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【巨人】テームズは活躍するのか?

こんにちは!
今回は巨人の新外国人エリック・テームズについて掘り下げていきたいと思います。

KBO挑戦が人生を変えた

2011年にMLBデビューしたもののパッとしない成績が続いていました。ただ、KBOに移ってからは選球眼が飛躍的に良くなり、四球率が倍以上、三振率が10%台をキープしました。その結果、3年連続で打率3割ホームラン30本以上をクリアしています。また、KBO時代のOPSはオール1.000超えと異次元の成績を残し、まさに「無双」したことで見事MLB復帰を果たすことになりました。
MLB復帰後は2017年に復帰1年目でいきなりホームラン35本をマークし、2019年にも25本のホームランを放っています。また打率のわりには出塁率は高い値が出ていますし、四球もそこそこ選べています。

MLBでも結果を出しているテームズが来ただけでも驚きましたが、このレベルの外国人選手と1億円台で契約できたのはかなりお買い得だと思います。昨年は一塁と左翼という外国人が守ることが多いポジションをほぼ固定できなかったので、新しく加入したテームズがインパクトのある活躍をしてほしいなと思っています。

なぜ2020年は成績を落としたのか?

MLBでの実績が豊富なテームズですが、昨年は成績を落としてしまっています。なぜ昨年成績を落としたのか、いくつか気になるデータがあったのでご覧ください。

これは2019年と2020年の速球系(Fastball)と変化球系それぞれの成績を示したものです。Fastballの割合を見ていただくと2019年の58.1%から2020年は49.6%と割合がかなり減っていることがわかります。なぜ減ったかというと、2019年に速球系をよく打って変化球が打てていなかったからです。速球系はMLBの投手相手でもある程度対応できるものの、変化球対応は脆さがあることが分かります。

以前も紹介しましたが、2020年にNPBの規定打席到達者で全投球に占めるストレート(ツーシーム系統は含まない)の割合が50%を超えていたのはロッテの安田と楽天の小深田しかいません。セリーグに至っては1人もいません。それぐらい日本のセリーグは変化球の割合が多い場所です。ただでさえ変化球の多いセリーグでテームズのこのデータを見ればこれまで以上に変化球の割合が増えることは間違いありません。つまり、変化球への対応がNPBで成功するための最大の鍵になるでしょう。

打球が上がっていない…

2020年はゴロの割合(GB%)がかなり増えて、フライの割合(FB%)がかなり減っています。しかもフライが内野フライになった割合(IFFB%)は16.7%と前年の倍近くになっています。つまり、打球が上がっていない上に、フライが飛んでも飛距離が出ていないというあまりよろしくない結論が出てしまいます。

パワーヒッターで打球が上がらないというのは致命的です。打球の強度もかなり弱まっていますし引っ張り方向の打球も2020年になって減っていますので、これが衰えによるものでないことを祈りたいですね…

テームズが成功するには?

テームズが日本で成功するために必要なことは以下の2つだと思います。

①変化球対応と打球傾向のバランス
これはテームズに限らず全ての外国人選手に共通することですが、テームズは過去のデータを見る限りではより変化球への対応が大切になってくると思います。
一方で、昨年は打球が上がっていないというデータもありますので、テームズの特徴とホームランが出やすい本拠地東京ドームの特性を活かしてとにかく打球角度と打球の強度が出やすい引っ張り方向の打球をできる限り増やしてホームランを増やせれば良いと思います。
引っ張りにかかるとボール球の変化球にますます手が出やすくなりますので、双方のバランスをどう保ち日本のピッチャーに対してどういうアプローチをかけてくるのか注目したいと思います。
②人工芝と怪我
テームズがMLB復帰後に所属していたミルウォーキーとワシントンのグラウンドはいずれも天然芝です。一方、今年の本拠地東京ドームはもちろん人工芝ですし、セリーグで天然芝の球場は甲子園とマツダスタジアムしかありません。人工芝に変わると下半身のコンディション管理ができなくなってしまう選手も多くいます。ロメロの記事の時も芝が変わると怖いと書きましたが、巨人でも昨年のパーラは膝を痛めたことで力を発揮することができませんでした。テームズも人工芝への対応が一つ心配されるところになるかもしれません。

これはどの外国人選手にも当てはまるかもしれませんが、テームズに関しては特にこの二つの条件をクリアできない限り活躍するのは厳しいと思っています。正直なところ、実績のわりには年俸がそこまで高くないですし、他にもNPBでの実績が十分なウィーラーや出塁能力はピカイチな北村、昨年外野でレギュラーを獲った松原など能力の高い選手も控えているので、テームズがしくじってもそこまで大打撃を被るわけではないかもしれません。

ただ、それでも億単位の年俸を注ぎ込んで獲得して来たからには活躍してほしいですよね。打率は出ないけど出塁率と長打が出るという点でロッテのレオネス・マーティンと似たような働きをしてくれれば理想的だと考えています。安定してヒットが出るタイプではないので、ある程度は原監督の我慢も必要になる時が来るかもしれませんが、勝負どころでの長打を特に期待したいなと思います。

今後の活躍を楽しみにしています!

《参考》
https://www.fangraphs.com/players/eric-thames/3711/stats?position=1B/OF#batted-ball
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【巨人】テームズ&スモークと契約合意!
https://note.com/nori203/n/n61efb3cafd9f

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