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某国立大学(理系猿生息?)のおはなし1(勤務時間についての教員の意識)

 気のせいかもしれませんが、妙に不祥事の多い、国内レベル5位、6位を争うと思われる某国立大学のちょっとしたエピソードを紹介します。
 私が下働きをしていた部局だけの話でもたくさんのお話があります。
 大学の職員は、法人化する前は公務員でした。
 大昔の話ですが、公務員というと、昔やり玉に挙げられたこともあるように(大学は特に)、あまり仕事もなく、タイムカードもなくて出退勤時の時刻も記録されず、定刻の5時(前の場合もあり。)になると退勤という所が結構あったようです。(こんなのはごく一部だといわれる方もいたようですが。)
 私は、この大学に勤める前は小さな地方国立大学で働いていましたが、そこでは、朝は定刻から30分以上遅く出勤するのが当たり前、昼休みは二時間弱、退勤はもちろん5時10分前には正門から出ており、事務のえらいさんは、平然と大学内の芝生のところで勤務時間中に長時間のゴルフをやっていました。(一度、その噂を聞きつけたかどうか知りませんが、文部省から各大学に”厳重注意”が交付され、前者の場合は、5時前に正門の前に職員が待機し、5時過ぎてから門を出るようになり、お偉いさんの勤務時間中のゴルフも見かけなくなりました。)
 タイトルの”某国立大学”でも、”お偉いさんのゴルフ”は普通にやっていたとのことを後で知りました。
  私は”技官”だったのですが、最初にいた大学ではあまりにも仕事がないのと、少し人間関係でも嫌なことがあったので、”某国立大学”に異動させてもらいました。
 そこは、先の大学とは打って変わって(部局が特殊だったようで、他の部局はそうでもなかったようですが。)、朝は8時過ぎには出勤させられ、時間無制限で働かせられ(平均帰宅時間午後十時で、当時週休二日だったにもかかわらず出勤強要で、週に二日は真夜中の12時まで働かされました(もちろん、残業手当も出ません。)
 最初から文句を言うのもと思ったので数年は我慢し、まず、勤務時間を(勝手に)決めている先生方に文句を言ったところ、「君たち公務員は、大学の教員が、職務の内容、勤務時間を自由に決めていいことになっており、その証拠に、公務員関連の法律や規則には公務員の勤務時間が何時から何時までとかいう文言は一切書いていないだろう!」と、「こんなことも知らんのか!」という顔で返事されました。
 そこで、公務員規則や大学規則の勤務時間の部分をコピーして見せたところ、(本当にびっくりしたような顔を一分以上した後)「規則で決まっていたからと言って、それを杓子定規に守るのは子供のすることやから、やっぱり君は今まで通り夜まではたらかなあかんのや~!」。「君がやっているのは、小学生が、親に言われたことを『いや、いや』してるのと同じで、いい年こいて恥ずかしいやろ~。」とのたまわれました。
 あまり腹が立ったので、大学本部の人事に苦情を言ったのですが、最初に対応した事務官は「あなたが、夜遅くまで残業させられている証拠はひとつもないし、あなたの部局の先生に訊いても『定刻に帰らせている!』とはっきり言っている。仮に本当にそうだったとしても、それは規則違反でもあるわけだから、あなたが無視したらいいわけだ。それで先生からの評価が下がったとしても、私は知らないけどな。」
 またまた腹がたって、「もういいです!」と席を立ちました。
 やはり怒りが収まらず、何週間か後もう一度大学本部に行ったところ、また違う事務官が対応してくれて(今度はいくらかましな対応で)、「あなたの部局の先生方には注意しておく。」と言ってくれました。ついでに、技官の残業手当について訊くと「大学関係では、今のところ事務官には手当を出すようにはなっているが、(技官はどこでも残業するようなことは普通していないので、)技官には手当を出すシステムにはなっていない。」とのこと。
 とにかく、これが功を奏したか、まず、私の部局の技官の勤務時間は21時までとなり、一年ほど後には19:00までとなり、さらに数年後に18:00までとなりました。(ウチの先生方は大怒り!)
 これが、私が再雇用定年退職した昨年まで続いていました。
 また、残業手当については、法人化時に、パソコンで出退勤時間を各職員が入力しなければならなくなり、”証拠”がはっきり残るようになったので、初めて残業手当がもらえるようになりました。(二十年以上もサービス残業をさせられていましたが。
(因みに、公務員は当時、残業していなくても一応一日当たり30分程度の残業代は給与にプラスされていたそうですが、そんなものでは全く追っつきませんでした。)
 勤務時間関連では、ほかには、ウチの部局独自の勤務時間が18:00になって以降も、昼休み付近での実験実働時間が12時までで13時から再開となっていたのですが、データ収集や装置類の後片付け、立ち上げで15分以上かかる場合が多く、昼休みが少ししか取れない職員がほとんどでした。
 これは私が苦情を出したわけではなく、(珍しく)事務のほうから言ってくれたそうで、実験実働時間を昼休みが実質一時間とれるようになったのですが、その際に(特に若手教員から)苦情が多発したそうで、私も直接、その若手教員から「そんなの、後片付けや立ち上げ時間を勤務時間に入れるのはおかしいでしょう!考えてもみてください。切符売り場で何時から何時までとなっていたら、係の人はその時間ぎりぎりまで仕事をしなければいけないでしょう!」とか、わけのわからないことを言ってきました。(もう少しで「おかしいのはお前の頭や!」と言いそうになりました。
 勤務時間関係だけでも、ほかに面白い話は多くありますが、今回はこれまでです。 
 なぜ”某国立大学”が不祥事を起こしやすいのか、これらのことで理論だてられる方がいれば、またお教えください。
 それでは。


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