“生まれて初めて”出産レポ④〈完結〉
※分娩に関する描写を含みます。
苦手な方は、閲覧をご遠慮ください。
ずん、ずんー
赤ちゃんの頭がどんどん下がっているのを
自分でも感じ始めながら
「初産って10時間以上って言うし...
この状態からあとどれくらい時間掛かるんだろ...」
ーこの期に及んで、まだそんな呑気なことを考えているとー
「ちょ、ちょっと待って待ってー!
いまは力抜い...」
・・うぅっ!
助産師さんの言葉もむなしく、すでに私は
押し寄せる強い衝動に全身全霊で力を込めていました。
ビリ、ドゥルンっ!
「あー...!
はあい、おめでとうございます~!
元気な女の子ですよ~!!」
え、え?!
もう?!?!
最後のさいごまで、自分ごととして受け入れられないまま、私は真っ赤な我が子を胸に抱いていました。
そこまで時間にして
産院到着から30分以内の出来事でした。
(実際の時間は、その症例の少なさから周囲にほぼ身分を明かしてしまうため機密情報)
助産師さんは赤ちゃんの身体を綺麗なガーゼで拭き取りながら、
「初産でよく全開まで耐えたね~。
あなた、“ド安産”だよ!
2人目の時はもう、すぐ来てね!」
はぁ...
まだ夢見心地で我が子を見つめながら、
早すぎる2人目の忠告を受けました。
(時系列からして、破水はタクシー内でしていた模様)
出産後、悲しいかな真っ先に抱いたのは、
「え・・みんなの生理痛って
どんだけ痛くないんだー?!?!」という
感想であり、十数年越しの新事実でした。
私は出産して、生まれて初めて
過去の自分の生理痛の重たさをポジティブに捉えられました。
※痛みの感じ方は決して比べられるものではありません。が、
生理痛がむちゃくそ重たく毎月大変な思いをして過ごされているあなた、
きっと陣痛に耐える素質をお持ちです!
(ただし我慢は禁物!)
あ、そうだ、
産院からの連絡を受け職場から駆けつけているという夫には
「産んじゃった」とラインを入れました。
それから1時間ほどして汗だくで到着し、
私の陣痛バッグから畳まれたままのタオルを手渡しました。
「出産、、こんなもんか♪」
そんな経産婦カブれ(なんそれ?)に陥っていた
この時私は、出産という大仕事の後に
待ち受ける試練をまだ知らないのでしたー
《出産レポ おわり》
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