見出し画像

わたしと植物療法


先月のことですが。
東京・中目黒の学校で、植物療法士の資格の授与式でした。

「フランス植物療法普及医学協会認定 植物療法士」
という資格を頂きました。

今回は、この節目にわたしと植物療法の出会いや歩みを振り返りながら、
これからのことも少し綴りたいな、と思っています。



あれはかれこれ5年ほど前のこと。

当時は病院で看護師の仕事をしていました。

毎度の残業で疲れ果てた帰り道にふらっと立ち寄った本屋さんで、森田敦子さん著の「自然ぐすり」という背表紙が目に入り、手に取ったのがまさにわたしと植物療法の出会いでした。



さっと立ち読みして、迷わずレジに持って行きました。
とてもわくわくしたのを覚えています。


人の命を預かる仕事をしていましたが、病院の中で行われている医療以外にも人の病気を癒すことができるのだと、どこか救われたような気持にもなりました。

これが、わたしと植物療法の出会いでした。

この時から「いつかこの森田先生から植物療法を習いたい!」と無意識に強く思うようになっていました。

それから1年半後に病院でのお仕事には一度ピリオドを打ち、頑張ってお金を貯めて東京の中目黒にある森田敦子先生主催の学校に通学することを決意しました。
申し込みの瞬間は、とてもドキドキしたものです。

コロナの影響で予定よりも時間はかかりましたが、
2年という時間を経て今この頂いた資格証の重みをよりどっしりと感じています。

時間がかかったおかげで、その分じっくりと自分と向き合い、
森田先生からも直接教えを頂くことができた貴重な経験となりました。


植物療法を学びながら、この学校の教えの中で大切にされている
「自分を大切にする」ということの大切さを
自分の心、体と向き合うことを通して身をもって実感しています。

日々の暮らしは忙しく、気付くと自分らしさを手放してしまいがち。

その字の通り「忙しい」とは、心を亡くすこと。
わたしも日々の仕事に追われて、自分を見失いかけていました。

でも、自分のこころとからだの声に
少しずつ耳を傾けられるようになり、
自分にとって快・不快のアンテナも敏感に働くようになりました。

「あ、これは本当はやりたいことじゃなかったんだな」
「自分では平気だと思っていたけど体にはちょっと負担だったんだな」

自分の心の変化や体調の変化は、いろんなことを教えてくれました。

仕事、暮らし、日々の当たり前のことでさえも
自分を知ることで驚くくらい色んな可能性をはらんでいることに気づけるのです。

感覚が変化していく様は、自分でも不思議なくらい。

そんな植物療法ですが、絶対的なものではないと思っています。
それはヨガでも音楽でも、なんでもよくて。

でも忙しかったり、ストレスも多かったり、自分と向き合うきっかけすらなかったり。

ささいな体調や心の変化、小さな不調でさえも、それは自分からのメッセージ。

寝不足だよ、体が冷えてるよ、少し食べ過ぎだよ。


…それに気づき、そっとケアしてあげれたなら、もっとよりよい自分に出会えるんじゃないかと思っています。

そんなきっかけをくれるのが植物療法だと、思っています。 

そんな想いで、この秋から
「わたしを旅する植物療法講座」と名付けて
少しずつ周りの方にお伝えしていくことを始めました。 

わたしも植物療法に出会っていなければ、森田先生の本に出合っていなければ、今は全く違う人生を歩んでいたと思います。

別に何かを大きく変えることがいいことでもなくて、
今の環境の中でもよりよい自分で在れたなら
それはきっと、とっても素敵なことで。

素敵な人が増えたなら、周りももっと素敵になって、もっと素敵な社会になるんじゃないかと小さく大きな夢をもっています。

大きな病気はもちろんだけど、
頭が痛いのも、鼻がつまるのも、眠れないのも、なんとなく元気がでないのも
やっぱりつらいもの。

どんなときでも優しく寄り添ってくれるのが、わたしが植物療法を好きな理由です。

植物療法の力を借りながら、食べ物のこと、暮らし方、季節の過ごし方…
少しずつ自分を整えていく方法を、私自身も自分を整えながら、
ありのまま・等身大で少しずつ伝えていきたいと思っています。

あの時の自分のように、必要な方に届けられたなら何よりも喜びです。
どうぞ、よろしくお願いします。


最後に、フランスで植物療法を学び、日本に持ち帰り、学びの場を開いてくださった森田敦子先生に心から感謝の気持ちを込めて。

植物療法士 菜江

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?