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オタク起業家が出版業界を救う方法を考えてみた。

【小説投稿サイトの盛り上がり】

まず、最近の小説界隈がどうなっているかの話をしましょう。

もちろん、出版は全体的に落ちているわけなんですが、続々と拡大を遂げているものがあります。それが小説投稿サイトです。

例に出してみますと、
・小説家になろう
・カクヨム
・アルファポリス
・エブリスタ
・ノベルアップ+
などなど…軽く10以上は超えるサイトがあります。そして、かなり驚きのデータがありまして、それが小説投稿サイト最大手である「小説家になろう」(以降「なろう」)は日本のあらゆるサイトのなかで21番目に見られているサイトだそうです。(similerweb調べ)


厳しいのは紙媒体の書籍ですね。電子書籍への移行もうまく行かず、苦戦中のようです。
無料投稿サイトが増えたせいで買わなくなったとかもありそうですが、小説がコンテンツとして死んでいるわけではないということがわかります。


【問われる出版社の存在意義】

僕は出版社となんの関係もないので余計ですが、いま出版社の意義が薄れつつあるのを感じます。

最近ではアニメ化された小説の中にも「なろう」の作品も多く、投稿サイトで人気になった作品をそのまま書籍化したり、Twitterでバズったマンガを書籍化することが多くなっています。

もちろん、漫画家や作家が単独で収益化できないという点からは意義があるのですが、作家を育てて出版に漕ぎ着けるという時代からは変わってきているのではないでしょうか。

実はAmazonもセルフ出版が簡単にできるようになっています。極端な話、出版社を介さずにSNSや投稿サイトでファンを作って、セルフ出版で売るという手段も可能です。

作家や漫画家、イラストレーターなどすでにTwitterなどでフォロワーを持っていますし、小説好きや漫画好きのコミュニティも出来上がっているとなると出版社がお金を掛けて宣伝・広報するよりも作家自身に任せたほうが…となる日も近い。


【出版不況の原因は、面白い作品がないから】

出版不況の原因はなんなのかって話になりますが、これってめっちゃシンプルに「面白い作品がバンバン出てこないから」だと思うんです。

一つの事例として、「なろう」のデータがあります。
わかりやすくサイトのデータをまとめてくれているエッセイがあったのでそちらから拝借します。

「小説家になろうを知ろう ~小説家になろうをグラフ化してみた~」
https://ncode.syosetu.com/n3630fb/

いくつかグラフを拝借。

このデータから見てもわかるのはみんな結構小説読んでるんですよね。

「なろう」のいいところは、圧倒的な作品数と探せば面白い作品があるということだと思います。

なぜ面白い作品が商業作品として出てこないのか、これの答えが「小説家になりたい!が夢として機能していないから」ではないかと僕は思います。

少なくとも文庫の場合、年間5冊出て、1万部売れたとして300万円。しかもここから課税される…?さらに専業なら個人事業主だから社会保険とか払わないといけなくない?経費も掛かるくない?えー…。そもそも出版までが大変だったのに。


【1000部売れれば稼げる仕組みをつくること】

作家が稼げないっていうのは僕たち読者にとっても他人事ではなくて、例えば、面白いなと思っていたマンガの連載が人気無いっていう理由で打ち切りになるとか、本来作者が考えていた作風から売れないからとテコ入れ図って全然違う流れになるとか。自分は好きなんだけど、ジャンルがニッチで書くのやめちゃうとか。

これってめちゃくちゃ残念じゃないですか?

打ち切りとか続きが出ないとか、その原因が作者が書けないとかならまだいいんです。だけど、売れないからとか人気がないからで作品が壊れていくのはめっちゃ悲しいんです。

今の出版業界でいわれる「1万部売れなきゃ出版できない」っていうのはハードルが高すぎると思うんです。

有料noteが1000部売れれば充分な収入になるじゃないですか。なので考えるべきは、1万部売れる作品をつくることではなく、1000部でも作家が充分な利益を得られる仕組みをつくることだと考えています。


【出版不況、その果てに待ち受けるもの】

僕が本当に恐れているのは、出版不況で出版社が無くなって、小説やマンガが無くなり、それを原作にしていた映画やアニメまで消えてしまうことです。

アニメや映画、ドラマ、ゲームなどは、それ用にオリジナルで作られた作品もありますが、元々売れている小説やマンガを原作にしているものも多いです。

原作についての話は、アニメ業界でも言われていて、現在ですら「原作の枯渇」が叫ばれています。

この問題はアニメ化の本数が増えたというのもありますが、出版業界で売れている作品がないことから連鎖していると考えられます。

小説が売れにくい→アニメ原作候補が無くなる→原作枯渇

原作が売れているからこそ、それを担保にアニメが作られるわけです。そこが無くなっていくと、アニメも制作するリスクが上がってしまうのではないかという話です。そしてこれは、映画やドラマにも同様のことが言えます。

もし、このままアニメや映画、ドラマが衰退したら…。僕たちオタクは、人生の意味すら怪しくなるんじゃないでしょうか


【解決策は、作家を儲けさせること】

オタク業界の未来を支えていくために、出版業界を救わなればなりません。そのためにどうするのか。これはシンプルに、

「作家を儲けさせる」そのために…

「作家の印税」を上げる。

これが一番良い解決策です。

仮に印税が上がると、今までの1万部売らなきゃいけなかったのが、1000部で済むようになりますし、1万部でしんどい思いをしていた作家が余裕になります。

では、印税を引き上げる為にどうすればいいのか。

まず、現状なんで印税が低いのかを調べてみました。はい、こちら。

こちらググって出てきたデータです。(こちらから拝借https://www.nttdata-strategy.com/monthly/2013/1025/)
上が紙の書籍、下が電子書籍の配分図ですね。

紙については再販価格維持制度があるので書店とか取次分は決まっているようです。電子書籍は再販価格維持制度は適用されないんですが、電子書籍の販売サイトなどの取り分が多くなるケースやそもそも紙に比べて単価を安くしないと売れないとかで結局、著者への印税引き上げにはならないようです。

この図を見る限り、出版社もなかなか厳しそうですね。出版社を除いた分で最大75%は取られるわけですか。さらにそこから出版社の経費も引かれて…となるとかなり厳しいのはよくわかりますね。

電子にすれば安くなるかと思いきや、結局はストアに取られたりであまり変わらないようになっているわけですね。

では、どうすればいいのか。以下、僕のアイデアです。

①完全電子書籍化
②出版から購入、閲覧まで1つのサービスで終わらせる。
③編集を入れない

いわば、小説版メルカリ、有料小説投稿サイトですね。

こうすれば、従来のコストのほとんどを削減できますので、その分だけ作家に還元できるってことです。

問題があるとすれば、
①掲載される作品の質はどうか
②作家が自由に書くだけで面白い作品ができるのか

これらについてはサービス作りながら、すでに商業で活躍している人とか面白い作品を投稿している人たちに直接声掛けていって参加してもらえれば早い。人気のある作家なら、その作家さん自身にフォロワーもくっついていますから読者の流入もスムーズに行くのではと。

著作権とか出版権については、作家さんの自由にすれば作家さん側にとってもデメリットはなくなります。


【無限の可能性を持つ出版業界】

衰退が著しい出版業界ですが、大切なことは、日本において、オタク産業がどれほど期待されているかというところです

映画の世界では正直、邦画は洋画には勝てないと思います。しかし、アニメーションなら日本は世界を牽引できます。そのためには世界中に日本の原作を浸透させて、世界共通の空想文化を創ることが必要です。その上で日本のアニメーション技術を持って、映像化する。そうすれば、MAVELだって超えられます。

あの映画を見て、どれほどの感動を世界中で巻き起こしたか。どれほどの熱狂を生み出したか。今の日本のフィクションにはロマンが足りない。創作者は、世界中に感動を届けられる存在だと、本気で信じきれていない。

フィクションはたかが空想です。だからこそ、無限。

これだけの可能性を日本という小さな世界だけで終わらせないために、まずは出版業界から変革を起こしていかないといけない。手遅れになれば、日本のロマンが死んでしまう。


最後に。

この後、開発のためのクラウドファンディングを実施します。
僕と同じようにフィクションに救われた経験がある方、もしこの記事を読んで共感して頂けたならご支援をお願いしたいです。

読んで頂き、誠にありがとうございました!



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