見出し画像

住食足りて安眠を知る

草の者ゆえ根無し草、な忍者系VTuberを名乗るワタクシ、おうぎや暖簾

いよいよ名実共に根無し草になりつつあった、アドレスホッパーとネットカフェ難民の中間にあった生活も、一先ずは終わりを迎えた。

壁で仕切られることのない天井、共空間と化した天井で、寝息と、革張りのシートで作られた個室の床と触れる肌が身動ぎする度ガサゴソと奏でる物音が共用物となった世界。

カーテンという名の壁だけで仕切られた大部屋で過ごしていた入院生活を思い起こさせる3週間弱の生活。
それらが、ようやく思い出になり始めるのである。

とはいえ、一昨年まで過ごしていた地の最寄り駅にある、何なら当時から幾度か利用していた場所を拠点に、一昨日まで動いてきたのである。
いざこうして世を忍ぶ仮の姿を取って社会人の生活に戻るにあたり、身も知らぬ地に腰を降ろした今現在の方が、「心細さ」という琴線に触れているのは間違いない。

そんな心細さに相対するにあたり、「定住期間を少しでも長く」という意味で、実家に置きっぱなしにしてきた炊飯器やマイ箸、愛用のタンブラーなど、早々に普段使いの食器を新居に送ってもらった。

個人的なジンクスとして、「愛用していた食器(茶碗や箸など)が壊れると、その地を離れなければならなくなる」というものがある。
一度ならばまだしも、これが二度三度とあると、お天道様が「そろそろまた根無し草になる気構えを」と言っているようにすら聞こえる。

それを見越して貯蓄でもすりゃあいいものを、所謂「お金の使い方が下手」な私は、ただただ追いやられるように定住地を去っては古巣に出戻ったり、それに近しい場所にまた戻る、の繰り返しな自分にはどうにもヘキエキとするのである。

ゆ故に、先述の「悪あがき」を敢行したのである。思いの外早く、こちらにそれらが届いたのもまた僥倖というもの


願わくば、この生活が当面は続いてくれることを願う。
日記のヘッダーは、愛用の箸と割り箸を映したもの。

箸は彼此10年は買い換えていない。
さすがは居酒屋の店内で拾っただけはある代物。

さぁさぁ、おうぎや暖簾の根無し草生活、名は変わらずとも、様相は都度千変万化。

いつのどのおうぎやと、あなたは出逢うことやら…。
見掛けた際は、ひと声よしなに

何卒なにとぞ…


ではね



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?