【すべらない文字】ガス代
『人志松本のすべらない話』を文字にしてみても、やっぱりすべらないのかを試みる文章実験です。話に出てきた事実は曲げず、不必要に情報を足さず、しかし解釈を加えて、話芸とは異なる文章ならではの面白味を追求してみました。
その夜、僕はいつものように後輩と酒を飲み、いつものように家路に着いた。いつものように郵便受けのダイヤルを回し、チラシなどの不要な郵便物を手に取ると、ある一枚の紙が目に留まった。見慣れない紙。送り主は「東京ガス」だった。
「ガスが止まります」
最近、引っ越しをし