得に乗り出す可能性は大いにあり得ると思います。

野球人生のターニングポイント

第2回WBCで世界一をもたらしてくれたメンバーのうち、現役を続ける選手の多くがここにきて野球人生のターニングポイントを迎えています。海の向こうではより良い契約と働き場を求めて交渉をする投手もいますし、日本では驚異的な復活を遂げる選手もいれば野球人生最大のピンチに直面している選手もいます。

世界一のメンバーが素晴らしいキャリアを終えて続々とユニフォームを脱いでしまうのは非常に寂しいですが、残されたメンバーも悔いのない野球人生を歩んでいってほしいなと願っております。

心から応援していています!頑張れ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?