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【古着屋巡り vol.2】Tam@中目黒

中目黒駅から目黒川に沿って池尻大橋方面に歩くこと15分。

駅から離れるほどに人気も減り、活気のある若者の街とは一変して、落ち着いた大人な街の様相を見せ始める。

そんな若者と大人の雰囲気がグラデーションする場所に佇むのが、今回お話を伺う『Tam』(タム)。

まりかが4年ほど前からお世話になっているお店だ。

まりかのお店の第一印象は、私好みの洋服が並ぶ中に、少し大人な感じだったりチャレンジしたくなるようなアイテムが溢れているのと、店主のタロウさんとタカヨさんの懐の深さや柔らかさにお姉さん的な安心感を感じたそう。

そんなお店とご夫婦のルーツを探っていくよ!

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−−ちょっと人の名前のような「タム」という親しみやすいお店の名前の由来はなんでしょうか?
タロウさん:お店の名前に意味はあんまり持たせたくなかったので、みんなが覚えやすい語呂の良さと自分が気に入る響きで決めました。

タカヨさん:たまに「”タムラ”さんですか?」って聞かれることもありますね(笑)。

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−−お店を開いて何年目でしょうか?
タカヨさん:今年の11月で10年なので、10年目です。

タロウさん:ありがたいことにひっそりと長くやらせてもらえています。

−−お店を開こうと思ったきっかけや背景はなんだったのでしょうか?
タカヨさん:Tamは旦那さんが開いたお店で、私はあとから入っているんです。

タロウさん:洋服全般が好きで、お店を開く前からアパレル関係の仕事をしていたのですが、お店を開いたきっかけと聞かれると…..."自然の流れ"ですね(笑)。

−−"自然の流れ"...言ってみたいです...。

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−−タカヨさんはあとからお店に働くようになったとのことですが、お店で働くことになったきっかけはなんですか?
タカヨさん:最初はお手伝いみたいな感じでした。

それが徐々にレディース担当のように一緒に仕入れしたり、アメリカに買い付けに行ったりしていましたね(笑)。

気づいたら、私の方がお店に多く立っていて、自然と「あれ?私毎日いる」みたいな感じでした。

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−−お二人が古着を好きになったきっかけは何ですか?
タカヨさん:最初は全くわからず旦那さんの影響が大きいです。古着について知っていくうちに歴史的な背景やビンテージの服の作り、デザインにも惹かれるようになりました。

組み合わせ方でいろいろな表情が出せるのも楽しいですし、人と被らない着方ができるのも自己紹介みたいな表現方法で楽しいですよね。

タロウさん:好きになったきっかけは「自然に辿り着いた」になってしまうので、古着の好きなところをあげるとスウェットにしてもその人の着方はもちろんのこと洗い方とかで状態が変わってくる、全く同じものがないってところがやっぱり面白いですよね。

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−−セレクトするアイテムのこだわり・着眼点を教えてください。
タカヨさん:お店に並ぶのはアメリカのアイテムが主で、アメリカの方は日本に比べたら身体が大きいので、日本の方が着たらどう見えるだろうっていう視点を持ちながら、サイズ感やデザイン性にこだわってセレクトしていますね。

タロウさん:この服はこう着ないといけないみたいな決まりごとを古着にあまり持たせたくなくて、時代のムードを理解しつつも自由でジャンルレスに仕入れをしています。

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−−中目黒という街を選んだ理由はなんでしょうか?
タロウさん:なるべく商店街のように人がごちゃごちゃせずにゆっくりとしているところがよかったんです。

中目黒は当時から古着屋が多く、よく足を運んでいたので土地勘もあったりして。店の前も開けていて気の流れが良さそうだったのも決め手の1つですね。

−−私たちの印象ですと中目黒は栄えた街ですが、オープンした10年前の中目黒はどうだったのですか??
タロウさん:驚くと思うのですが、10年前はタワマンもなくゴーストタウンでしたね。今じゃ考えられないですけど、21時以降は人が全然歩いていないような感じでした。

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−−え、ゴーストタウン...今じゃ考えられないです。この地域でお店をしていて、中目黒と古着の関係性をどう感じますか?
タカヨさん:この地域の方は元から感度が高く、何に対しても常にアンテナを張っている方が多い印象です。

そんな風土の中でも昔から古着屋さんが多くあった中目黒は「古着」が定着している街で、遊びに来る人も住んでいる方も自由な感覚・発想で古着を取り入れている方が多いと思いますね。

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−−お店を見渡すと入り口の扉を始めとして、内観や外観に経年変化とリッチさや落ち着いた雰囲気を感じます。お店の内観や外観のこだわりはありますか?
タロウさん:元々、この建物は50年ほど続いた居酒屋で、そのときの外観も良かったのですが、外からも店内を見えるようにしたくて入り口は取り壊し、こだわって大きな窓と扉を取りつけました。

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窓の上部にある草木はインテリア要素というよりは、窓を大きくした分だけ陽の入りも多いので、遮光の意味でつけたのですが、結果的にお店の雰囲気をいい感じに変えてくれましたね。

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−−若者と大人な雰囲気が混じり合っている地域に感じるのですが、お客さんの年齢層や性別はどうなんでしょうか?
タカヨさん:男女比は6:4で、お店に並んでいるアイテムもメンズの方が少し多いです。

年齢層は幅広くて、大学生くらいの若い世代の方から40,50代の方までで、30代くらいが一番多いですかね。30代が多いのは地域柄もありそうです。

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−−オープン当初と今で変化したことはありますか?
タカヨさん:以前は古着好きな方は古着だけを着る、新品の服が好きな方は新品のみのように真っ二つに分かれているような印象だったのですが、ジェンダレスなども含めて、着たいものをより自由な感覚で取り入れるようになリましたね。

あとは、SNSの進化によってたくさんの情報をより簡単に見つけられるようになりましたし、SNSでお店を知ってTamのように駅から遠くても足を運んでくれるようになりました。

タロウさん:それでも、一点モノの古着の良さを画面上だけでは伝えきれないですし、サイズバランスや生地が持つ雰囲気など、イメージを具現化しながらお話しすることでより充実した買い物をしていただけると思っていますので、SNSありきにならないようにしています。

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−−最後にお二人の今後の展望を教えてください!
タロウさん:店舗を増やしたりとかは今のところ考えていなくて、永く続けられたらいいですね。

タカヨさん:私も永く続けられたら良いですね。

近所の方も多いですけど、いまだに「いつからありました?」って質問に「10年前です」って答えると「えっ?」って驚かれる近所の方とかもいたりして(笑)。

Tamらしさを失わずに、ひっそりと永く続けたいですね。

−−おじいちゃん・おばあちゃんになっても?
タロウさん:そうですね、それが理想ですね。

流行うつろう都会で、自然体にかまえる古着屋さん

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今回取材している中で、よく出てきた”自然に”という言葉。

この感覚が流行という大きな波が押し寄せる都会で、流されるのではなく流れるように、自分たちが持つ視点で、「中目黒という自由な発想が育つ風土」と「時代が生み出すムード」を調和させることができるのかなと感じた。

今回取材させいただいたTamさん。5月中旬からお店を休業し1ヶ月ほどアメリカに買い付けに行き、充実した買い付けを終えて6月12日(土)に営業を再開!!

仕入れたばかりのアイテムが並んでいるので、訪れるなら今です!

私たちも夏を楽しむアイテム買いたいなあ〜⛅️

今回訪れたお店👖

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■Tam(タム)
Instagram:@tam_nakameguro
住所:〒153-0042 東京都目黒区青葉台3丁目7−10

【のらりくらり】

メインロゴ_正方形

モデル:まりか ( @pikake07 )
撮影・執筆・編集:たくみ( @jitsu_tkm

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