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「いわき時空散走」リサーチ 2024.07

7月3日(水)

14時~16時「湯本リサーチ」

備中屋斎菊の嶋崎さん

参加者:4名(陸奥・寺澤・井上・藤城)
・『備中屋斉菊』の嶋崎さんにお話を伺う。明治時代の湯本の地図や、町や人々の様子が描かれた絵、青年会の方々が作成したアーカイブ資料(『湯本町の100年の歩み』)など、様々な資料を見せていただいた。特に、二代目の斉菊勝之介さんが残した数々の著書や絵画が印象深い。斉菊勝之介さんは絵描きでもあり、湯川(湯本川)で獲れたうなぎの絵や馬車で人を運び始めた頃の湯本駅前の様子など、他にも、町や人、暮らしを描いた絵図を沢山残している。

7月4日(木)

9時~12時「末続・久ノ浜リサーチ」

久ノ浜支所にて話を聞いている様子

参加者:3名(陸奥・寺澤・井上)
・すえつぎカフェの岡森さんから前回のリサーチの際に繋いでいただき、久之浜支所へ。元々担当していた谷平さんと、現在担当者の林さんにお話を伺う。漢学者であり、いわきの歴史や民俗などについて著書を残した『大須賀筠軒』についてや、久之浜通信、震災時の町民の声をまとめた冊子、昔の久之浜町の鳥瞰図、筑波大学のフィールド研究報告書なども見せていただいた。2004年に久之浜で実施された筑波大学のフィールドワークの報告書がよくリサーチされていて面白く、様々な伝承話や行事ごと、暮らしについて知ることができた。学生たちの報告書ですが、震災前のまちを残すものとしてとても貴重な資料となっている。
・その後、菓匠梅月に行き、柏餅と波立を買って末続駅で食べてから、末続にある見渡神社へリサーチ。

14時~17時「湯本リサーチ」

『いわき市石炭・化石館 ほるる』

参加者:2名(陸奥・井上)
・今春に復活したばかりの『いわき市石炭・化石館 ほるる』へ訪問する。特に、地下にある炭鉱エリアがクオリティが高くて面白く、様々な資料が展示されており、炭鉱が栄えていた時代のいわきを体感しながら学ぶことができた。炭鉱の始まりから現在に至るまでや、いわきでの炭鉱と温泉の関係性などをより深く知ることができた。

7月5日(金)

9時~12時「末続・久ノ浜リサーチ」

高木詩織さんと新妻英正さんにお話をお聞きする

参加者:3名(陸奥・寺澤・井上)
・SLOW DAYS Cafeにて、オーナーの高木詩織さんと、元副市長であり久之浜在住の新妻英正さんにお話を伺う。新妻さんは久之浜通信にも関わられていた方で、久之浜通信に書かれている内容を中心に、久之浜通信を出版していた『もろびと舎』についてや、気になる伝承話など、様々なお話をお聞きした。久之浜通信以外にも、梅月の資料や、久之浜・大久地区のアーカイブ資料、震災の時に作られた冊子、久之浜地区のマップなど、さまざまな資料を見せていただいた。また、霧島昇さんの『誰か故郷を想わざる』の歌碑や、霧島昇さんが作成に協力した久之浜第一小学校の校歌の歌詞についての話も。
・今の課題として、閉園してしまった海竜の里センターの今後の使われ方をお二人とも懸念しているとのことだった。

7月6日(土)

10時~12時「草野リサーチ」

渡辺さんにお話をお聞きする

参加者:4名(陸奥・寺澤・井上・藤城)
・草野在住の渡辺さんに、草野エリアのスポットがマッピングされた、オンラインマップを共有いただきながらお話を伺う。渡辺さんはいわき地域学会に所属しており、歴史的資料を沢山保管されていました。今回、草野出身でありいわき民俗の伝承者である高木誠一さんについてお聞きし、資料なども見せていただいた。
・高木誠一さんはいわき時空散走のデザイナー藤城光さんの旦那さんの曾祖父にあたる。今回渡辺さんにお話を伺って新たに分かったこともあり、藤城さんは高木誠一さんに関する資料をなるべく集めて伝えていきたいとのこと。
・お話を伺った後、高野坂観音、高木誠一の生家、狐塚など、マップで見せていただいたスポットを案内していただいた。

12時~17時「湯本リサーチ」

石井シェフにお話をお聞きする

参加者4名(陸奥・寺澤・井上・山田)
・橋本酒店さんにて、激辛で有名な『ヤスヒロの黒カレー』の親である石井シェフにお話を伺う。石井シェフがハワイアンズで料理長を務めるまでの、”何度も死にかけた”人生の話をお聞きした。石井シェフが湯本でやっていた洋食店『ヤスヒロ』は、自分の名前の保(たもつ)を音読みしてヤス、昭和天皇の名前、裕仁(ひろひと)のヒロからとったそう。また、黒カレーはインドのスパイスを使い、本場の辛さに仕上げているとのことだが、石井シェフも「辛くて食べれない、ミルクを混ぜて食べる」と言っていたのが面白かった。

佐波古さんにお話をお聞きする

・温泉神社の神主さんである佐波古さんにお話を伺う。1300年の歴史がある温泉神社。これまでの温泉神社が現在地に至るまでの話や、湯本のまちや祭りについてなど様々なお話を聞くことができた。現在夏に湯本で開催されている、『金魚つかみ大会』は、鰻つかみ大会が始まりだそう。元々湯川で鰻がよく取れたとのこと。この話を聞いて、備中屋斉菊で、湯川の鰻を描いた絵があったのを思い出し、頭の中で時代が繋がった。

7月7日(日)

9時~15時「草野リサーチ」

ガンプハウスオーナーのお父さん(左)とお友達の吉田さん(右)

参加者:5名(陸奥・寺澤・井上・藤城・渡邊)
・前日の夜から時空散走メンバーは草野にあるゲストハウス『GAMP HOUSE/がんぷはうす』に宿泊し、7日の朝に、オーナーのTADAさんのお父さんとお友達の吉田さんにお話を伺う。GAMP HOUSEがあるのが、「赤沼」という地域だが、なぜ赤沼と呼ばれるようになったのか?について、ダイダラボッチの足跡説と、大きな赤かぶが取れたという説があるとのこと。また、そのかぶを切っていくと六十枚に切れたことから、近くに「六十枚」という地域もあるようだ。他にも、じゃんがらのお話や、高木誠一さんのお話などもお聞きした。

夏井先生にお話をお聞きする

・草野在住であり、いわき地域学会の代表幹事である夏井芳徳さんにお話を伺う。戊辰戦争のお話や、笠間藩について、藩と港のつながり、ダイダラボッチの伝説、その他にも草野エリアに限らず、いわきの歴史について沢山教えていただいた。夏井先生の様々な考察を聞くことができた。また、地域の歴史を伝えていくことや、歴史学と民俗学の違いについての考えもお聞きすることができた。歴史学では人間の醜さや失敗を学び、一方で民俗学では美しい部分、解決策や知恵などを学ぶ、どちらも学ぶことが大事とのこと。


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