連邦裁、ワクチン義務化一時停止【VS コロナファシズム(1)】
大企業を対象としたワクチン接種義務化は一時停止
連邦第5巡回区控訴裁判所は本日11月6日、バイデン政権が従業員100人以上の企業にコロナウイルスのワクチン接種や毎週の検査を義務付けることを一時的に阻止したと発表しました。第5巡回区というのは、エリア分けされた連邦控訴裁判所のテキサスが所属する裁判所になります。他にも、同様の訴訟が別の巡回控訴裁判所で行われており、少なくとも合計26州がバイデン政権のワクチン義務化政策を訴えているようです。
この控訴裁判所の決定がどのようなものかと言いますと、”全国12の巡回控訴裁判所と連邦巡回裁判所が下した判決が、何千もの事件の最終判断となるのである”と言います。この一時停止命令を受けて、勝利宣言をしている共和党の人もいるのですが、これでワクチン義務化が完全に停止されたわけではありません。
2ページにわたる判決の中で、明らかになっていることは次のことです。
”労働安全衛生局が策定したCOVID-19ワクチンに関する連邦規則には、「法令上および憲法上の重大な問題」があると指摘した。しかし、裁判所は詳細を明らかにしていない”(THE TEXAS TRIBUNEより)。
本日付けニューヨークタイムズでも、”この判決が、バイデン政権にとって手続き上の問題なのか、それとも義務化の撤回の第一歩となるのかは不明である”としています。
本裁判の争点と、命令に対するコメント
報道によると、今回の訴訟の核心は、OSHAが権限を超えて規則を発行したかどうか、またそのような義務化には議会での可決が必要かどうかが問題とされています。
テキサス州を含むワクチン義務化反対派の主張: ・行政の行き過ぎを主張。
・この安全対策は、場合によっては、グレッグ・アボット州知事によるワクチン接種義務化の禁止など、州や地域の法律を超える可能性(違憲的な越権行為)がある。“呼吸するようかのように行われている連邦権力の乱用 (breathtaking abuse of federal power”(テキサス州のケン・パクストン司法長官)。
・第5巡回区が義務化を停止したことは、連邦政府による民間雇用者へのワクチン義務化には、深く明白な憲法上の問題があることを示している(訴訟の提起に関わったテキサス・パブリック・ポリシー・ファウンデーションのロバート・ヘネケ弁護士)
・バイデン政権は”予防接種義務の対象者を大幅に増やす”という立法政策を設定後、多額の罰金の脅しで施行される拘束力のある規則を設定した。これは典型的な立法行為。職場の安全を守るというOSHAの目的とは全く無関係である。
・OSHAの権限を与える法律のどこにも、議会はパンデミックを終わらせる権限をOSHAに与えていない。
《今回の判決について》 ニューヨークタイムズが報じたTwitterでの関係者のコメント ・雇用創出者とその従業員の自由にとって大きな勝利である(ルイジアナ州のジェフ・ランドリー検事総長)
・裁判所の判決を称賛(サウスカロライナ州のアラン・ウィルソン司法長官)
・憲法が優先されるだろう。"大統領は法の上にいるわけではない"(サウスカロライナ州のアラン・ウィルソン検事総長)
・戦いは終わっていないし、私はこの管理者の違憲的な越権行為に抵抗することを決してやめない!" (テキサス州のケン・パクストン司法長官)
バイデン政権の主張: バイデン政権は月曜日までに、反対派による終局的差し止め請求に応じることになっていますが、米国労働省の最高法務責任者であるシーマ・ナンダ氏は、法廷でこの規則を擁護する準備があると声明を出しています。
・労働安全衛生法は、労働者が重大な危険にさらされており、労働者を保護するために新しい基準が必要であるとOSHAが判断した場合、緊急時に迅速に行動する権限をOSHAに明確に与えている。
今後の日程: 《ワクチン義務化の当初の計画》 今回訴訟の対象となっている、ワクチン接種義務化の最初の重要な期限は12月5日。従業員100人以上の企業はワクチンを接種していない従業員に室内でのマスク着用を義務付けが必要となります。次の期限は来年1月4日。この日までにワクチン接種を義務付けるか、未接種の従業員に対し、毎週の検査を行わなければならないとされています。
この義務化が影響するのは、全米の約8,400万人の労働者と言われています。 《裁判》
双方が準備書面を提出した後、裁判所は仮差止命令を解除して規則を計画通りに進めるか、あるいは終局的な差止命令を与えるかを決定することになっています。後者だった場合、OSHAはその後、この訴訟を最高裁に持ち込むこともできるとされています。
OSHAとは?
今回の争点の1つであるOSHAの役割を紹介します。一番確実なのが、政府のウェブサイトの情報なのですが、ここで1つ問題点があります。コロナが始まって以来、過去に発表された科学論文や報告書、重要な用語の定義等、ネット上に掲載されているあらゆる文書が”更新”されています。OSHAのウェブサイトも、おそらく何らかの”更新”がなされているだろうなと思い、OSHAが正式に承認したオンライン・トレーニングページの方を参考にすることにしました。私がコロナ以前から研修を受け、理解しているOSHAとは違いがないように思いましたので、こちらからの抄訳で紹介します。
サウスフロリダ大学OSHAトレーニング(OSHA-Authorized Outreach Training Online)
OSHA成立した背景:
連邦議会は次のような労働環境を検討をした結果、OSHAは1970年に成立した。 ・業務上の事故による労働者の死亡者数は14,000人を超えた。
・約250万人の労働者が障害を負った。
・業務上の障害による損失日数は、ストライキによる損失日数の10倍である。
・推定される職業病の新規発生件数は30万件。
生産量や賃金の減少、医療費や障害補償など、国の商業に与える負担や、人的コストも計り知れない。そこで、「国民のすべての労働者に安全で健康的な労働条件を可能な限り保証し、人的資源を保護するため」に、1979年に超党派の議会で「労働安全衛生法」が制定された。
OSHAは何のためにあるのですか?:
「労働安全衛生法」により、労働省の中にOSHA(労働安全衛生管理局、Occupational Safety and Health administration)が創設され、労働者の安全と健康の保護を担うこととなった。
1970年の発足以来、OSHAは労働死亡率を半分以下にし、OSHAが注目している産業の全体的な傷病率を下げ、繊維産業の褐色肺疾患をほぼ撲滅し、トレンチ作業や掘削作業での死亡事故を35%削減した。
OSHAは労働省を通じて運営されている。DOLは180以上の連邦法を規制・執行している。これらの法律とそれを実施するための規制は、約1,000万人の雇用者と1億2,500万人の労働者の多くの職場活動を対象としています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?